表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第6章 動き出した「運命」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

171/348

第165話 みんなで「記録」を見る


 ヴィンセントが映像記録用魔導具に魔力を流した途端、目の前の景色が変わった。


 それまでいた執務室から見たこともない場所になり、目の前には、


 「は……春風!?」


 数日前に自分達のもとから去った少年・春風の姿があったので、水音は思わず彼の名を呼んだ。


 そして、その後すぐに、


 「「雪村!」」


 「「「雪村君!」」」


 と、進、耕、祭、絆、祈も彼の名を呼んだので、


 「あ、みんな!」


 と、その声を聞いた水音は、すぐに進達の方へと振り向いた。


 そして、更にその後すぐに、


 「俺達もいるぞ」


 という声がしたので、水音達は一斉に声がした方へと振り向くと、


 「あ、ヴィンセント陛下!」


 「キャロライン様達もいる!」


 そこにはヴィンセント、キャロライン、レオナルド、エレクトラの姿があった。


 その姿を確認すると、


 「あ、あの……ここは一体、何処なんですか?」


 と、変化した景色に戸惑っている祭がそう尋ねてきたので、


 「ここはな、ハンターギルド総本部の中にある、『小闘技場』ってところで、主にハンター同士の決闘とか、ちょっとした『イベント』とかが行われているんだ」


 と、ヴィンセントが今自分達がいる場所についてそう説明した。


 その説明を聞いて、水音ら勇者達が「おぉ!」と歓声をあげていると、


 「で、俺からも質問がある」


 と、ヴィンセントが真面目な表情でそう口を開いたので、それに水音達が「ん?」と首を傾げると、ヴィンセントはスッと右手を上げて、


 「()()()がそうなの?」


 と、目の前にいる春風を指差しながらそう尋ねた。


 その質問を聞いて、水音は「あ……」と声をもらした後、すぐにヴィンセントと同じように真面目な表情になって、


 「はい、間違いありません。彼が『雪村春風』です」


 と、コクリと頷きながら答えた。


 その答えを聞いて、


 「ほう、あいつがそうか……」


 と、ヴィンセントがそう呟くと、


 「……か」

 

 『ん?』


 「可愛いいいいいいい!」


 と、突然キャロラインがそう叫び出したので、水音達だけでなくヴィンセント、レオナルド、エレクトラまでもが、


 『……え?』


 と、声をもらした。


 しかし、そんな水音達を無視して、


 「何あの子、凄く可愛い! 可愛すぎるぅ!」


 と、キャロラインはその場でピョンピョンと飛び跳ねながらそう叫び続けた。何処か「喜び」が含まれているかのようなその叫びを聞いて、


 「あ、あの……キャロライン様?」


 と、水音が恐る恐るキャロラインのそう声をかけると、


 「ねぇ、水音ちゃん!」


 と、いきなりキャロラインがバッと水音の方を向いてきたので、


 「ふあ! ふぁ、ふぁい!」


 と、水音が驚きのあまり変な返事をすると、


 「あの子、本当に男の子なの!?」


 と、キャロラインが春風をビシッと指差しながらそう尋ねてきたので、


 「は、はい、そうです! あんな可愛い顔してますが、春風はれっきとした男です!」


 と、水音は何度も「うんうん」と頷きながらそう答えた。ただ、キャロラインのあまりの剣幕に、水音は恐怖で涙目になっていたが、進達もヴィンセント達も、


 『う、うわぁ』


 と、キャロラインの様子にドン引きしていたので、とても水音を助ける余裕がなかった。


 しかし、そんなヴィンセント達を無視して、


 「そう、そうなのね!」


 と、キャロラインはそう言って再び春風に視線を向けると、


 「ああ、いいわぁあの子……」


 と、顔を赤くしてうっとりとし出した。


 その後、誰もがキャロラインの姿に呆然としていたが、


 「うおっほん!」


 と、ヴィンセントが大きく咳き込み、


 「ま、まぁ、確かに可愛い顔してるな。だがキャロライン、話が進まなくなるから、一旦落ち着いてくれ、水音達が困惑しているから」


 と、キャロラインに向かってそう注意したので、それにキャロラインは「む!」とヴィンセントをギロリと睨んだ後、すぐに表情を変えて、


 「はーい」


 と返事した。


 その返事を聞いて、その場にいる者達全員がホッと胸を撫で下ろすと、


 「そ、そういえば、雪村君、なんかジッとしてるっていうか、全然動いてないんですけど……」


 と、耕がそう口を開いたので、その言葉を聞いた水音が「え?」とすぐに春風に視線を向けた。


 確かに、今自分達の目の前にいる春風は、まるで時が止まっているかのようにピタリとしていたので、


 (ほ、本当だ。一体どうして……?)


 と、水音がそう疑問に思っていると、


 「ああ、悪い悪い。今、()()()()している状態なんだ。でも安心んしてくれ、ちゃんと動かすことも出来るから」


 と、ヴィンセントが「あはは」と笑いながらそう答えたので、質問した耕だけでなく水音までもが、


 「「そ、そうですか」」


 と、返事した。


 すると、


 「そうだな。動かす前に他に質問とかあるか?」


 と、今度はヴィンセントがそう尋ねてきたので、それを聞いた水音達は「えっと……」と周囲を見回すと、


 「じ、じゃあ、あの雪村と向き合ってる女の人って……?」


 と、絆が春風と向き合ってる1人鎧姿の長髪の女性を指差しながらそう尋ねた。


 その質問を聞いて、水音達が「あ、そういえば!」とその女性を見て驚いていると、


 「彼女がヴァレリー・マルテェネス。私が所属しているレギオン『紅蓮の猛牛』のリーダーだ」


 と、エレクトラがその女性……ヴァレリーを見ながらそう答えたので、


 「え、あの人が!?」


 「なんか、すっごい美人なんですけど!」


 と、水音と進がそう驚きの声をあげた。


 すると、


 「あ、あれ見て!」


 と、突然祭がとある方向を指差しながらそう口を開いたので、思わず水音達は「え!?」とその方向を見ると、


 「あ! あの女の子は!」


 と、進が驚いたように、そこには1人の少女の姿があった。


 そう、この世界に召喚された初日に、春風をルーセンティア王国の外へと連れ出した、あの時の少女だ。


 そして、その少女を見て、


 「レナ……ヒューズ」


 と、水音は複雑そうな表情を浮かべながら、小さな声でその少女の名を呼んだ。


 それからすぐに、


 「……って、あれ? あの子の隣にいる人って……?」


 と、祭が少女・レナの隣にいる、ロングコートをマントのように羽織ったスーツ姿の初老の男性を指差しながらそう尋ねてきたので、それにヴィンセントが「ん?」と反応すると、途端に「げ!」と嫌なものを見るかのような表情になって、


 「フレデリック・ブライアント。『ハンターギルド総本部』の総本部長だ」


 と、その初老の男性を見つめながらそう答えると、


 『おお、あの人が!』


 と、水音ら勇者達は一斉にそう歓声をあげ、


 「うんうん、()()()()()()()()()()()()()も元気そうね」


 と、キャロラインは目の前にいるヴァレリーと初老の男性……フレデリックをニックネームっぽい呼び名でそう呼びながら何度も頷いた。


 それから少しすると、


 「んじゃ、そろそろ動かすけど、いいか?」


 と、ヴィンセントがそう尋ねてきたので、


 『お願いします』


 と、水音達はそう返事をして、


 「あいよ。じゃ、動かすぜ」

 

 と、ヴィンセントはそう言うと、手に持っている映像記録用魔導具に、再び魔力を流し始めた。


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