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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第7章 対決、「断罪官」

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第282話 「異端者」2人と「裏切り者」の話・「最後の言葉」

 本日2本目の投稿です。


 「ああああああああああっ!」


 と、自分がしてしまったことを思い出して、頭を抱えて悲鳴をあげたアメリア。


 その後、アメリアはその場に両膝をつくと、頭を抱えたまま蹲ってしまったので、そんなアメリアに、


 「姉さん! しっかりして、姉さん!」


 ニーナは必死になって声をかけたが、


 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」


 と、アメリアは震えた声でそう呟くだけで、ニーナの声に応えることはなかった。


 そんな状態のアメリアを見て、ニーナは「ど、どうしよう」と言わんばかりにオロオロしていると、


 「に……ニーナ……お姉ちゃん」


 という声が聞こえたので、その声を聞いたニーナが、すぐに声がした方へと振り向くと、


 「あ、ピート!」


 そこには、片手でお腹を抱えながらヨロヨロと立ち上がるピートがいた。因みに姿はというと、既に「獣」から元の姿に戻っていた。


 「ピート、大丈夫……!?」


 と、ニーナはすぐにピートのもとへと駆け寄ろうとすると、


 「おい」


 と、アメリアが低い声を出してきたので、それにニーナが「え?」と反応すると、


 「そいつは……『獣人』なの?」


 と、蹲った状態のアメリアが、ギロリとピートを見つめながらそう尋ねてきたので、


 「ね、姉さん……あの……」


 と、ニーナはオロオロしながらもその質問に答えようとしたが、それよりも早く、


 「……そうだよ。僕は『獣人』だ」


 と、先にピートがそう答えてしまったので、その答えにアメリアはギリッと歯を鳴らすと、すぐに立ち上がって先程落とした剣を拾うと、


 「お前がぁあああああ!」


 と叫びながら、ピートに向かって突撃しようとした。


 ところが、


 「やめてぇ!」


 と、それを見たニーナがそう叫んだ瞬間、ニーナの影から紫色に輝く鎖が現れて、彼女の全身に巻き付いた。


 「うぅ! こ、これは!」


 突如現れた謎の鎖によって、身動きが取れなくなってしまったアメリア。


 少々戸惑ったが、その鎖の出どころがニーナの影から出てきているのを見て、


 「ま、まさか……ニーナの仕業なの?」


 と、アメリアは恐る恐るニーナに向かってそう尋ねると、ニーナは「う!」と呻いて、その後気まずそうにコクリと頷いた。


 その様子を見て、


 「じ、じゃあ、ニーナ。本当に……『固有職保持者』なの?」


 と、アメリアは再び恐る恐るニーナに向かってそう尋ねると、ニーナも再び気まずそうにコクリと頷いた。それと同時に、アメリアに巻き付いていた紫色に輝く鎖が、ジャラジャラと音を立てながら、アメリアから離れて、ニーナの影の中へと戻った。


