表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第7章 対決、「断罪官」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

273/348

第266話 「異端者」2人と「裏切り者」の話・アメリア編

 今回は、いつもより短めの話になります。


 15歳で成人(大人)となり、神々より「聖戦士」の職能を授かったアメリア。住んでいた村の掟に従って、彼女はルーセンティア王国王都へと旅立った。


 最初は家族と離れるということで不安になったアメリアだったが、


 (父さんと母さんに恥じたくない! ニーナの『お姉ちゃん』としてかっこよくありたい!)


 という強い想いを胸に、


 「よし! 頑張れ私ぃ!」


 と、自分自身にエールを送ると、真っ直ぐ前を向いて王都へと向かった。


 それから数日後、無事に王都、更には五神教会の本部に着いたアメリアは、そこで出会った多くの仲間やライバル達と共に教会所属の戦闘員になる為の訓練に励んだ。


 ある時は教会の歴史や、職能とスキルに関する基本的な知識を身につけ、ある時は基礎体力向上の訓練や、武器を用いた戦闘訓練、そしてまたある時は、「魔物」や「人間」と実際に戦うなんてこともした。

 

 慣れない生活や訓練などで最初は挫けそうになったアメリアだったが、それでも村を出る時にした決意を胸に、仲間達と共に辛い訓練を乗り越えて、彼女は徐々に実力をつけていった。


 そして、故郷の村を出て五神教会本部で暮らし始めてから2年後、彼女は同じ時期に入った者達のトップになったのだ。


 この話は多くの教会の人間達だけでなく、その上の存在である幹部、更には教主であるジェフリーの耳にも入っていて、話を聞いた誰もが、アメリアの実力を認めた。


 当然、その中には「断罪官」の大隊長ギデオンも含まれていて、アメリアの高い能力を知ったギデオンは、早速彼女をスカウトした。


 まさかの大隊長本人からのスカウトに驚くアメリアだったが、


 「我々『断罪官』は、偉大なる5柱の神々の名の下に悪しき存在から人々を守る為の存在だ」


 と、ギデオンにそう説明されて、


 (ここでなら、きっと家族を守れる強さを身につけられるかもしれない!)


 と、そう感じたので、アメリアはギデオンのスカウトを受けることにし、その後、彼女は「断罪官」に入隊した。


 だがしかし、その選択を、後に彼女は激しく後悔することになった。


 断罪官に入隊したアメリアは最初、


 (きっと、普通の人にはどうにも出来ない()()()()()()と戦って、そいつらを捕まえるんだろうなぁ)


 と、甘い考えを抱いていたが、入隊後、彼女を待ち受けていたのは、あまりにも残酷な現実だった。


 そう、断罪官の仕事は、神々の名の下に「異端者」と呼ばれる者達を粛清する……即ち、殺すことだったのだ。


 それだけでもアメリアは戸惑ったが、更に彼女が驚いたのは、粛清する対象が「異端者」本人だけでなく、その周囲の人間も含まれていて、その中には異端者と()()()()()()()()()()()()()の者もいたので、


 「だ、大隊長、流石にこれはやり過ぎなんじゃ……?」


 と、アメリアは文句を言ったが、


 「それは違うぞアメリア。『異端者』とは、謂わば()()()()()()()()()だ。放っておけば無関係な人々がその穢れに侵されて、やがて大きな過ちを犯してしまうだろう。そうなってしまう前に、その者を神々のもとへと送ることも、我々断罪官の使命なのだよ」


 と、逆にギデオンにそう返されてしまい、それ以上何も言えなくなってしまったので、アメリアは「で、でも……」と思いながらも、


 (こ、これも、人々を……私の大切な家族を守る為に!)


 と、自分にそう言い聞かせて、最終的にはその「使命」に従うことにした。


 それから彼女は、「断罪官」として過酷な訓練で技術を磨きつつ、一度「任務」がくれば、仲間達と共に「異端者」とその周囲の人間を殺していった。はじめは人を1人殺す度に吐いていたアメリアだが、何度も「任務」をこなしていくうちに次第に感覚が麻痺ししていき、やがて人を殺すことになんの躊躇いも迷いも抱かなくなっていった。


 そして、アメリアは断罪官の中でもトップクラスの実力を身につけて、それを知ったギデオンは、いずれ彼女を「小隊長」とした部隊を作ろうかとも考えた。


 しかし、(強さ)を増していったと同時に、アメリアの心も少しずつ壊れていった。


 無理もない。幾ら悪しき「異端者」から人々を……アメリアにとっては「大切なもの」を守る為に必要なことだとしても、自身が今やってるのは「人殺し」だという事実に変わりはないのだから。


 だが、人を殺す毎に「人」としての何かが壊れていく中でも、


 (ま、守るんだ……私は、大切な『家族』を守るんだ。これは、必要なことなんだ!)


 と、アメリアは無理矢理自身にそう言い聞かせて、断罪官としての職務を全うしていた。


 何故なら、自分には守るべき大切な存在がいるのだから。


 そして、断罪官に入隊してから2年後。


 数多くの「任務」をこなして、更に力をつけたアメリアのもとに、


 「また、新たな『異端者』が現れた」


 と、ギデオンから新たな「任務」が与えられた。


 ところが、


 「……い、今、なんと仰いました?」


 と、「任務」の内容を聞いて表情を強張らせたアメリアは、ギデオンに向かって恐る恐るそう尋ねると、


 「む? 聞こえなかったか?」


 と、ギデオンは首を傾げながら、


 「『異端者』名前は、()()()()()()()()。固有職能『呪術師』の固有職保持者だ」


 と、アメリアに向かって新たな『異端者』の名前を告げたので、


 「う……嘘だ……嘘だ」


 それを聞いたアメリアは、ショックで顔を真っ青にすると、その場に膝から崩れ落ちて、


 「嘘だぁあああああああっ!」


 と、ギデオンの言葉を否定するかのように叫んだ。


 


 

 


 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