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【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です  作者: ゆうき


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第二十三話 ゆったりとマッサージ……

 翌日、まるで雲なのではないかと思うくらい、フカフカなベッドのおかげで、ぐっすりと眠れた。


 実家のベッドは、立派なのは大きさだけで、ベッドは軋むし、布団やシーツはボロボロで、本当に最悪な環境だった。それと比べるまでもないが、ここは本当に天国だ。


 ……普通だったら、実家もこっちも地獄になると思っていたのに、天国のような待遇を受けるだなんて、本当に驚きだ。


「おはようございます、セリア様!」


「おはよう、リズ。今日も朝から元気ね」


「元気なのが取り柄ですから! 前の職場では、この特技が活かせずに、ずっとおろおろしているだけでしたから、ここでは同じ轍を踏まないように頑張ります!」


「頑張るのはいいけど、肩に力が入っておりますよわ? 落ち着いてやれば、あなたなら出来ますわ」


「うぅ、セリア様の優しい言葉が、骨身に染みますぅ……」


 まったくリズったら、大げさなんだから……ふふっ。


「それで、起こしに来てくれたの?」


「それもありますけど、朝食の前に湯浴みをするとのことです」


 朝食前に湯浴み? 別に入ってはいけないという決まりはないとはいえ、あまり聞いたことがない。少なくとも、うちの家族が湯浴みをする時は、夜だったと記憶している。


「浴場で待っているから、来てほしいってことでした」


「わかりましたわ。伝言、ありがとうございます」


「これくらいならお安い御用ですっ! あ、わたしそろそろ行きませんと! 今日から、本格的にお城の使用人のお仕事を教えてもらうんです!」


「ふふっ、頑張ってね。いってらっしゃい」


 リズとおしゃべりをしていると、あの方の元気を貰える気がするし、自然と笑顔になる。この笑顔のことを、アルフレッド様は言っていたのかしら……?


「お、思い出したらまた顔が熱く……とにかく、浴場に向かいましょう」


 言われた通りに浴室に行くと、そこには前回と同じ女性が出迎えてくれた。どうやら、今回も私の湯浴みの担当をしてくださるそうだ。


「傷の具合を確認いたしますね。うん、少しずつ良くなっておりますね。少し処置をしてから、湯船につかりましょう」


 今日のお湯は、バラのような甘い香りがするお湯だった。入っているだけで、体の芯まで甘い香りに包まれているようで、とても心地いい。


「すこし頭を後ろに下げてください」


「ふぁい……」


 既に骨抜きになっている私は、浴槽の壁にもたれながら、首を後ろに下げると、彼女が私の頭を洗い始めた。


 あの石鹸、とても不思議なのよ。液体なのだけど、髪に擦ると凄く泡が出て、良い香りもするの。その後に、油みたいなものを縫って、髪をコーティング? するって、前回に聞いた。


「セリア様は、元が素敵なだけあって、磨けば光る、ダイヤモンドの原石ですね。毎日美容に気をつけていれば、とても美しくなれますよ」


「それはとても嬉しいですわ」


 おしゃれをしたいとか、着飾った姿を誰かに見せたいとか、今のところは存在しないけど、女性として生まれたからには、やっぱり綺麗なままでいたいのよ。


「一つ提案なのですが……背中の怪我は大きなものがあるようですが、古傷ですし、それ以外の傷もありませんので、よければ背中のマッサージをいたしますが、いかがでしょう?」


「マッサージ……」


 人生で一度もされたことがない、マッサージ……正直、興味がないと言えばうそになる。せ、せっかくだからやってもらおうかしら……?


「お願いします」


「ではうつ伏せになってください」


 浴槽に置かれた小さな台に、うつ伏せで寝ると、ぬるっとした手が私の背中を触り始めた。


「うひゃあ!?」


「失礼。これはオイルです。肌がすべすべになる至高の一品だと、アルフレッド様がご用意されたものです」


「そうなんですね……あっ、気持ちいい……」


 ゆっくり優しく、時にぐりぐりと。背中への刺激があまりにも心地よすぎて、起きたばかりなのにまた眠くなってきた。


「終わったら起こしてさしあげますから、ごゆっくりお休みください」


「では……お言葉に、甘えて……」


 こんなに気持ちよく眠りに入るのは、いつぶりだろう? まだお母様がご存命だった時? そうだ、私が布団に潜ると、お母様は仕方ないわねって困ったように笑いながら、子守唄を歌ってくれて……すぐに寝ちゃったっけ。


 ああ……何もかもが懐かしい。お母様に、また会いたい。想っていれば、夢の中で会えるかしら……?


ここまで読んでいただきありがとうございました。


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