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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 真・槍の勇者のやり直し
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監視役


「お前……持ってきたなの?」

「中身は無い、お前が作った代物だがな」

「まあ良いなの。折を見てお姉ちゃんに渡しておくなの」


 カチャカチャとライバルの親が入った結晶がコンパクトに収められたようでしたぞ。

 起動するのも時間の問題でしょうな。

 ジャックは今周回も無様な姿を晒すのですな。


「ちなみメスリオン……ちゃんはどういうポジションとスタンスで行くつもりな訳?」

「一応、なおふみに頼まれて槍の勇者が問題行動に出ないように監視役として任されているって所なの」

「ラフミちゃんとの違いは? どうもよくわからないんだけど……それとみんなに説明した方が良いよね?」

「既に加入済みって事になるから改めて自己紹介はしない方が動きやすいと思うから良いなの。ラフミとの違いって比べられる方が嫌なの」

「なんだ? 私の何が不満だというのだ?」

「お前はポンコツなの。好き勝手やって事態が混迷をしていても無視する癖があるなの」

「私の何処がポンコツか、このループでどれだけ私が配慮しているか、槍の勇者に異世界追放された貴様が抜かす筋合いはないぞ」

「滑り止めとしては役立つけどそれ以上に火に油を注いで遊ぶような真似をしかねない常識知らずがお前なの」

「ふん……同じような事を繰り返してはつまらん。情緒のわからん管理者め」


 ライバルとラフミがにらみ合いをしてますな。

 そのまま共倒れしろですぞ!


「役割が被る感じかな?」

「本来はガエリオンの役目なのだけど槍の勇者がガエリオンの登場を阻止した際にラフミが役目を引き継ぐ手はずでこのループではラフミが先に役目をしているなの」

「そう……にしては、まあ……」


 ラフミは好き勝手やっているのですぞ。


「なんだ? 何が不満だというのだ? 私をポンコツと抜かして更に私の努力を踏みにじるというなら私も手があるぞ。槍の勇者……丁度いい、そんなにも盾の勇者がこいつに奪われるのが嫌ならこの前やめてやった手立てをしてやろうではないか!」

「なんでここで俺に飛び火するのですかな!? 理不尽ですぞ!」

「ふふふ……見るがいい! この私の禁断の姿をな!」


 ボフっとラフミが顔だけラフミで首から下をフィーロたん姿になったのですぞ!

 うげぇえ……またその姿になったのですぞ!


「やめろですぞ!」

「おめー……槍の勇者への嫌がらせに滅茶苦茶な姿を発見しやがったなの」

「うわ……顔だけラフミちゃんのフィーロフォーム」


 お義父さんがドン引きしてますぞ。


「ほらほら、槍の勇者……やめて欲しいならすることがあるだろう?」

「く……ライバル! ラフミに頭を下げるのですぞ! じゃないとこいつはこの姿で色々とやらかし始めますぞ!」

「マウントを取らせようとしているようだけどガエリオンには効果がねえなの。ガエリオン、魔法が得意なドラゴンだからこんな事だって出来るなの」


 パチンとライバルが指を鳴らすとラフミが元の姿に成りましたぞ。


「何? おのれ……私の姿を幻覚魔法で違和感を無いようにして見せたな? ならば……何!?」


 バチ! っとラフミが何か仕出かそうとした所を静電気のようなもので弾かれましたぞ。


「ならば私が今、槌の七星武器を使える事を見せてやろうではないか」

「そこまでやるならガエリオンだってより大きな手立てを使うだけなの。泥沼の攻防を今後するなら相手をしてやるけどお前は相手をするなの?」

「ふ……やはりつまらんな……良いだろう。ここは引き下がってやる。だが私はポンコツではない。そこはゆめゆめ忘れるなよ」


 どんな攻防ですかな! 共倒れをしていろですぞ!


「まあ、今回は私が色々とやったのだ。この先の面白い未来に関して一々ネタバレをしてしらけさせるような真似をするのはやめて貰おうか」

「はいはいなの。ガエリオンもある程度は体の方の記憶で事情をくみ取ってはいるなの。とはいえ……」


 ライバルが俺に眉を寄せて見て来ましたぞ。

 なんですかな?


「槍の勇者、おめーのやらかしを隠すのは程ほどにしておかないと割とガチで死にかねないと思うからいい加減白状すべきだと思うなの」

「え? 何か元康くんが問題を起こしてる訳?」

「俺はそんな問題は起こしてないですぞ!」


 記憶の中の錬と樹がここぞとばかりに嘘だ! と指さしてますが嘘じゃないですぞ!

