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もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~(旧題:Iris Revolution Online)  作者: 紀美野ねこ
以芸会友

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第602話 攻略準備完了!

「建築スキルについては本土のプレイヤーも頭を悩ませておるの」


 夕食後のデザートタイムに美姫に聞いてみたんだけど、本土プレイヤーも大工の上位スキルとみられている建築スキルは取れてないらしい。

 俺が今、大工スキルが上限突破済みで、土木スキルはレベル9。蒼月の指輪があってレベルMAXに到達はしてる。


「土木スキルが上限突破してる人っていないの?」


「断定はできんが、おらんのではないか?」


 前提スキルも上げとかないと取れないし、それも応用魔法学<地>だもんな。

 というか、


「土木スキルにプラス補正がある物って、俺が持ってる蒼月の指輪しかないのか」


「うむ。兄上の島がエンドコンテンツである証左よの」


「えー……、蒼月の指輪ってワールドユニークなアイテムだったりするのか?」


 あの指輪を持ってたのは、テオなんとかって名前の常務理事だった人のはず。詳しいことはわからないけど、


「いや、理事って複数いたりするよな」


「一般的な団体においては、代表理事、専務理事、常務理事の順よの。代表と専務は一人であることが多いが、常務理事は数名いてもおかしくはないの」


 美姫曰く、さらに何もついてない理事がいて、その役職ぐらいまで『蒼月の指輪』を持ってたんじゃないかと。

 古代遺跡の強力な管理権限を持つ人間が、世界に一人だけってのはありえないだろうと。


「死霊都市のインスタンスを最下層までクリアできれば、手に入るのではないかと思っておる。場所的にも因縁がありそうゆえの」


 確かに厄災で逃げ遅れた理事アンデッドがボスでいそう……

 じゃあ、今後、他の人が蒼月の指輪をゲットする可能性がありそうだし、ワールドユニークってこともないか。


「性能的にもベル部長が欲しがりそうだけど探さないのか?」


「ベル殿は蒼星の指輪で問題ないと言っておったぞ」


「え?」


「現時点で何かしら上限突破したとしても、上位スキルを取るためのSPが足らんという話をしたであろうに」


 うん、そうだった……


 ………

 ……

 …


 バーチャル部室でミオンとベル部長にも話してからログイン。

 さっそくと行きたいところだけど、ルピたちを待たせてるのでそっちが優先。


「ショウ君は先に。私はパーン君たちを呼んできますね」


「ごめん。お願い」


 白竜姫様はお昼寝中ということで、エルさんはお留守番。

 エメラルディアさんは南の島からまだ戻ってきてないけど、そろそろ帰ってくるんじゃないかってところ。


「よっと」


「ワフ!」


 転移魔法陣をくぐると建てかけの休憩場所の中。

 ルピが飛び込んできたのをキャッチして、魔法陣の外へ出る。


「ブルルン」「ニャ!」


「リゲルもシャルたちも留守番ありがとうな」


 残ってくれてたのは、ルピ、レダ、ロイ、リゲルとシャルたち。

 留守番中、特に何かあったわけではなさそうだけど……


「ニャニャ」


「ん?」


 シャルに導かれるままについていくと、余った石瓦を積んである上に、凍ったホガニーブルの肉の塊が置かれていた。


「おお、すごい! また狩ってくれたの?」


「ワフ!」「ブルルン」「ニャ!」


 ホガニーブルならルピとリゲルで倒せてたし、解体はシャルたちがやってくれたんだろうけど……


「凍らせるのって誰のアイデア?」


「ニャニャ」


「あー、エルさんに教わってたのか」


 普段、俺がいない時の狩りで解体したフォレビットやグレイディアの肉は、リゲルが冷やして運んでくれてたと。


「すごいすごい。ありがとうな」


 改めてルピたちみんなを撫でる。

 ルピたちにジャーキー、リゲルにはキャロッタ、シャルたちには煮干しのご褒美をプレゼント。


『ショウ君。エメラルディアさんが帰られたので、荷物を整理した後に一緒に行きますね』


「りょ」


 肉はインベントリにいったん収納。

 ルピたちをモフり、リゲルのブラッシングをして待つことしばし。


「お待たせしました」「ぁぃ」


「リュ〜」「「「リュ〜」」」


 ミオンとエメラルディアさん、そしてパーンたちが現れた。


「ショウ君、これを」


「ん?」


 ミオンから渡されたのはくすんだ紙。納品書だそうで、今回受け取った物の一覧と未納分の調理器具は制作中なので後日またと補足が入っている。

 上から順に見ていくと、ウスターソースや中濃ソース、欲しかったカラシーナもあるし、


「ミンサーにパスタマシンもある。これでパスタ作れるし、ハンバーグとかも作りやすくなるなあ」


 ホイッパーやスライサー、ペッパーミルなんかも。

 それ以外にもよくわからない名前が。ミートハンマーって肉を叩くやつだっけ? チェリーストレーナーってなんだったっけ?


「受け取った品は、いったんお台所に置いてもらいました」


 持ってきてくれた調味料はミオンが保存庫へ、調理器具はエメラルディアさんがキッチンへ運んでくれたそうだ。


「さんきゅ。エメラルディアさんもありがとうございます」


「ぁぃぁぃ」


 さっそく見にいきたいところだけど、まずはこっちを完成させないとだよな。

 1時間ほど頑張れば終わりそうだし、俺も手伝うことにしよう。


 ………

 ……

 …


「よし、完成!」


「リュ〜!」「「「リュ〜!」」」


 床と壁を張って、扉をつけてひとまず完成。

 まんま小屋にはしたくなくて、扉は両開きで全開放するガレージっぽい感じにしてみた。

 中に置くのは転移魔法陣と翡翠の女神像。あとは戦利品の一時保管とか?


「おつかれさまです。これで完成ですか?」


「いったんね」


 窓つけなかったから、扉閉めると真っ暗なんだよな。

 ああ、魔導常夜灯が余ってたから、1つ持ってきて置きっぱなしにするか。


「もう少し時間がありますけど、どうしましょう?」


「今日は帰るよ。送ってもらった調味料とか調理器具とか見たいし」


「はぃ」


 明日はみんなにハンバーグとか作ることにしよう。ひき肉が簡単に作れるならキーマカレーとかもありだよなあ。で、夜には北の森に入ってみるか。

 次のライブは、ミオンのアルバム発売日になるし、そのあとでもいいか。



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― 新着の感想 ―
制作中? 製作中? 意味合い的には後者な気がするけど明確に誤字とは言いにくい・・・ 女神像設定はライブ配信かな。
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