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【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です  作者: ゆうき


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第三十話 侵入者を見つけろ!

「……んっ……」


 まだ外は暗い中、私は寝返りを打ちながら目を開けた。私の隣では、リズがよだれを垂らしながら、もう食べられないよ……と、寝言を漏らしている。


「喉が渇きましたわね……確か、テーブルにお水が入った水瓶が……」


 隣で眠っているリズを起こさないように、そーっと足音を立てずに立ち上がった瞬間、またしてもあの眩暈に襲われ、その場に座り込んでしまった。


 今回の舞台は、どうやら暗いお城の中のようだ。見回りをしている兵士達が、突然何かに切り付けられ、バタバタと倒れている光景だった。


『ふん、見張りが多いとはいえ、見えない俺に不意打ちされたら、対処できるわけもないか。さて、まずはアルフレッド……貴様から始末してやる』


 予知で見えている光景の中には、倒れている兵士しかいない。だというのに、どこからか低い男性の声が聞こえてくる。


 一体どういう状況なのか。それを確かめる前に、予知は終わってしまった。


「い、今の予知は……ふぐっ……かはっ……」


 兵士達が切り付けられた痛みの全てが、私の痛みとなって襲ってくる。

 この鋭い痛み、お姉様の遊びで切られた時を思い出す。おかげで、痛みと同時に嫌な気持ちにさせられてしまい、脂汗が酷いことになっている。


「痛みなんて、気にしている場合じゃないですわ……先程の状況を整理しなければ」


 予知でわかったことといえば、このお城に見えない誰かが侵入して、兵士達を不意打ちして回ることと、アルフレッド様の命を狙っているということだ。


「見張りが多いとも仰ってましたし……もしかして、このあとすぐに起こること? ちょうど、爆弾騒ぎで見張りが増えてますし……」


 私の予知で見るものは、数十秒後に起こることもあれば、数日後や一週間後、はたまた何年も先のこともある。それを知るには、運よく予知で見える光景に情報が転がっていないと、知ることが出来ないのが厄介だ。


「このまま放っておけば、復讐の一端になるかもしれませんが……」


 何者かによって、お城の方々が傷つき、アルフレッド様もどうなるかわからない。それは、ここに来る前の私なら、喜んで迎えていただろうけど、今の私がそれを想像すると、やはりモヤモヤして踏ん切りがつかない。


