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【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です  作者: ゆうき


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第五十四話 作戦開始

 アルフレッドを投げ飛ばす珍事件が起こりながらも、私は何とか国境沿いの近くまで来ることが出来た。


 ここからどうやって国境を超えるのか。それを成すために、別のルートで来てくれている方々に、協力してもらうことになっている。


「アルフレッド、ちょっと狭いですけど、我慢してくださいね」


「ああ、大丈夫だよ……おお、このタオル、セリアの匂いが凄い! くんくんくん!!」


「ちょ、嗅がないでくださいまし!」


「あはは、冗談だよ。少し肩の力が抜けたかな?」


「別の意味で力が入ってしまいましたわよ、もうっ!」


 文句を言っているような態度を取っているけど、アルフレッドらしくない行動に、思わずクスクスと笑ってしまった。


「とにかく、大人しくしててくださいね」


「わかったよ」


 私は、ケガしないようにタオルでアルフレッドの体を包んでから、持ってきた麻袋の中に詰め込んだ。


「御者様、ここまでありがとうございました。あとは私達にお任せくださいませ」


「はい。是非また、お元気なあなた方をお乗せさせてくださいませ」


「はい、もちろんですわ」


 私は、ドレスの裾をもってお辞儀をしてから、その場を少し離れると、私は大きく息を吸って――


「きゃぁぁぁぁぁ!! 助けてぇぇぇぇぇぇ!!」


 私は、お腹に力を入れて大きな声を上げながら、国境沿いにある砦に向かって走る。すると、近くの茂みから、武装をした方々が、一斉に私を襲ってきた。


「ぎぇへへへへ! 逃がさねえぇぇぇ!!」


「お前は、これからも俺らの奴隷だぁ~!」


「も、もうそんなの嫌ですわ! こんな国なんて、もうたくさん! あっ、あれはカルネシアラ国に繋がる国境……!? お願い、助けてください!」


「一体何事――せ、セリア様!? 戻ってきてくださったのですか!?」


「は、はい……婚約者として歓迎されたのですが、その歓迎があまりにも酷いものでして……心身共に、ボロボロになりました……それで、逃げてきたのですが、追いつかれてしまって……」


「お、おのれ蛮族め! とにかく、一旦こちらに!」


 私は、国境の砦を守っていたカルネシアラ国の兵士に無事に保護され、砦の中にある一室へと連れていかれた。


 ふう、とりあえずここまではうまくいってよかった。事前に私を追いかけているフリをしている人を準備して、嘘の逃走劇を演じたのよ。


「セリア様、ご無事でなによりです。しかし、一体どうしてこんなところに?」


「実は、向こうに行ってから毎日の様に酷い目にあわされていたのです。特に、精神的に徹底的にいたぶられて……私の大切なものまで奪われました。それで、もう耐えられなくて……逃げだしたのは良かったのですが、見つかってしまって……必死に逃げてまいりましたの」


 あまりにもつらくて、耐えられなくなった女性を演じるために、私は声を震わせながら、両手で顔を覆った。


 私は役者の経験はないけれど、目的のためなら、役者の真似事だってしてみせるわ。


「事情はわかりました。大至急、国王様にご報告をしてまいりますので、その間に身体検査と手荷物検査をさせていただきます」


「わかりましたわ」


 以前は身体検査なんて無かったのに、今ではそんなものもあるのね。先程の説明で、もし肉体的に虐げられていたと嘘をついていたら、身体検査で傷なんて無いじゃないかと、怪しまれていたかもしれない。


「おや、このぬいぐるみは……」


「向こうの商人が扱っているのを見て、購入しましたの。どうやら売れ残っていたようでして、格安で売っていただきました」


 荷物検査をする兵士の手には、本当にぬいぐるみみたいに動かない、アルフレッドの姿があった。


 ちゃんと対策されているから、大丈夫だとは思うけど……これで気づかれてしまったら、全てが水の泡だ。お願いだから、気づかれませんように……!


「セリア様、いかがされましたか?」


「いえ。それ、私のお気に入りですので、なるべく早く返していただきたいと思っていただけですわ」


 もしかして、無意識に緊張しているのが態度に出ていた? 今は何とか取り繕ったけど、これ以上されたら、いつかボロが出てもおかしくない。


「ぬいぐるみにしては、随分と良く出来ているな……まあいい。この荷物に、魔力探知にかけるぞ」


「はっ!」


 兵士達は、手分けして私の手荷物を魔力探知の魔法陣に乗せる。その光景を、私は平静を保った様子で見守っていた。


 魔力探知って初めて見るから、どうなったら異常を検出したことになるのか、全くわからない。見ているだけで、緊張して吐きそうだが……きっと大丈夫。レイラ様の魔法の腕は、何度も授業を受けた過程で、その目で見てきたもの。


 それにしても、レイラ様に魔力探知の対策を取ってもらってなかったら、ここでどうにかして、魔力探知をしないように、言い訳をする必要があったでしょうね。

 もしそうなってたら、明らかに違和感が生まれていただろう。そうならなくて、本当に良かった。


「魔力探知、特に異常ありません!」


「ご苦労。手荷物に異常は無しっと……」


 一瞬、復讐を決意してから間もない頃のように、高飛車な態度を取ってみようかと考えたけど、わざわざそのようなことでリスクを背負う必要は無いわよね。


「ん? 今、このぬいぐるみが動いたような……?」

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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