成就 1 ブルセル王国テュナラン王弟妃の話
「お姉様。 ようこそダンホフ公爵家へお越し下さいました」
ダンホフ公爵本邸正面玄関の前に立ち、サレイア・ダンホフ公爵夫人が晴れやかな笑顔で両腕を広げている。
故国を旅立ってから二十八年。 流れた歳月は優しいものではなかったにも拘わらず、近隣諸国から毎日のように求婚者が訪れた彼女の美貌に衰えはない。
美しく勇敢なサレイア。 外つ国の冷たき墓のような家に住み、それより更に冷たい夫に仕え、いつか殺される運命の子を産み、育てた。 しかもそれは姉である私に課せられたはずの運命。
ただの一度も彼女から恨み言を聞いた事はない。 とは言え、今までどれだけ天を、祖国を、私を恨んだ事か。 想像するに余りある。 なのにこの笑顔と抱擁。
遠慮がちに抱きしめ返しながら囁く。
「サレイア。 再び生きて会えるとは夢想だにしておりませんでした。 天の恩寵に感謝を捧げます。 でも今日あなたは目の回るような忙しさのはず。 おしゃべりは後にしましょう」
「積もる話はともかく、私は王女様のお願いを叶えて差し上げられたのでしょうか。 お姉様の率直な御感想を伺いたいわ」
エリアーナモア王女様のお願い。 最後のお手紙に記されていた悲痛な一行。
どうか、ロジューラを守って。
私は深く頷いた。
「あなたは見事にやり遂げました。 それは天と、王女様と、先代国王陛下が御存知よ」
サレイアが少し目を伏せる。
「今はまだ、やり遂げたと言い切れる程終わってはおりません」
「王女様のお願いは頑是無き幼子を守る事。 年老いるまで守れという意味ではないわ。 あなたの方こそ守られる年になっているではないの」
「まあ。 お姉様たら」
目顔で笑いを交わしながら玄関に入ると、そこには五メートルはありそうな美しいフラワーアレンジメントが天井からシャンデリアのように吊り下げられている。 その下に立つ若き貴公子とその妻らしき貴婦人。
貴公子の瞳が王女様そっくりだ。 ブルセルの秘宝と尊ばれる、深い森のような緑。 ロジューラ王甥殿下に違いない。 私に向かって深々と礼をする二人にサレイアが紹介してくれた。
「ロジューラ。 こちらはあなたの伯父、ブルセル王国パサンド王弟殿下の妻にして私の実姉でもあるテュナラン王弟妃殿下よ」
「テュナラン王弟妃殿下、お目にかかれて光栄です。 先頃ダンホフ公爵家から分家され、一家を構えました。 ロジューラ・ダンホフと申します。 こちらは私の妻であり、長男リジューラの母、ニーナ・ダンホフです。 何卒お見知りおき下さい」
ロジューラ殿下が選んだ妻を見た時、懐かしい人に再会したような不思議な感じがあった。 身分が低い事は知っている。 ダーラツ王家ではダンホフがこのような格下婚を許した事に驚いていたが、その反対を押し切るだけの何かを持った女性なのだろう。 そうでなければロジューラ殿下に選ばれはしない。
「会えて嬉しいわ、ロジューラ。 ニーナ。 王甥殿下、王甥妃殿下と敬称を付けて呼びたいけれど、ここは皇国ですものね。 それは遠慮します。 リジューラ殿下へも同じ理由で敬称を付けません。 でもあなたの母の故国、そして親族達が沢山ブルセルにもいる事を忘れないで。 長い無沙汰の後ではダーラツ王家を親族とは思えないかもしれないけれど」
「こちらこそ長年の無沙汰を責められて当然ですのに、寛大なるお言葉。 深く感謝申し上げます」
「あなたの結婚、第一子を授かり、そして分家の主となられた事。 国王陛下、王族だけでなく、臣下も心から喜んでおります。 おめでとう。 遅ればせながら私達からのお祝いを受け取って頂戴」
