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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第5章 誕生、ユニークな「ハンター」?

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第152話 アーデからの挑戦

 


 


 「春風には、私と戦ってもらう。ただし、今度は『手合わせ』じゃない。本気でかかってきて」


 と、小闘技台の上で、春風に向かってそう言ったアーデ。


 そんなアーデの言葉に対して、


 (この人は、何を言ってるんだろう?)


 春風は「えぇ?」と本気で嫌そうな顔をしながらそう疑問に思ったが、すぐに表情を真面目なものに変えて、ゆっくりと深呼吸すると、


 「ちょっと待ってくださいアーデさん。どうして俺があなたと戦わなくちゃいけないんですか?」


 と、アーデに向かって落ち着いた口調でそう尋ねた。


 そんな春風の質問に、アーデは「むむ?」と双剣の片方の切先を春風に向けた状態で答える。


 「私が戦いたいから。それじゃ駄目?」


 と、逆に尋ねる形でそう答えたアーデに、


 (え、何その戦鬪狂っぽい理由は?)


 と、春風は思わず遠い目をしながら後ろに仰け反りそうになった。


 するとその時、


 「ちょおっとぉおおおおお!」


 「っ!」


 という怒声が聞こえたので、それに驚いた春風は「おっとっと!」とその場に踏ん張って体勢を整えた後、すぐにその声がした方へと振り向いた。


 (あ、レナ)

 

 そこには鼻を「フン!」と鳴らした鬼のような形相のレナがいて、その傍にはハンターギルド総本部長のフレデリック、そして、エリック、ステラ、イアンの3人もいた。


 レナ達の存在にポカンとなっている春風を他所に、


 「アーデさん! アンタ、何ふざけたこと言ってんのぉ!?」


 と、レナが更に「フン!」と鼻を鳴らしながら、アーデに向かってそう怒鳴るようにそう尋ねると、


 「ふざけてない、私はこの通り本気。そして、誰にも私の邪魔はさせない。もし邪魔しようものなら……」


 と、アーデは恐ろしく真面目な表情でそう返事した後、


 「私は一切容赦はしない。たとえ『神』であろうと」


 と、もう片方の剣の切先をレナに向けながらそう言ったので、その言葉にレナだけでなくエリック達までもが「うぅ!」とタラリと汗を流し、


 (や、やばい。アーデさんは本気だ!)


 と、春風はアーデが冗談ではなく本気で自分に勝負を挑んできたのだと理解して、ゴクリと唾を飲むと、


 「あ、あの、アーデさん」


 と、恐る恐るアーデに声をかけた。


 それにアーデが「何?」と返事すると、


 「お、俺なんかと戦ったところで、アーデさんに何のメリットもない思うんですが?」


 と、春風は恐る恐るな感じでアーデに向かって再びそう尋ねたが、


 「それを決めるのは私であって春風じゃない」

 

 と、アーデにハッキリとそう言われてしまい、


 「ええ? そんなにハッキリ言わんでも……」


 と、春風は「マジかよ」と言わんばかりにショックを受けた。


 その時だ。

 

 「お、おい、何だ何だ?」


 「何が始まるの?」


 という複数の声がしたので、その声に気付いた春風は思わず「ん?」と声がした方へと振り向くと、何やら大勢の人達が続々と小闘技場内に入ってきたので、


 (げげ! な、なんかいっぱい来てるんだけど!?)


 と、春風は大きく目を見開きながら、心の中でそう驚きに満ちた叫びをあげた。


 そして、そんな春風を前に、アーデも小闘技場内に入ってきた人達を見ると、


 「さぁ、これでもう逃げられないよ?」


 と、ニヤッとしながら春風に向かってそう言ったので、


 「そ、そのようですねぇ」


 と、春風は「はは……」と苦笑いした。


 レナやフレデリックをはじめとした大勢の人達に見守られる中、


 (こ、困ったなぁ。俺、結構疲れてるんだけど……いや、それは向こうも同じ……か?)


 と、春風が目の前にいる双剣を構えたアーデを見つめながらそう疑問思ったが、


 「……」


 アーデは真っ直ぐ春風を見つめた状態のままだったので、


 (う、うーん表情が読めない。どうすりゃいいんだ、これ?)


 と、春風がタラリと汗を流していると、


 ーートクン。


 (……ん?)


 突然、腰のケースにしまった夜羽からそんな音が聞こえたので、春風は「何だろう?」と思って夜羽をケースから引き抜き抜いた。


 その様子を見て、


 「ん? それって、扇?」


 と、アーデが首を傾げて、


 「ほほう、扇ですか。珍しいものを持ってますね」


 と、フレデリックは珍しいものを見るかのような表情になり、その他にも、


 「え、何?」


 「何だ? 棒か?」


 「え? 扇よね?」


 「あいつ、何で扇なんか?」


 と、周囲からもそんな疑問の声が上がったが、それら全てを無視して、春風が夜羽をジッと見つめていると、


 ーートクン。


 と、夜羽からそんな音が聞こえたと同時に、


 ーー春風。彼女に応えて。


 と、頭の中でそんな声が聞こえたような気がした春風は、


 「はぁ。本当は嫌だけど、仕方ないか」


 と、溜め息を吐きながら、ボソリとそう呟いた。


 その言葉にアーデが「え?」と反応する中、春風は左手で夜羽を握り、


 「いくよ、夜羽」


 と言って、ゆっくりと目を閉じた。


 次の瞬間、夜羽が緑色に輝き出し、小闘技場内に風が吹いてきた。


 「キャア!」


 「な、何だ何だ!?」


 と、突然のことに周囲の人達が驚く中、吹いてきた風が夜羽に集まっていった。


 そして、春風はゆっくりと目を開けると、


 「フッ!」

 

 と、風を集めた緑色に輝く夜羽をブンっと振った。


 すると、それまで漆黒の扇だった夜羽は、()()()()()()()()()()()()()へと姿を変えた。


 突然の出来事に、


 「え? 扇が……剣になった?」


 と、アーデが目を大きく見開き、


 「え、えぇ!?」


 「おい何だ!?」


 「あいつ、いつの間に剣を!?」


 と、周囲の人達が驚きの声をあげる中、


 「……あれ? 昨日見たやつと違う?」


 と、レナはボソリとそう呟いたが、その声に気付いた者はいなかった。


 そんなレナ達を他所に、春風は空いた右手で翼丸を握り、鞘から引き抜くと、


 「それじゃあ、遠慮なくいかせてもらいますね」


 と、その切先をアーデに向けながらそう言った。


 その言葉を聞いて、周りの人達がゴクリと唾を飲んでいると、


 「ふむ、どうやらお互い準備は整ったようですね」


 と、落ち着いた表情をしたフレデリックがそう呟いた。


 その後、フレデリックは小闘技台に上がると、2人の間に立って、


 「それではお二方、用意はいいですか?」


 と、交互に見ながらそう尋ねたので、その質問を聞いて、


 「はい」


 「勿論です」


 と、春風もアーデもコクリと頷きながらそう返事した。


 それを聞いて、フレデリックが「そうですか」と呟くと、そそくさと小闘技台から降りた。


 そして、春風とアーデがお互い武器を構えながら睨み合う中、フレデリックは再び春風とアーデを交互に見て、


 「それでは……」


 と言うと、自身の右腕をゆっくりと振り上げて、


 「始め!」


 と叫びながら、勢いよく振り下ろすと、


 「「っ」」


 と、2人は同時に動き、持っている武器を思いっきり振るった。


 


 


 

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