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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第6章 動き出した「運命」

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第194話 春風、「店」を手伝う・夜編2


 そんなこんなで、時は現在に戻り、夜。ナンシーの店では、専用のドレス姿になった女性従業員達が、訪れてきた多くの客達をもてなしていた。


 当然、その女性従業員達の中には、真っ赤なドレスを身に纏った春風の姿もあり、その春風の傍には、昼間と同じ普段着の上にエプロンをつけたレナの姿もあった。何故、レナだけが昼の時と同じ格好かというと、


 「前に手伝った時、()()()()破いちゃって……」


 とのことで、その為レナはドレスではなく昼と同じ格好で春風のサポートをすることになったのだ。


 まぁそれはさておき、現在の春風の姿はというと、昼間レナ達にお披露目した時は真っ赤なドレスの他に簡単な化粧を施していたが、夜はちゃんと仕事をさせる為に、顔にはしっかりと、だが春風自身の()()を損なわないようにした化粧を施し、髪はウィッグをつけて長髪にし、その上にはシンプルな髪飾りをつけている。


 因みに、完成した春風をお披露目した際、そのあまりの美しさにあてられたのか、


 『はうあっ!』


 と、女性従業員の何人かが鼻血と垂らしてそう悲鳴をあげながら失神してし、


 「……」


 レナはただ、頬をポッと赤くしながら、春風の姿をジッと見つめていたので、


 「こ、これは、誰かサポートをつけないと()()()が出るかもしれないねぇ」


 と、ナンシーは「こりゃいかん!」と言わんばかりの表情でそう言い、レナを春風のサポート役にすることにした。


 勿論、その発言に対して、


 (待って、『被害者』って誰!? 俺!? 従業員さん!? それともお客さんっスか!?)


 と、春風は心の中でそうツッコミを入れていた。


 そして夜、ドレス姿となった春風は女性従業員達と共に店を訪れた客達をもてなしていたが、本名で呼ばれると色々と面倒なことになる為、


 「()()()()()()ちゃん、こっちお願い!」


 「はーい、今行きます!」


 と、このように仕事をしている時は「春風」ではなく「スカーレット」と呼ぶことになった。何故、「スカーレット」かというと、レナやナンシー達曰く、


 『なんか、凄い()()()()くるから』


 とのことだそうな。


 まぁとにかく、スカーレット……でなはく春風は今、注文された酒やおつまみ等を片手に客をもてなしていた。接客態度の方は昼と同じ……否、寧ろ()()()に丁寧で、


 「お待ちどうさまでした」


 「ありがとうございます」


 「またのご来店を、お待ちしてます」


 と、セリフ1つ1つに対して穏やかな笑みを浮かべていたので、春風からのおもてなしを受けた客達は皆、


 『ど、どうも……』


 と、頬をポーッと赤くしていた。


 さて、そんな感じで仕事をこなしていく春風を見て、


 (す、凄い。春風がすっごーい。ていうか……)


 と、レナはタラリと汗を流したので、2人でちょっと休憩をしている時、


 「ねぇ、はる……じゃなくて、スカーレット」


 と、レナは春風に向かって声をかけた。


 それに対して、


 「ん? どうしたのレナ?」


 と、「スカーレット」と呼ばれた春風がそう返事すると、


 「もしかしてだけど……ドレス、着慣れてる?」


 と、レナが恐る恐るそう尋ねてきたので、その質問に対して、春風は「あはは」と苦笑いを浮かべると、


 「……実は、元の世界で結構着てるんだよね」


 と、気まずそうにそう答えた。


 その答えを聞いて、レナは「や、やっぱり!」とショックを受けた後、


 「そ、その……嫌じゃなかった?」


 と、再び恐る恐るそう尋ねると、


 「勿論、嫌に決まってるじゃないか……」


 と、春風は「何言ってんだ?」と言わんばかりの表情でそう答えた……が、すぐに「はぁ」と溜め息を吐くと、


 「……って、初めてこの姿になる前はそう思ってたんだけどなぁ」


 と、暗い表情でそう言ったので、


 「え? どういうこと?」


 と、レナは「ん?」と首を傾げながらそう尋ねると、


 「実際この姿になっちまうと、全然嫌じゃないどころか、寧ろ『俺、いけるじゃん』って考えてしまいまして」


 と、春風は暗い表情のままそう答えた後、


 「どうやら、俺の心には、『女』としての自分がいるみたいなんだよねぇ。体というか、性別はちゃんとした男なのに」


 と言うと、最後に「あはは」と弱々しく笑った。


 その言葉を聞いて、レナは「そ、そうなんだ」と呟くと、


 「そ、その……家族や友達は知ってたりとか……?」


 と、また、恐る恐る春風に向かってそう尋ねた。


 「知ってる。ていうか滅茶苦茶受け入れられました」


 即答だった。


 その答えを聞いて、


 「そうなんだ!?」


 と、レナはギョッと大きく目を見開くと、


 「うん、自分でもびっくりだよ」


 と、春風は遠い目をしながらそう返事した。


 その返事を聞いて、レナは「お、おぉ」とタラリと汗を流すと、


 「でも今の俺、凄くドキドキしてるんだよなぁ、『バレたらどうしよう』って。今は知り合いは来てないみたいだけど、もし知り合いに見られたら……本当にどうしよう」


 と、春風は不安そうに顔を真っ青にしながらそう言ったので、


 「だ、大丈夫だよ! スカーレットはまだここに来たばかりなんだし、万が一いたとしても、堂々としてればいいんだよ! そしたら、案外気付かれないかも!」


 と、レナは必死になって春風をそう励ました。


 その励ましを受けて、春風は目をパチクリとさせると、


 「はは、そうかもしれないね」


 と、笑いながらそう言ったので、レナも何度も「大丈夫大丈夫!」と笑顔でそう言った。


 その時だ、


 「ごめんスカーレットちゃん! ちょっと手伝ってぇ!」


 と、休憩室の扉を開けて、女性従業員が焦った様子でそう言ってきたので、


 「はーい、今行きます!」


 と、春風がそう返事すると、


 「行こう、レナ」


 と、レナに向かって笑顔でそう言ったので、


 「……うん!」


 と、レナも笑顔でそう返事した。


 そして、2人で休憩室を出ると、客席の方に、


 「や、やぁこんばんは」


 「こ、こんばんは」


 タイラーとアーデ、2人の知り合いがいたので、春風とレナは2人して、


 ((や、ヤッベェ))


 と、心の中でタラリと汗を流した。


 


 


 

 

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