第270話 「異端者」2人と「裏切り者」の話・そして、「悲劇の始まり」へ
遅くなりました、1日遅れの投稿です。
その後、ニーナとピートの2人は、3年後の「逃亡」に向けての準備を開始した。
ニーナは両親や村人達の目を盗んで、自身の固有職能「呪術師」の能力を使いこなす為の特訓をしつつ、村を静かに抜け出す為の計画を練りながら、実際に逃亡した後の生活に必要な物資を集めていった。
一方ピートの方はというと、ニーナの隠れ家に住み続けて、自身の身体能力と「狩り」の腕前を上げつつ、全ての獣人が持っているという「変身能力」を自由に扱えるようにする為の特訓に励んだ。といっても、ニーナ以外の人間に見つかるのを避ける為、昼間ではなく誰もが寝静まった夜に行っていた。
そんな感じで、ニーナとピートは毎日会うことは出来ないが、共に1つの目標に向けて生活していくうちに、いつしか2人の間に種族を超えた「絆」が芽生えていった。
そして、3年後。
「もうすぐだね、ピート」
「うん、ニーナお姉ちゃん」
と、それぞれ力をつけて成長したニーナとピートがそう言うと、
「もうすぐ、私は15歳になる。だけど……」
「その前の夜、ニーナお姉ちゃんは村を抜け出して僕と合流、そのままここを去る……でいいんだよね?」
と、お互い計画を確認し合い、ピートの質問に対して、
「うん、大丈夫。それで間違いないよ」
と、ニーナがコクリと頷くと、
「そうなったら、この隠れ家ともお別れだね」
と、今自身がいる秘密の隠れ家の中をぐるっと見回しながら言ったので、
「そうだね。僕も、ここには3年間もお世話になったから、ちょっと寂しいな」
と、ピートも「はは」と笑いつつ、何処か悲しそうな表情を浮かべた。
無理もないだろう。亡き両親や仲間達と共に旅をしていた時は、長くても半月くらいしか1つの場所に留まることが出来なかったので、それほどその場所に情がわくことはなかった。
それが、ニーナのおかげで3年間も過ごすことが出来たので、いざここを離れるとなると、それまで過ごしてきた日々を思い出して寂しくなってしまったのだ。
しかし、だからといって今更計画を止めることは出来ず、ニーナとピートは気持ちを切り替えようと首をブンブンと左右に振ると、
「絶対に、2人でここを離れようね」
「うん」
と、お互い決意の表情を浮かべながらそう言い合った。
その数日後、とんでもない事態が待ち受けてるとも知らずに。
それは、ニーナが15歳になる前日のことだった。
「うう。いよいよだ、いよいよだけど……」
と、ピートが隠れ家の中で落ち着かない表情を浮かべていると……。
ーードォオオオオオン!
「え?」
何処かで大きな爆発音がしたので、
「な、何だろう?」
と、気になったピートが隠れ家を出ると、
「……煙?」
とある方向で煙が上がっているのが見えたので、ピートは思わず首を傾げたが、
(ちょっと待って、あの方向は……)
「ニーナお姉ちゃんの村がある方向だ!」
と、その方向の先にニーナが生まれ育った村があると本人から聞いたのを思い出して、
「まさか、ニーナお姉ちゃん!」
と、ピートは嫌な予感がしたのか、すぐにその場から駆け出した。
(待ってて、ニーナお姉ちゃん!)
と、森の中を駆け抜けながらニーナを心配するピート。それから暫く走っていると、
「見えた!」
目の前に人間の家らしき建物が幾つか見えたので、
(あそこがニーナお姉ちゃんの村だ!)
と、そう思ったピートは走るスピードを上げた。
そして、いざ村に着くと、
(あれ? 何だろう、なんか嫌ものを感じる?)
と、そう思ったピートは、ゆっくりと深呼吸して気持ちを落ち着かせると、匂いを嗅ぐようにクンクンと鼻を動かした。
そして、
(あっちの方から、ニーナお姉ちゃんの匂いがするぞ)
と、ニーナの匂いを見つけると、ピートは建物の影に隠れながら、静かにその場から移動した。
その後、暫くの間気配を殺して移動すると、
(あ、人間がいっぱいいる)
何やら沢山の人間達が集まっている開けた場所に着いたので、
(何でこんなに人間が……?)
と、気になったピートが、その人間達が見つめている方向を見ると、
(え?)
そこには、複数の自分よりも年上らしき人間の少年達と、
(に、ニーナお姉ちゃん!?)
その中の1人に腕を掴まれて、動けないでいるニーナの姿があった。
そんなニーナの状況に、
(ど、どうして!? ニーナお姉ちゃんに何が……!?)
と、ピートが若干混乱していると、
「ニーナ!」
と、1人の人間の男性がニーナ達の前に出たが、少年達の1人が前に出て、
「ファイアボール!」
と叫ぶと、男性に向かって自身の手から火の玉を放った。といっても、実際には男性には当たらず、代わりに彼の近くの地面に当たったのだが。
しかし、それでも男性の動きが止まって、
「お、お父さん!」
と、それを見たニーナが悲鳴をあげるかのようにその男性のことをそう呼んだので、
(あ、あの人がニーナお姉ちゃんのお父さん?)
と、ピートがそう思ったのだが、そんなピートを他所に、
「やめて! お父さんに酷いことしないで!」
と、ニーナが少年達に向かってそう怒鳴ったが、
「うるさい!」
と、その中のリーダーと思わしき、ちょっと立派そうな格好をした意地の悪そうな雰囲気をした少年にバシッと頬を叩かれたので、
「あ!」
と、ニーナは小さくそう悲鳴をあげた。
その瞬間、
「っ!」
ピートの脳裏に、忘れていた記憶が浮かび上がった。
それは、旅の最中に仲間達と両親が殺された時の記憶だった。
「お……あ……」
その記憶を思い出した時、ピートの目の前が真っ赤に染まって、
「うあああああああ!」
と、ピートは大きな声でそう叫ぶと、
「あ! ピート!」
それを聞いたニーナを含むその場にいる者達がギョッとなってピートの方を向いた。
そして、
「お前ぇえええええっ!」
と、ピートが怒りのままにそう叫ぶと、
「ニーナお姉ちゃんに何するんだぁあああああ!」
と、その場から力強く駆け出した。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。この話の展開を考えてたら、その日のうちに終わらせることが出来ず、結果1日遅れの投稿となってしまいました。
本当にすみません。




