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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第7章 対決、「断罪官」

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第274話 「異端者」2人と「裏切り者」の話・「騒動」の後


 ニーナの故郷の村で起きた「騒動」によって、村の内部は大混乱に陥った。


 当然だろう。何せ、村の嫌われ者である村長の息子がいきなりニーナに乱暴を働いたと思ったら、そこへ「悪しき種族」と恐れられている「獣人」の少年が現れて、挙句の果てにはニーナが「固有職保持者」だという事実を知ってしまったのだから。


 そして、「騒動」の発端となった村長の息子とその取り巻き達はというと、全員、ニーナのスキルによって全身がミイラのように干からびてしまったが、幸いなことに命に別状はなく、現在、彼らはそれぞれの家で家族に介抱されている。


 当然、村長の息子も村長の家の自室で介抱されているが、母親である村長の妻はというと、


 「あ……あの娘! よくも私の息子を!」


 と、今もベッドの上で「うぅ……」と呻き声をあげる変わり果てた姿の息子を見て、彼を無惨な姿にしたニーナに怒りを爆発させていた。


 それからすぐに、


 「何をしてるの!? 今すぐあの娘を……あの『悪魔』を殺しなさい! あと、村に現れた『獣人』もね!」


 と、隣に立つ村長に向かってそう喚いたが、


 「……あの2人の『処遇』はこちらで話し合って決める」


 と、村長の妻とは逆に落ち着いている表情をした村長は冷たい口調でそう返事したので、


 「そんな! 息子が大事じゃないの!?」


 と、村長の妻は更にそう喚きながら尋ねたが、


 「ことの発端はこいつとその仲間達だろう? なら、今までの悪さをした()()を受けただけだ」


 と、村長は更に冷たい口調でそう返事したので、それに村長の妻が「な……!」と絶句していると、


 「これからその話し合いをしてくる。お前は絶対に来るな」


 と、村長はそう言って息子の部屋を出て行った。


 そして、残された村長の妻はというと、歯をギリッとさせて、


 「おのれ……おのれ!」


 と、その表情を「怒り」と「恨み」と「憎しみ」に染めた。


 一方、ニーナとピートはというと、実はこの村にある「五神教会」の支部の地下には、罪を犯した罪人を閉じ込める為の牢屋があり、現在、2人はその牢屋に入れられていた。


 明かりは通路の壁についている蝋燭の炎だけで、牢屋の中は薄暗く、あるのは石造りの床に敷かれたボロ布のみで、ニーナとピートは寄り添うようにそのボロ布に包まった状態で床に座り込んでいた。


 そんな状況の中、


 「ごめんねピート、私の所為でこんなことになっちゃって」


 と、ニーナが申し訳なさそうな表情でピートに謝罪すると、


 「ううん、気にしないでよニーナお姉ちゃん。寧ろ、僕の方こそごめんね。僕がもっとしっかりしてたら、ニーナお姉ちゃんを連れ出すことが出来たのに……」


 と、ピートも申し訳なさそうにそう謝罪してきたので、


 「ピート……」


 と、ニーナは泣き出しそうな表情を浮かべながら、ソッとピートを抱き寄せた。


 その後、


 「私達、どうなっちゃんだろうね」


 と、ニーナがボソリとそう呟くと、


 「だ、大丈夫だよ! ニーナお姉ちゃんは今度こそ僕が絶対に守るから! 体力が戻ったら、こんな牢屋なんて軽く破ってやるさ!」


 と、ピートがニコッと笑いながら、ニーナを元気づけるかのようにそう言ったので、それを聞いたニーナは目を大きく見開いた後、


 「ふふ、ありがとう」


 と、笑顔でピートにお礼を言った。


 さて、騒動が終わったとはいえ不穏な空気が漂うニーナの生まれ故郷の村からかなり遠く離れた地では、


 「は! は!」


 と、馬に乗った1人の女性が、そのニーナの故郷の村に向かっていた。


 乗っているのは、ニーナの姉のアメリアだ。


 彼女は五神教会の本部で、ニーナが固有職保持者……「異端者」だと聞かされた後、


 「既に貴様が所属している小隊にも話はしてある。すぐに準備をするように」


 と、断罪官大隊長であるギデオンにそう命令されて、それを聞いたアメリアは、よろよろと立ち上がると、


 「……はい。わかりました」


 と言って、弱々しい足取りでその場から立ち去った。


 だが、本部内の廊下を歩く中、


 (信じるものか……信じるものか!)


 と、アメリアは拳をギュッと握り締めながら心の中でそう呟くと、


 「確かめに……行かなきゃ!」


 と、その場から駆け出すと、自身が所属している小隊には向かわず、1人、馬に乗って故郷へと向かったのだ。


 しかし、今アメリアがいるルーセンティア王国王都から故郷の村まではかなりの距離があったので、幾ら大急ぎで馬を走らせても、馬の方が体力が疲れてしまうので、アメリアは焦りながらもどうにか気持ちを落ち着かせながら、時々安全なところに寄って馬を休ませていた。


 そんなことを繰り返しながら、故郷に向かって馬を走らせていると、


 「よし、もうすぐ村に着く……!」


 と、「ゴール」が近くなったのを感じて、アメリアはそのまま向かおうとしたが、


 「あ!」


 その前に馬がまたバテてきたので、


 (うう、もう少しなのに!)


 と、アメリアは悔しがったが、すぐに「今は馬を休ませなくては!」と考えて、その日は野宿することにした。


 気持ちよさそうに眠る馬を見て、


 (私も、休まなくちゃ……)


 と思ったアメリアは、静かにその馬に寄り添うと、ゆっくりと目を閉じた。


 ところが、


 「……ん。あ、あれ!?」


 暫くして目を覚ますと、何故か木に体を縛り付けられてる状態になってたので、


 「な、何で!? 何が起きたの!?」


 と、アメリアは混乱した。


 その後、周りをよく見ると、乗っていた馬の姿もなかったので、


 「こ、これは……一体……!?」


 と、アメリアが顔を真っ青にすると、


 「()()()()()()()()()()()()


 と、なにやら()()()調()()()()()()の声がしたので、それを聞いたアメリアは「え?」とタラリと汗を流しながら、ゆっくりと声がした方へと視線を向けると、


 「あ……け、()()()()()()


 「やぁ、おはようアメリア」


 そこには、「断罪官」の隊員の証である漆黒の鎧に身を包んだ、美しい顔付きをした長髪の男性がいた。


 

 


 

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