表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第7章 対決、「断罪官」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

264/348

第257話 目覚めた森の中で……


 「……か……るか!」


 (うーん)


 遠くで「声」が聞こえる。


 「……ま……様!」


 (……誰?)


 それは、1つではなく、2つあった。


 そして、少しずつだが意識がハッキリしていって、


 「起きて、春風!」


 「春風様!」


 「……あ、レナ。それに、グラシアさん」


 気がつくと、そこには目に涙を浮かべたレナとグラシアがいたので、


 「……もう、朝になっちゃったの?」


 と、春風は半ば寝ぼけたような感じでそう尋ねた。


 その質問に対して、


 「……は」


 「ん?」


 「春風ぁあああ!」


 と、レナはボロボロと大粒の涙を流しながら、ガバッと春風に抱きついてきたので、


 「うわ! な、何!?」


 と、あまりのことに驚いた春風は、オロオロしつつも周囲を見回すと、何処を見ても無数の木々があるだけだったので、


 「あれ? ここは……森の中!?」


 と、春風は驚きの声をあげた。


 そんな春風に向かって、


 「春風様。もしかして、覚えてないのですか?」


 と、グラシアが恐る恐るそう尋ねてきたので、その質問に春風は「え?」と首を傾げると、突然頭にズキンッと痛みが走って、


 「う!」


 と、春風がそう呻くと、その瞬間、


 「……そうだ。思い出した」


 と、自身が森の中で目覚めた経緯を思い出した。


 そう。それは、春風を担いだアメリア達が、フロントラルを囲う外壁を超え、その後すぐにレナが飛びついてきた時のことだった。


 何が起きたのかよくわからなかったが、とにかく、レナが飛びついてきてその後()()()()()()した結果、どういう訳かフロントラルから離れた位置にある森にもの凄い勢いで向かっていったので、


 (ま、不味い……この勢いだと、地面に激突する!)


 と、そう考えた春風は、アメリアの肩の上でジタバタと体を動かすと、


 「よいしょっと!」


 と、どうにか自身の()()の自由を取り戻して、その後すぐにそれを前方に突き出したので、


 「春風、何してるの!?」


 と、レナがそう尋ねると、


 「……」


 春風はそれを無視して、ゆっくりと目を閉じた。


 次の瞬間、左腕に装着した銀の籠手が緑色に輝き、開かれた掌から、大きな風の塊が放たれた。


 すると、一瞬だが勢いが弱まったので、


 (よし、これならいける!)


 と、そう考えた春風は、その後何度も前方に風の塊を放ち、落ちる勢いを弱めていった。


 そして、森までもう少しのところで、


 (うう、駄目だ……これ以上は……)


 春風はまた意識を失ってしまった。


 そして現在。


 「……ああ、漸く思い出した」


 と、森の中で意識を取り戻した春風が、ボソリとそう呟くと、


 「ひっく……ごめんね春風」


 と、春風に抱きついた状態のレナが、泣きながら謝罪してきたので、


 「え、何でレナが謝るの?」


 と、春風が首を傾げると、


 「だ、だって、私、春風が連れてかれるの、止められなかったから……」


 と、レナが泣きながらそう理由を説明したので、


 「そ、そんな! それは違うよレナ! 油断した俺が悪かったんだから、レナが気にすることじゃないよ!」


 と、春風は慌ててそう否定したが、


 「で、でもぉ……!」


 と、レナがそう返事したので、


 「ええっとぉ……」


 と、困った春風は助けを求めようとチラッとグラシアを見たが、


 「……」


 その視線に気付いたグラシアは、無言でそっぽを向いてしまったので、


 (こ、これ、どうすればいいんだ?)


 と、春風は本気で困った表情を浮かべて「うーん」と唸りながら、心の中でそう呟くと、


 「え、えっと……レナ」


 と、レナに向かって恐る恐る声をかけた。


 それにレナが「ん?」と反応すると、


 「助けに来てくれて、ありがとう。それと、心配させちゃって、ごめん。ご覧の通り、俺はもう大丈夫だから」


 と、春風は笑顔でそう言ったので、その言葉を聞いたレナは、春風を抱き締める力を強くした後、


 「よかった。本当によかった」


 と春風の胸に顔を埋めながらそう呟いた。


 その呟きを聞いて、春風は「はは」と小さく笑うと、


 「ところでレナ。俺がまた意識を失った後について教えて教えてほしいんだ。よく見ると、俺の体やレナの体も、それほど傷はなさそうなんだけど」


 と、レナに向かってそうお願いしたので、それを聞いたレナは「あ、それは……」と小さくそう言うと、


 「あの後、森の中に落ちるところで、あのアメリアって人の体が光って、そのおかげで森の木々にぶつかる衝撃が弱くなって、で、森に落ちたところでみんなバラバラになって、そこで私、一旦気を失ってたんだけど、すぐに気がついて、急いで春風を探して……」


 と、春風が気を失った後のことについてそう説明し、それを聞いた春風が、


 「で、グラシアさんと再会した、と?」


 と、チラッとグラシアを見ながらそう尋ねると、それにレナがコクリと頷き、


 「はい。地面に落ちた後、私はすぐにマジスマから出て、春風様を起こそうと声をかけましたが、中々目を覚まさず、どうしたらいいのか困っていたところで、春風様を探していたレナ様が現れたのです」


 と、レナの代わりにグラシアがそう説明したので、


 「ああ、そうだったんですか。グラシアさんも、心配かけてごめんなさい」


 と、春風は納得の表情を浮かべた後、グラシアに向かってそう謝罪した。


 その謝罪に対して、


 「い、いえ! 私の方こそ、申し訳ありません、なんのお役にも立たなくて……」


 と、グラシアも申し訳なさそうな表情で春風に向かってそう謝罪すると、


 「ん? ちょっと待って」


 と、春風が何かに気付いたかのようにそう呟いたので、それにレナとグラシアが「ん?」と首を傾げると、


 「そういえば、アメリアさん達は? なんかバラバラになったって言ってたよね?」


 と、春風は再び周囲をキョロキョロと見回しながらそう尋ねた。


 その質問に対して、レナは「あぁ……」と少し気まずそうに声をもらすと、


 「……あっち」


 と、とある方向を指差したので、春風は「え?」とその指差した方向を見ると、


 「あ!」


 そこには、三つ編みの少女を抱き締めた状態で気を失ってるアメリアがいた。





 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