第606話 大きくなれよ〜♪
最初の曲は<魂は女神の元へ>。
演奏は録音データをもらってるってことで、ヤタ先生がそれを再生してくれる手はずになっている。
で、その間に、
「じゃ、俺は島にいってくるよ」
「はぃ。いってらっしゃい」
【マッチルー】「新婚夫婦かな?」
【ウタゲテー】「リスナーの中に壁を出せる人はいませんか!!」
【シェケナ】「ニヤニヤ(・∀・)」
【アマツノユ】「いいよいいよ〜(*´∇`*)」
etcetc...
……ログインを急ごう。
「ワフ!」
飛びついてきたルピを受け止め、ひとしきり撫でてから急いで裏庭へと移動。
スウィーとフェアリーズ、シャルたち、パーンたち、昼のうちに迎えに行ったトゥルーたちと、みんなそろって出迎えてくれた。
白竜姫様やエルさん、エメラルディアさんも待っててくれてるし、料理の仕上げをしないとだな。
<そろそろ歌が終わりますよー>
「あ、はい」
今日のご飯はハンバーグ。ちょうどホガニーブルの肉も手に入ったし、ランジボア肉との合い挽きでタネを作った。
トゥルーたちが苦手かもしれないので、オランジャック(アジ)のさんが焼きも用意してある。
<音入りますー>
『それでは島へとつなぎますね。ショウ君、ルピちゃん、島のみんな〜』
「ようこそ、ミオン」「ワフン!」
俺とルピに続き、妖精たちが揃って挨拶してくれる。
音頭を取ってくれたのはスウィーたちかな? いつの間にそんな芸(?)を仕込んでたのやら。
『今日は何をしますか?』
「ミオンのアルバム発売記念パーティーかな。みんなでご飯食べて、ミオンに歌ってもらうつもり。歌と歌の合間に雑談とか質問コーナーかな?」
【ベアメン】「ミオンちゃん、オンステージ!ヽ(´▽`)/」
【ミイ】「スウィーちゃんも白竜姫様も歌います?」
【ペッパーミ】「ショウ君も歌おうぜ〜」
【マムロック】「今日のお料理なんですか?」
etcetc...
「じゃ、俺は料理の仕上げをやるから、その間にログインしてくれる?」
『はぃ!』
<ショウ君だけの画面に変わりましたー>
ミオンがログインしてくるまでの間は、俺が話して繋がないとなんだよな。
「じゃ、さっそく準備します」
改めて意識すると、一人でずっと喋るのって大変だな……
えーっと、コメントを確認しつつ台所へと移動。まずはいろいろ手配してもらった調味料や調理器具を見せたい。
「今日作るのは、これを使って作った料理です」
一番はミンサー。これのおかげで合い挽き肉を作るのがすごく楽だった。
タネはたくさん作って保存箱に置いておけるし、白竜姫様が気にいってくれるといいんだけど。
【マットル】「ってことは、やっぱりハンバーグ?」
【ロッサン】「マ!? どこで売ってるの!?」
【アンスマー】「ミートスパゲッティはいいぞぉ」
【クランド】「あえてのキーマカレーとか?」
etcetc...
あー、ミートソースは全然思いついてなかったなあ。今度作ろう。
キーマカレー、ロールキャベツ、肉詰めも良さそうだけどピーマンがないな……
「ミンサーは本土から購入したもので、マスターシェフさんのおかげです」
その他にもいろいろと購入したことを話していると、ログインしたミオンがやってきた。
「ただいまです」
「おかえり。じゃ、始めようか」
「はぃ」
ってことで、俺はハンバーグとさんが焼きのタネを持って移動。
ミオンには付け合わせの野菜を持ってきてもらう。こっちはもう下ごしらえが済んでいるやつ。
裏庭の一角、台所の裏手になるんだけど、石畳が敷いてある場所に石窯を設置してあって、エルさんが火力の調節をしてくれていた。
「お待たせしました」
「いや、ちょうど良かった」
石窯の上に敷かれている鉄板は、ほどよく加熱されていてタネが置かれるのを待っている状態。
オリーブオイルを軽く垂らして、まずはハンバーグから……
ジュワッ!
【レーメンスキー】「音がもうやばい!」
【ビネコ】「あ〜、ハンバーグの音〜〜」
【デイトロン】「<ハンバーグ代!:5,000円>」
【ワショー】「目玉焼きのせよう!」
etcetc...
「ああ、目玉焼き!」
いいアイデアをもらったのでさっそく。
シャルにお願いして、卵を持ってきてもらい、それを鉄板のすみっこで焼く。
もう一つの石窯では、ミオンとエルさんが付け合わせの野菜を焼いてくれている。レグコーンを焼いた物はスウィーやラズたちにとってはメインディッシュかな。
「じゃ、順番に」
「はーい!」
最初は白竜姫様の分。目玉焼きを乗せてある特別なやつを。
そのままミオンの方へ行って、付け合わせも盛り付けてから持って行ってもらう。
人数が多いのでどんどんと焼いていかないとだけど、ライブ中だからちゃんと説明もしないと。
「ソースも本土から送ってもらったウスターソースを元に作ってます」
ライコス(トマト)をメインに、ケーパ(タマネギ)、グレイプルビネガー、空砂糖に塩胡椒とビリーフ(ローリエ)でケチャップを作った。
そのケチャップとウスターソース、マヨネーズで作ったハンバーグソース。
うちでいつも作ってるのと同じ配合で作ったんだけど、味見してくれたミオンも美味しいと言ってくれたので大丈夫のはず。
【ミナミルゲ】「レシピプリーズ!」
【ジャズゥ】「ヤバそうなソースの予感……」
【マスターシェフ】「素晴らしい!」
【マツダイラ】「ケチャップの方も欲しいな……」
etcetc...
売り出すのはどうかなあ。
保存箱をそれに使うのはもったいないし、やっぱりしっかり密閉できる容器が欲しいところだけど。
そんな話をしてるうちに、全員分のハンバーグとさんが焼きが完成。思ったより時間かかっちゃったけど、今日はのんびりでいいよな。
「じゃ、いただきます」
「いただきます」「いただきま〜す!」