 鎖から解放されたアメリアは、再びその場に両膝をついた。そして、


 「そ……そんな」


 と、ニーナの答えにショックで顔を大きく歪ませると、


 「何で!? 何でなのよ!? 何でよりによって、ニーナが『異端者』なのよぉ!? これじゃあ私……私は……何の為に頑張ってきたのよぉ!?」


 と、大きな声で喚き出した。


 その喚きを聞いて、


 「ご、ごめんなさい……姉さん」


 と、ニーナが涙を流しながら、震えた声でそう謝罪すると、


 「……や」


 と、アメリアはボソリとそう呟くと、持っていた剣をクルリと回して、柄ではなく刀身を掴んだ。


 それを見て、


 「ね、姉さん?」


 と、ニーナが恐る恐る尋ねると、アメリアは剣の切先を、なんと()()()()()に向けたので、


 「姉さん、何してるの!?」


 と、それを見たニーナがギョッと大きく目を見開くと、


 「もう嫌……こんなの……もう嫌ぁ!」


 と、アメリアはそう叫びながらその剣で自身の喉を貫こうとした。


 それを見て、


 「や、やめてぇ!」


 「駄目だ!」


 と、ニーナとピートが止めようとした、まさにその時、


 「に、ニーナ」


 「「「っ!」」」


 ケネスの攻撃によって動かなくなっていたアメリアとニーナの父親が、「ガハッ!」と血を吐きながらそう声をもらしたので、


 「お父さん!」


 「父さん!」


 「おじさん!」


 と、ニーナ、アメリア、ピートの3人は急いで父親の傍へと駆け寄った。


 その後、


 「お、お父さん! お父さん!」


 と、ニーナが父親にそう声をかけると、


 「に、ニーナ、大丈夫……か?」


 と、父親は口から血を流しながらそう尋ねてきたので、それにニーナが「う、うん!」と返事すると、


 「ああ……よかった」


 と、父親はニコッと笑った。


 その後、


 「と、父……さん」


 と、今度はアメリアがそう声をかけたので、


 「ああ……アメリア。帰ってたの……か?」


 と、父親はゆっくりとアメリアに視線を向けながらそう尋ねた。それに対して、


 「う、うん……ただいま、父さん」


 と、アメリアは涙を流しながらそう答えると、


 「あ……ああ……お帰り、アメリア」


 と、父親は再びニコッとしながらそう言った。


 その後、


 「う……がは!」


 と、父親はまた吐血し出したので、


 「お、お父さん、今、助ける……!」


 と、ニーナはすぐに行動しようとしたが、それを遮るかのように、父親はニーナの手を掴むと、


 「い、いいんだ、ニーナ。お父さんは……もうすぐ死ぬから」


 と、父親は笑顔を崩さずにそう言ったので、


 「そ、そんな、嫌だよ父さん! 折角、帰ってきたのに!」


 と、アメリアは大きく目を見開きながらそう喚いた。


 それを聞いて、


 「あ、ああそうだ、アメリア。確か……『断罪官』に……入ったん……だな?」


 と、父親は弱々しい口調でそう尋ねてきたので、その質問にアメリアは無言でコクリと頷いたが、


 「で、でも……私……ケネス小隊長を……仲間達を……この手で!」


 と、震えた声で自身が犯した「過ち」を語ろうとした。


 すると、父親はゆっくりと手を伸ばして、グッとアメリアの手を掴むと、


 「そっか……偉いぞ……アメリア」


 と、アメリアに向かって弱々しい口調でそう言ったので、その言葉にアメリアだけでなくニーナとピートまでもが「え?」と反応すると、


 「お……お前は……悪くない。お前は……ただ……ニーナを……妹を……守った、だけだ。た、たとえ……五柱の神々が……許さなくても……お、お父さんと……お母さんは……お前を……許すよ」


 と、アメリアに向かって笑顔でそう言い、


 「だ、だから……どうか、ニーナを許してやって……ほしい。に、ニーナだって……望んで、『固有職保持者』に……なったわけじゃ、ないのだから。そ、それに、ずっと……ニーナを見てきた、けど……ニーナは、一度だって、自分の力を、悪いことに……使ってなかったから」


 と、最後にそう付け加えたので、


 「と、父さん……お父さん!」

 

 と、アメリアは更に涙を流した。勿論、それはニーナも同様である。


 そして、


 「ぴ……ピート…‥君」


 と、父親は今度はピートに声をかけたので、


 「な……何、おじさん?」


 と、ピートが父親に向かってそう返事すると、


 「わ、私は……もう、限界だ。だ、だから……君には、すまないと思ってるが……」


 と、父親は申し訳なさそうな表情でそう言ったので、それにピートが「ん?」と首を傾げると、


 「に、ニーナと、アメリアを……守ってほしい。ふ、2人とも、私と……母さんの……大切な娘なのだから」


 と、父親はピートに向かってそうお願いしてきた。


 そのお願いに対して、ピートは大きく目を見開くと、


 「う……うん、わかったよおじさん! ニーナお姉ちゃんと、ニーナお姉ちゃんのお姉ちゃんは僕が守る! 今度こそ、絶対に! だから……!」


 と、父親に向かってそう言い、最後に「死なないで!」と言おうとしたが、


 「あ……ありがとう、ピート……君」


 と、父親はニコッと笑ってそう言い、その後、すぐに空を見つめると、


 「ああ。もう、そろそろ……だな」


 と呟いて、それにアメリアとニーナが「お父さん!」と声をかけると、


 「アメリア……ニーナ……ピート、君。生きて……幸せに……なって……」


 と、父親は笑顔のままそう言って……その後すぐに息を引き取った。


 それを見て、


 「お……お父さん……お父さん!」


 と、ニーナは涙を流し、


 「……嫌だ……嫌だよ、お父さん、お母さん。私達を……置いてかないでよう」


 と、アメリアも、まるで幼い子供のように泣きじゃくり、最後にピートはというと、


 「……また、まただ。一体、何回僕は……こんな悔しい想い、しなきゃなんないんだよ」


 と、拳をグッと握り締めながら、震えた声でそう言った。


 そして、時は現在へと戻る。


 


 


 

 どうも、ハヤテです。


 かなり長くなってしまいましたが、今回でアメリア、ニーナ、ピートの過去回は終わりです。

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