「母の故国の皆様からの祝意をお伝え下さり、恐悦至極に存じます」
「是非ブルセルまで足をのばして下さいな。 国をあげて歓迎致しましょう」
「御招待、どうもありがとうございます。 機会がございましたら」
ロジューラ殿下の言葉から堅さが取れない。 もう少し気持ちを近づけるような話題はないものか。
「ニーナ。 リジューラの様子を聞いても構いませんか」
「はい。 おかげさまで健やかに成長しております」
「もうつかまり立ちをするようになったのかしら」
「お姉様。 リジューラを御覧になりたい?」
「あら。 こちらに連れて来たの? それでしたら是非。 そちらの都合のよい時で構わないから」
「母上。 王弟妃殿下にエイウィルの間へお立ち寄り戴いては如何でしょう? 只今リジューラをそこで遊ばせております」
エイウィルはブルセル王城内にある森の大木に作られたツリーハウスの名前で、エリアーナモア王女様と私達姉妹は幼い頃、毎日のようにそこで遊んだ。
「まあ。 エイウィル。 懐かしい名前を聞くものね」
「ええ。 お姉様にとっても懐かしい物が沢山ございましてよ」
勧められるまま部屋に入ると、初夏の爽やかな日差しに包まれ、はいはいしている幼児がいた。 ダンホフのお仕着せを身に付けた乳母と侍女が五人程、見守っている。 少し離れて、ダンホフの制服を着ていない年かさの女性がいた。 明らかにブルセル人だ。
以前どこかで会ったような気がして、思い巡らしそうになったが、彼女がニーナと面差しが似ている事に気付いた。 服には見慣れない家紋が一つだけ縫い付けられており、名札にはカシュエ・ホンダガナとある。
ニーナの実母はベネッシュ子爵の愛人で、平民と聞いている。 だとしたら実母であっても私に紹介はしないだろうし、私から声をかけるべきではない。
「お姉様。 抱いてあげて下さいな」
サレイアに促され、リジューラ殿下を抱き上げた。 ロジューラ殿下と同じ、深い緑色の目をしている。
ダーラツ王族は配偶者以外、全員緑色の虹彩を持って生まれる。 色が濃ければ濃い程、能力が強い。 何の能力かは成長するまで分からない。 予知、読心、透視。 或いは芸術方面に優れていらっしゃる場合もあり、様々だ。 但し、深過ぎる緑は時に早世を意味する事もある。 エリアーナモア王女様のように。 だから安易に喜べない。
幸いロジューラ殿下は既に三十歳。 早世の心配はない。 改めて見るとロジューラ殿下の緑は第一王子殿下より、もしかしたら国王陛下よりも濃い。 陛下がロジューラ殿下にお会いになれば、たとえ現在の継承順位は六位であろうと王位を譲ろうとなさるのでは? 継承順位を無視した譲位なら過去にもあった。
ではロジューラ殿下にブルセルに戻るよう説得するべき? 既に分家されているし、ダンホフとしても正嫡子がブルセル王となる事は悪い話ではないはず。 それを面白くないと思う国の一つや二つはあるにしても。 第一王子妃殿下の実家、セライカ王国のディルビガー公爵とか。 ダンホフさえ上手にあしらって分家を勝ち取られたロジューラ殿下なら相手がディルビガーだろうと引けを取らないような気もする。
ふと、壁に掛けられている何枚かの肖像画に目が留まった。 一枚はエリアーナモア王女様が赤子を抱き、幸せそうに微笑んでいらっしゃる。 赤子はロジューラ殿下だろう。 その隣に三人の少女の絵が掛けてあった。 間違いなく王女様と私とサレイアだ。 私達はいつもお稽古とお稽古の間にツリーハウスへ逃げ出し、遊んだり、お菓子を分けあって食べたりした。 この絵に描かれているように。 王女様の無邪気な笑い声が脳裏に蘇る。