「……とにかく、なんとかしませんと」


 このまま一人で何とかしようと思ったが、リズならきっと力になってくれると思った私は、リズの体をゆさゆさと揺らした。


「ふにゅう……セリアさまぁ、どうしましたかぁ……?」


「大変ですの! 今、また予知が見えて……このお城に誰かが侵入して、多くの人が犠牲になってましたの!」


「へぇ、そんなんですかぁ……えぇ!?」


 最初は寝ぼけ眼だったリズは、数秒程ボーっと私を見つめてから、勢いよく体を起こした――のはいいのだけど、勢い余って私のおでこに頭突きをしてきた。


 な、なんて強烈な一撃……リズ、あなたなかなかやるわね……。


「うわぁ、ごめんなさいごめんなさい! 大丈夫ですか!?」


「え、ええ……気になさらなくて結構ですわ。急に起こしたのは、私の方ですから」


「で、でもぉ……うぅ、痛かったですよね。わたし、凄く石頭でして……」


「その辺りの話は、また後程。今は一刻を争うかもしれませんの!」


 私は、先ほど見た予知の内容をリズに伝えると、リズは目を丸くして驚いていた。


「ど、どうしましょう! 魔法で見えない敵だなんて、わたし達では、どうしようもありませんよ!?」


「いいえ、手はありますわ。リズ、あなたも手伝ってもらえますか?」


 この短い時間で思いついた作戦をリズに伝えると、手をパンっと鳴らしながら、なるほどっ! と納得してくれた。


「わかりました、わたしもやります! もし何もなかったら、わたしが寝ぼけてたって嘘をついて、怒られにいきますから、ご安心を!」


「なにをバカなことを仰るのですか。怒られるのは私一人で十分ですわ。さあ、始めますわよ!」


 私一人では心細くても、誰かが一緒だと、こんなにも支えになるなんて。そんなことを思いながら、私はリズと一緒にバルコニーに出ると、大きく息を吸い込んだ。


「すぅぅぅぅぅ……侵入者ですわぁぁぁぁぁ!!!! 魔法で見えない誰かが!! お城に侵入してますわぁぁぁぁ!!!!」


「みなさぁぁぁぁぁん!!!! 侵入者ですぅぅぅぅ!!!! 魔法で見えない人が襲ってきますよぉぉぉぉ!!!!」


 リズと一緒に、今出来る一番大きな声で叫んだ後、二手に分かれて同じ様に大声で叫び回る。


 いくら見えない敵だとしても、その存在を知っていれば、対処のしようはあるはず。そう思い、とにかく大騒ぎをすることで、危険を周知する……単純ではあるが、効果的だと思ったの。


 もしあの予知が、もっと先の話だとしても、怒られはすると思うけど、やらないよりは絶対に良いはず。


「なんだなんだ、侵入者だって!?」


「その通りですわ!! 相手は魔法で姿を消して襲い掛かってきますの!!」


「この騒ぎはなんだ!? って、セリア様? どうして君がここに?」


「アルフレッド様! 危ないので、隠れてください!」


「隠れる? それに侵入者……なるほど、状況は理解した。父上が不在の今、ここの主は僕だ。主が逃げるわけにはいかない」


 その心意気は立派だが、あの予知の通りなら、アルフレッド様にも危害が及ぶ可能性がある。だから、安全な所にいてほしいのが、私の本音なのだけど……多分、聞き入れてもらえないでしょうね。


「わかっている範囲ですが、敵は一人。恐らく男性で、姿は魔法で見えなくしています。不意打ちで見張りを倒しながら、あなたの部屋に行くつもりだったようです」


「わかった。端的でわかりやすい情報、感謝するよ! 城の者に告ぐ! 城に侵入者あり! 直ちに感知魔法が使える魔法使いは、侵入者の居場所の確認、および捕縛をしろ! ただし、絶対に殺すな!」


 殺すなって、相手は自分の命を狙ってきた相手なのよ? 普通なら、その場で殺してしまってもおかしくないのに、一体どうして?


 ……なんて思っていたら、またしても予知の前触れである眩暈が襲ってきた。


「くっ、こんな時に……!」


 今の状況を何とかできないような予知だったら、許さないんだから。そう思いながら、予知で見えた景色を確認すると、そこには私とアルフレッド様がいて……見えない何かが私に襲い掛かってきたのを、アルフレッド様が庇ってくれるところで終わった。


「いった……!」


 幸いにも、予知で与えられた痛みが、そんなに強くなくて助かった。しかし、このままではアルフレッド様に、不幸が訪れてしまうのは確かだ。


「アルフレッド様! この後すぐに、侵入者が私達に襲い掛かってきます!」


「なんだって? 先程から思っていたが、どうしてそんなことがわかるんだい?」


「説明は後程! 今は、私を信じてください! お願いいたします!」


「そんなの、当たり前じゃないか! 僕は、セリア様を信じているよ!」


 アルフレッド様は、右手が光るほどの魔力を右手に集め、それで床を殴りつける。すると、白くて巨大な魔法陣が、私達の足元に広がっていった。


「なっ……!? どうしてことごとく俺の行動がバレるんだ!? くそっ、せめてアルフレッドだけでも!!」


 魔法陣が描かれた直後、どこからか声がするとともに、突然魔法陣の中に知らない男性が飛び込んできた。


 その男性の両手には、猫の爪みたいな武器が装備されている。あれを使って、兵士を傷つけて回っていたのね!


「やはり君だったか。悪いが、僕もやられるわけにはいかないんだ」


 男性の鋭い爪が、アルフレッド様に襲い掛かる……はずだったが、アルフレッド様は指をスッと少し揺らしただけで、男性は何かに足を取られたかのように、転んでしまった。


 あれって、もしかしなくても魔法よね? 魔法陣も詠唱もなかったから、発動まで全然気が付かなかった。


「くっそぉ……ならばっ!」


 男性は軽い身のこなしで私の後ろに行くと、私の首にその爪を立ててきた。


ここまで読んでいただきありがとうございました。


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