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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第6章 動き出した「運命」

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第168話 みんなで「記録」を見る・4


 映像のヴァレリーから、水音と数人の仲間達がストロザイア帝国へと旅立った理由を聞いて、ショックで膝から崩れ落ちた映像の春風。その後、ゆっくりと立ち上がった彼に向かって、映像のヴァレリーが今自身が語ったことが事実なのか尋ねると、「あはは」と笑い出して……。


 ーーあーおかし。黙って話を聞いてみれば、何とも想像力が豊かな話ですね。


 と、暗い表情でそう言い出したので、


 「は、春風?」


 「なんか、様子がおかしくね?」


 と、それを聞いた水音と進がタラリと汗を流した。


 その後、映像のヴァレリーの質問に対して、映像の春風が「全くの誤解ですよ」と答えると……。


 ーールーセンティア王国でどんな話し合いが行われたのか知りません。しかし、『いい人間』か『悪い人間』か問われたら、俺は迷いなく『悪い人間だ』と答えられますよ。何せ、俺は『自分の幸せが最優先』の人間ですからね、目的を果たす為なら平気で他人を利用しますし、用が済めばその人を切り捨てたりもして、『悪い人間』と仲良くなれば、『いい人間』と敵対することだってありますよ。


 と、「くっくっく」と醜く口もとを歪めながらそう言ったところで、ヴィンセントはその映像を止めた。


 シーンと静まり返る中、


 「なぁ、勇者諸君」


 と、ヴィンセントがそう口を開いたので、それに水音達が「ん?」と反応すると、


 「()()、どう思う?」


 と、ヴィンセントはクイッと親指で春風を指差しながらそう尋ねてきたので、その質問に対して、


 「……凄く、()()()()()と思います」


 と、水音は真剣な表情でそう答えると、


 「あ、やっぱ桜庭もそう思うよな?」


 と、進がそう尋ねてきた。


 そして、


 「うん。僕も、雪村君()()()()()()()()()()と思う」


 「だよねぇ。言ってることは酷いけど……」


 「ああ、なんか……」


 「す、凄く……()()()()()()してる」


 と、耕、祭、絆、祈もそう口を開いたので、


 「だよなぁ。やっぱりお前達もそう思うか」


 と、ヴィンセントは「はぁ」と溜め息を吐きながらそう言った。


 その後、ヴィンセントがチラッとレオナルドの方を見ると、


 「そうですね。映像越しではありますが、彼自身、何か大きな『闇』を抱えて、その為に無理をしてるのがわかります」


 と、レオナルドは真面目な表情でそう言い、それに続くように、


 「ええ。彼の言葉の端々から、それがひしひしと感じられます」


 「うんうん。なんだか、聞いてるこっちまで辛くなってきたわぁ」


 と、エレクトラとキャロラインも少し暗い表情でそう言った。特にキャロラインは今にも目から大粒の涙が流れ出てきそうになっていた。


 それを見て、


 「ま、そうだろうなぁ」


 と、ヴィンセントがそう呟くと、一時停止を解除した。


 その後、映像の春風が映像のフレデリック達に向かって「本当に申し訳ありません」と謝罪し、その場から去ろうとしたが……。


 ーーちょーっと待ったぁ!


 と、映像のヴァレリーがガシッと映像の春風の肩を掴んできたので、


 『ん?』


 と、それに水音達がそう反応すると……。


 ーー気に入ったよ。お前を『紅蓮の猛牛』にスカウトする! 


 と、映像のヴァレリーがニヤッとしながらそう言ってきた。


 更にそこへ……。


 ーー僕にも彼をスカウトさせてくださいよ。話を聞いて、是非とも彼を『黄金の両手』に入れたいと思ってるんですから。


 と、映像のタイラーもそう言ってきたので……。


 『えぇ!? このタイミングでスカウトォ!?』


 と、水音達はギョッと目を大きく見開きながら、驚きに満ちた叫びをあげた。


 その後、映像の春風が……。


 ーーいやいや! だからぁ! おかしいでしょ!? 今の俺の話を聞いて、なんでその結論に至ったんですか!? 俺、言いましたよね!? 『俺自身は凄く悪い人間』だって!


 と、映像のヴァレリーとタイラーに向かってそう尋ねると……。


 ーー……それの何が悪いんだ?


 ーー……それの何が悪いんですか?


 と、2人がそう答えたので、その答えを聞いた映像の春風は戸惑いながらも自身が如何に酷い人間か説明しようとしたが……。


 ーーはいはいわかったわかった、そういうことにしといてやるよ。

 

 ーーうんうん。


 と、2人とも「わかってるよ」と言わんばかりの表情でそう返事したので、


 「……あの、ヴィンセント陛下」


 と、水音がそう口を開き、


 「何だい水音」


 と、ヴィンセントがそう返事すると、


 「……これってもしかして……?」


 と、水音は恐る恐るそう尋ねてきたので、


 「ああ、ヴァレリーもタイラーも、きっと雪村春風がどういう人間かわかったんだろうな」


 と、ヴィンセントはコクリと頷きながらそう答えた。


 更にその後……。


 ーーうがぁあああああ! アンタらいい加減にしろぉおおおおお!


 と、映像のヴァレリー達の態度に映像のレナがブチ切れたので、それを見た水音達が思わずギョッとなると……。


 ーーさっきから好き放題言って! 私も春風もアンタらのレギオンには入りませんから!


 と、映像のレナは続けてそう怒鳴り、最後に「行こ、春風!」と言って映像の春風の手を取り、「じゃ、お仕事行ってきます!」と言って、春風と共にその場から去った。


 その瞬間、周りの景色が真っ暗になり、それからすぐに元の執務室になったので、


 「うん、映像はここまでのようだな」


 と、ヴィンセントがそう呟くと、


 「うーん、いきなりすげぇものを見たな」


 と、「お前らもそう思うだろ?」と言わんばかりに水音達に視線を向けてきたので、


 「そう……ですね」


 と、水音は表情を暗くしながらそう返事した。


 そして、それは他の勇者達も同様で、皆、水音と同じように表情を暗くしていた。


 そんな水音達に向かって、


 「じゃあよ……続き、見るのやめるか?」


 と、ヴィンセントは「1」と刻まれた映像記録用魔導具を机に置き、代わりに「2」と刻まれた別の映像記録用魔導具に触れながらそう尋ねてきたので、それに水音はピクッと反応すると、


 「いいえ、見ます」


 と、真っ直ぐヴィンセントを見ながらそう答えた。よく見ると、進ら他の勇者達も、全員「見ます」と言わんばかりに、水音と同じように真っ直ぐヴィンセントを見つめていたので、


 「わかった。じゃあ、起動するぞ」


 と、ヴィンセントはニヤッとしながらそう言って、「2」と刻まれた映像記録用魔導具を手に取り、それに自身の魔力を込め始めた。

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