 お前等にはイヌルトとリスーカで色々と道化をして貰った方が良いのですぞ!

 この魔法はその為にあると言っても過言ではないのですからな!


「まったく……ガエリオンが居ないとどんだけやらかすのか、呆れる連中なの」

「何度も言わせるな。同じような事を繰り返してはつまらん、槍の勇者をもっと有効活用しろ」

「俺で遊ぶなですぞ!」

「とりあえず一番話が通じそうかな? なんか不機嫌過ぎてるような気もするけど」

「なおふみは大丈夫なの。まあ……あんまりガエリオンがなおふみと仲良くしてるとそこのやかましい槍の勇者がギャーギャーうるさいから、なおふみも思う通りに気に入った相手と交流しておけば良いなの。ガエリオンは既に別ルートのなおふみが攻略済みって事で良いなの」


 チョイチョイっとライバルはお義父さんにそう追い払うような手つきで説明しましたぞ。

 ぐふ……シルトヴェルトに行った時のライバルにその身を捧げたお義父さんを思い出して俺の胃にダメージが入るのですぞ。


「うーん……ラフミちゃんと同じく知ってるけど言わないスタンスだなーただ、大人な返事か……古いCMとかはしないみたいだ」

「ライバル! その態度をやめるのですぞ! お前はお義父さんの童貞が欲しくて駄々を捏ねて逃げられる無様な姿がお似合いなのですぞ!」


 やはり大人な対応でお義父さんを狙っているのですぞ。


「だから狙ってねえって言ってるなの。いい加減、続けるなら本当にガエリオンがなおふみを狙ってやろうなの?」

「ちょっとそう言う話はやめて欲しいんだけど? 元康くんがいい加減しつこくて困ってるんだからさ」

「結果さえ出せば槍の勇者はもう何も言えねえなの。家出でもなんでもさせて置けば良いだけなの」


 おのれぇ……ライバルめ! 何処まで俺の道を阻むつもりですぞ。


「それもなぁ……元康くんには色々と助けて貰ってるし」


 幸いなのはお義父さんが乗り気じゃない所なのですぞ。

 ですが油断は禁物ですぞ。


「ふふ……それでも良いぞ。恋慕を爆裂させた獣と化したお前に襲われ嫌がる盾の勇者が周囲に助けを求めているのに、周囲はお前から盾の勇者を助ける事も出来ずに犯される様を見せられるのだ。それもまた幅だろう?」

「ラフミちゃん……君って子は……」

「まあ二度目の波が終わった後だけど……この後どうなるか結果発表って所だからガエリオンも、ある程度成り行きは見守ってやるなの。という訳で今後ともよろしくなの」

「無視してる……それはそれで君大丈夫?」

「槍の勇者次第なの。これでもガエリオン、なおふみも慈しんでいるなの。ガエリオンの想い全てを愛してくれたなおふみとの誓いが今のガエリオンにあるなの」


 くうう……憎悪と嫉妬で槍が変わりそうですがフィーロたんへの誓いで俺も我慢なのですぞぉおおお!


「なんか元康くんとの本格的な確執ってのを見た気がする。メルロマルクの騒動自体は収まれば良いんだけどね……」


 そんな訳でライバルがひょっこり混ざったのですぞ。

 そして俺が錬と樹を妖精姿に変えた事を黙っている事に関しても奴は弱みを握ったつもりになっているようでしたな。

 確かに隠している必要はないのも事実、ライバルに鬼の首を取ったように弱みを握られていると思われるのは心外なのでいい加減話してやることにしますかな。

 フレオンちゃんの育成もそろそろ開始しないといけないというのに厄介極まりないですがな。

 まあ、この用事が終わったら始めますぞ。



 そういう訳で更に翌日、クロちゃんもゼルトブルの方に来た日に俺は練った計画を実行する事にしたのですぞ。

 俺はクロちゃんとコウにそれぞれ言付けをして呼び出しをしたのですぞ。

 ゼルトブルに用意してあるサーカスは魔物商の親戚が斡旋してくれたのでそこそこ広く、各々テントが与えられていますぞ。

 他にもお義父さんが借りている居住のアパートなんかもありますな。

 そこの俺が宛がわれた建物に錬と樹を呼び寄せました。


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― 新着の感想 ―
お?そろそろ先出しされてたウェーイ元康が見れるのか?
洒落にならんレベルで恨まれてるだろうから手遅れどころか即起爆になりそう。
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