「どうしてこれがここに?」
ダーラツ王族を描くのはダーラツ王族にしか許されていない。 絵心を持つ王族は少ない為、生涯一枚も肖像画を描かれた事がない王族がほとんどだ。 希少なだけに一般公開はされていないし、貸し出し、ましてや売買など考えられない。 赤子との肖像画はダンホフが注文して描かせたのだとしても、この少女時代の肖像画を描いたのは誰なのか。
「盗みついで、という所でしょうか」
サレイアがいたずらっぽくウィンクする。
意外の念を禁じ得ない。 絵といい、この部屋の設えといい、金を積んだ所で、いえ、盗もうとした所で簡単に入手出来るような物ではない。 それともこの絵は王女様のお部屋に掛けられており、王女様御自身が持ち出した? ダーラツ王族を誘拐するのも簡単ではないのにやりおおせた男にとって純真な王女様を唆す事など朝駆けの駄賃かもしれない。
ダンホフと王女様が互いに一目惚れした故の駆け落ちという可能性が全くないとは言わないけれど。 所詮は女など買い放題の男。 無垢な王女様にすぐ飽きたでしょう。 それにダーラツ王族御愛用の品は幸運を齎すと信じられており、何であろうと高値が付く。 小さなランプでさえ買値の百倍の値段で売れるし、王女様の肖像画ならいくらの値がつくか想像もつかない。
王女様が二十歳の若さでお亡くなりになって三十年経つ。 僅か二年、共に過ごしただけの妻の遺品など、とうの昔に売り払われたと思っていた。 妻の遺品を捨てずにいる夫は世間に珍しくないとは言え、あの強欲な男までその中に含まれていたとは。
すると短くもお幸せな結婚であった? 或いは、沢山の故郷の物には囲まれてはいても孤独な生涯? お幸せではあっても死の床で若さ故の短慮を後悔なさった?
どう推測しようと結局は推測。 王女様のお気持ちを知る者はいない。 お輿入れの際、古くからのお付きを一人もお連れにならなかったから。 ダンホフの奉公人はいたとしても、果たしてその者達にお胸の内を吐露なさったかどうか。 王女様はこうおっしゃったと聞いた所で、私にその言葉が信じられるとは思えない。
王女様の筆跡で書かれたお手紙には夫がどれだけ愛情深いか綴られていたけれど、少しも信じられなかった。 ロジューラ殿下の御成長に関する慈愛に満ちた箇所以外は。
なぜならこの結婚は王女様の父、先代国王陛下に祝福されたものではない。 事後承諾と言うか。 ダンホフが王女様を誘拐同然に拉致し、帰国後こちらに王女様の化粧料一千万ルークを送りつけて成立した略奪婚なのだ。
王女様は城の奥深く隠され、王族以外の男性と会う事なく育てられた。 彼女が十八になる年、ダンホフが国王陛下を表敬訪問し、ブルセル城に一晩滞在した。 その日が彼にとって生まれて初めての登城だったはず。 どのような手を使ったのか、翌朝侍女が王女様の寝所を訪れた時はもぬけの殻。 王女様は連れ去られた後だった。
城内の誰かが手引きをした? もしくは王女様が合意なさっての出奔? 王女様が抵抗なさったらどこかで人の注意を喚起したかもしれないが、ダンホフにとって世間知らずの王女様を誑かすなど赤子の手をひねるも同然であったろう。
ダンホフを疑う者がいなかった訳ではないし、勿論ダンホフの部屋も探したけれど、翌朝王女様の姿が見つからなかった時点で大方の者は諦めていた。 相手が誰であろうと、すぐさま夫婦の契りを済ませたであろうから。
