10話、ダンジョンマスター
すいません遅れました。
落ちた先はスライダーのようになってて、どんどん斜めに滑って行く。ゲームだったら、この先は剣山か、溶岩、モンスターハウスとかだろう。
モンスターハウスなら全力で抵抗してやる
穴の先に光が見え、視界が光に包まれた。
ドスッ
「うげッ‼︎」
お尻が痛い
どうやら穴の先はトラップではなかったようだ。
暗い穴から明るい所に来たせいで目がよく見えないが、少し慣れて見え始めた。
そこは、真っ白な通路だった。
しかし後ろに道はなく落ちてきた筈の穴も無い。
前に進むしか無いようだ。
落ちたら即死とかでは無い事に安堵して、一緒に落ちてきたナイフを拾って歩く。
10分ほど歩いたら扉が見えた。
迷わず開けて入る。
「ハハハッ‼︎
いらっしゃいモルモット君」
そこには悪魔がいた。
悪魔は190cm程の身長に細いがしっかり筋肉が付いている。
金髪から捻れた角を2本生やし、
背中には蝙蝠のような翼が生えている。
整った顔立ちで、かなりのイケメンだろう。
しかし、そのモテそうな雰囲気を壊すほどの狂気を紅い目に宿していた。
「やっと研究の成果を試す時がきた‼︎」
悪魔はニヤニヤしながら喋る。
「高いコストを払って異世界から素材を取り寄せたんだ。必ず成功させてやるさ」
最初、悪魔の目を見た時からわかった。
こいつは敵だと
「しかし、ここに召喚されず、外の森で召喚されるとは思わなかったよ。わざわざ雑魚を集めてここに誘導するのに時間がかかってしまったよ」
外のゴブリン達はこいつが集めたらしい。
「それに欲しいのは君の体だけだ。だから取り敢えずさようなら〜」
嫌な予感
前に走る。
悪魔を殺すため。
影槍を悪魔に撃つ
悪魔はそれを笑いながら見ている。
槍が悪魔に当たる前に悪魔と槍の間に黒い霧のような物が出てきた。
影槍がその霧に触れた瞬間槍が溶けるように消えていってしまった。
「フハハハハッ‼︎
下位の影魔法で上位の闇魔法に勝てる訳無いじゃ無いか」
魔法は無理か、なら体術だ
ナイフを構えて走る。
悪魔は構えもしない。
走り動かない悪魔にナイフを振る。
躱される。振る。躱される。
当たらない。それでも生きる為に必死に振る。
「ハァ、興醒めだな
君、戦いは素人並だね。」
悪魔はため息を付き手を軽く振る。
体に衝撃が走り吹き飛ばされる。
目の左端に一瞬黒い塊が見えた気がした。
多分闇魔法の1種で、敵を吹き飛ばす魔法だろう
一瞬ピヨったが、まだ戦える。
着地しようとしたが、そのまま足が地面に埋まった感じがした。足元を見たら暗い闇の泥沼のようになっていた。ここは、最初に居たところだから、さっきの嫌な予感はこれらしい。
直ぐ抜け出そうとしたが、全く抜けない。それどころかどんどん沈んで行く。
「ハハハッ
その空間魔法で作った沼は一度はまったら、簡単には抜けないからね。
その沼の先はね精神時間を弄った異次元空間になってるから、そこで永遠に近い時間を過ごして、君には狂って廃人になって貰うよ。」
悪魔は笑いながら沈んで行く俺に言う。
そして、俺は闇の沼に沈んだ。
もう1本投稿します。