ダーラツ王家において結婚は夫婦の契りをその証としており、式や届出を必要としていない。 又、離婚を認めず、別居は許されても再婚は出来ないしきたりだ。 仮に王女様を連れ戻せたとしても既婚だから生涯独り身を託つ事になる。
事を荒立てたくなかった陛下はダンホフを査問せず、予定通り次の目的地であるフィシェルズ大公家へ出発する事を許した。 平然とした顔で私の父、フィシェルズ大公と面談中、実家から先代公爵危篤を知らせる急使が到着し、帰国したという次第。
因みにフィシェルズ大公家へは婚約破棄に対する慰謝料五百万ルークが送られた。 婚約者の私と結婚していたら結納金二百万で済んだのだからダンホフ側にしてみれば予想外の出費。 とは言え、もしダンホフが正式に王女様に求婚していたら国王陛下はたとえ一億の金を積まれても、うんとはおっしゃらなかった。 病弱にて気候の変化に耐えられず、とお断りになったであろう。 実際、お体が丈夫な御方ではなかったのだから。
衝撃のあまり王妃様は病の床に伏せられ、陛下は何度も深いため息をおつきになられたのだとか。 それでも幸せでさえいてくれるなら、と王女様を取り戻す為の派兵はなさらなかった。 いつでも帰っておいで、と綴ったお手紙なら王妃様が何通もお出しになったが、王女様からのお返しにはダンホフがどんなに気遣いのある夫か、そして今どんなに幸せかが書かれているばかり。
けれど最後のお手紙には悲痛なまでの真実が記されていた。 この家には第一正嫡男子が庶子の弟に殺される呪いがかかっている、と。
王族は何としても守らねばならない。 いかんせん、ダンホフ本邸はブルセル城の何倍も大きい。 迷宮のようなダンホフ本邸の奥深く隠されているであろうロジューラ殿下を誘拐するのは碌な警備もないブルセル城から王女様を誘拐するのとは訳が違う。
ブルセルにダンホフと正面から戦える程の軍事力はない。 ロジューラ殿下を取り戻すにはダンホフに分家を承諾してもらわねば。 しかしたった一人しかいない正嫡子をダンホフが手放すか? ならばもう一人、正嫡子が要る。 私は既に嫁いでいたからサレイアに白羽の矢が立った。
ダンホフの代替わりでは第一正嫡男子だけではなく、その妻子や生母まで殺される事が多い。 だから愛人になりたい女ならいくらでも見つかるけれど、ブルセルのような小国でもなければ娘を正妻に差し出したりはしない。 ダンホフと私の婚前契約書には子供を生まなくともよい事、もし妊娠した場合ブルセルへの里帰りと、産後ブルセルに留まる事を許す、という事項が入っていた。
サレイアはその全てを知りながら婚前契約書なしで皇国へと旅立った。 ダンホフに嫁げばブルセル国籍を離れる。 実子が生まれ、その子の命を優先して出奔したとしても彼女を罰する事が出来る人はいない。 なのに彼女はナジューラをダンホフ邸内で育てた。 彼の生き残りに必須である金融関係の教育を施さずに。
妹がひたすら耐えた年月の長さを思うと胸が痛む。 どれ程胸が痛もうと私はブルセルの王族。 ナジューラがいなければ殺されるのはロジューラ殿下である事を思うと、実子の命を優先して、とは言えなかった。
扉がノックされ、侍従らしき男が一礼する。
「御歓談の最中、失礼致します。 テュナラン王弟妃殿下御到着を聞き及び、当家次代が一言御挨拶申し上げたいとの事」
理知的でありながらどこか温かい瞳の貴公子が侍従の背後から現れた。 サレイアの瞳に喜びの光が宿る。
「お姉様。 ダンホフ公爵家次代、ナジューラですわ」
「ナジューラ。 御結婚、おめでとう。 新郎新婦お二人の末永き幸せとダンホフ公爵家の更なる隆盛を心からお祈り致します」
「テュナラン王弟妃殿下。 遠路遥々当家へようこそお越し下さいました。 忝きお言葉と御足労に深く感謝申し上げます。 明るい未来を築くべく、我が妻と共に精進するでありましょう。 ブルセル国王陛下を始め、母の故国の皆様に何卒よろしくお伝え下さい」
ダンホフ次代という肩書きから想像される傲慢な態度ではない。 いくら私は伯母で、王弟妃と言ってもダンホフ領に比べればブルセルは吹けば飛ぶような小国。 謙らねばならぬ理由など一つもないのに。
ただもし私が訪れたのが去年の夏だったら今日と同じ活気を見たとは思えない。 私は毎年ダンホフ公爵家に使者を送り、サレイアと家内の様子を探らせていた。 誰の報告でも前年の報告と同じ。 ダンホフ本邸は孤独、憂鬱、猜疑、恐怖に覆われた巨大な墓でしかない、とあった。
花が一本もない邸である事は有名で、ユレイアが見合いした時は荷馬車百台を使い、南から切り花を運んだのだとか。 なのに今日、正面玄関前にあるのは一辺五十メートルはあろうかという大花壇。 咲き誇る花と耳に心地よいせせらぎが私を出迎えてくれた。 玄関へと続く階段脇には夫々幅十メートルの花壇があり、右はダンホフ公爵家、左はリューネハラ公爵家の家紋を花で表している。
廊下、客室、階段、窓際、至る所に花が飾られ、敷地の外門から正門へ続く沿道では何千もの領民が次々到着する招待客の馬車へ向かって歓迎の花を投げていた。 たとえ荷馬車を千台、万台使ったとしても運び切れない量だ。
王族の血筋が困難な運命を乗り越え、富を掴んだ事は大変喜ばしいけれど、これ程劇的な変化を齎す何があったのか?
それに正嫡男子が庶子に殺される事で有名な家で生まれ育てば恐怖に気力が挫かれても不思議はないのに、ナジューラの声の張りと思慮深げな瞳に憂いや不安は少しも感じられない。
「ところで、母上。 彼方にヴィジャヤン準大公の竜影が現れました。 間もなく御到着との事。 私はこれから飛行場へ向かいます」
サレイアの顔が綻ぶ。
「お姉様、少しの間失礼させて下さいませ。
ナジューラ。 どうか私も同行させて」
そこでロジューラ殿下が訊ねる。
「次代様。 私と妻も御一緒して構いませんか? 親族顔合わせの前に一言御挨拶申し上げたいのですが」
ナジューラが鷹揚に頷く。
噂の準大公。 出来れば私も会いたい。 けれどここでそれを願い出ては厚顔の誹りを免れまい。
「では私は自分の部屋に下がります」
「お姉様。 もしこの部屋の方がお気に入りでしたら、このまま御滞在下さいな」
「まあ、嬉しい。 お言葉に甘えさせて戴くわ」
ナジューラ達が去った後で、私はブルセル人らしき婦人を部屋の片隅に呼び、ブルセル語で訊ねた。
「あなたはダーラツ城の森番の娘ね」
ブルセルではほとんどの平民の姓は職業を表している。 ホンダガナはブルセル語で森番という意味だ。 思い出すまでに時間がかかったが、ニーナの顔とエイウィルの間に飾られてある絵を見て記憶が呼び起こされた。 ツリーハウスに遊びに行く途中、森番の娘とすれ違う事が何度もあった事を。 森番の娘は王女様の侍女ではなかったけれど、王女様がお召しになる事が時々あり、城内へも自由な出入りが許されていた。
ブルセル人が皇国へ出稼ぎに行く事はよくある。 とは言え、皇国の上級貴族に雇われる機会など滅多にない。 でもダンホフが王女様を誘拐した時、王女様の世話をする端女を一緒に連れて来たという事情でもあれば別だろう。 なにより王女様とダンホフの橋渡しをした者がまだ見つかっていない。 もしや?
「ダンホフを手引きしたのはあなたでしょう」




