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もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~(旧題:Iris Revolution Online)  作者: 紀美野ねこ
以芸会友

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第595話 マスターシェフにおまかせコース

火曜日

「ぁ、お手紙が来てるみたいですよ」


「マスターシェフさんかな? 早いなあ」


 放課後、部活のIRO。

 ミオンはおやつの準備をしてくれるそうなので、そっちは任せて転送箱を確認。

 今日はマスターシェフさんの手紙だけかな。


「調味料は安いのかな、これ。調理器具は普通? あー、でも、変わった調理器具は高めなのかな……」


 ソースの類は中瓶サイズで大銅貨1枚、1,000アイリスぐらい。計算やおつりが面倒にならないように、スーパーみたいな端数はないっぽい。

 ごく普通の鍋や包丁は大銅貨(5〜6,000)数枚(アイリス)程度だけど、ミンサー、パスタマシンなんかのプレイヤーじゃないと作れないものは銀貨(5〜60,000)数枚(アイリス)。下手すると(100,000)(アイリス)が必要になる物も。


「でも、お金は余ってるんだよな……」


 ミオンが管理してくれてるけど、金貨が100枚(1,000万アイリス)以上あったはず。

 予備もあったほうがいいだろうし、トゥルーたち、ガジュたちに渡す分も含めて買っておいた方がいいかな。


「ワフ」「〜〜〜♪」


「うん、行くよ」


 おやつの準備が整ったようなので、手紙をしまってリビングへと移動。

 すでにミオンも白竜姫様も座っていて、エルさんがカニーナ(ローズヒップ)ティーを淹れてくれていた。


「じゃ、いただきます」


「いただきます」「いただきま〜す」「〜〜〜♪」


 オーカーナッツ入りのクッキーを食べつつ、ミオンにさっきの手紙の内容を話す。

 普通に俺が作れそうな調理道具はいいんだけど、ミンサーとかパスタマシンは複数買おうかなと。


「いいと思います。お金はたくさんありますし」


「だよね」


 マスターシェフさんの手紙にも、普通にお金を使って買って欲しいって書いてあったんだよな。

 島の産物と交換したい人が増えると、お金が溜まるばっかりになるんじゃないかって心配してくれてるようで。


「それでも使い切るのは大変ですけど……」


「うん。他にもお金を使う方法を考えないとだよなあ」


 値段の高い物ってなんだろう? やっぱり魔導具とか?

 でも、今、魔導具持ってる人が売りに出したりはしないよなあ……


「スウィーちゃんやアルテナちゃんは何か思いつきませんか?」


「〜〜〜……」「う〜ん」


 ミオンの問いかけに考え込んでいた二人だったけど、


「甘いお菓子〜」


「〜〜〜♪」


「いいけど、食べきれない量になるよ?」


 その答えに「うへへ」という顔つきになるスウィー。

 何を考えてるか想像できるけど、その甘い物を作らないといけないのは俺とミオンなので、ほどほどにして欲しい。


「エルさんは何かありませんか?」


「高価なものというと、貴金属が定番だが……」


「うーん、魔銀(ミスリル)はうちで掘れるから、あとは……宝石とか?」


 ミオンの方を見ても、胸元にあるオパールに手を添えて、ふるふると首を横に。これで十分ってことだろう。


「スウィーたちは? あと、クロ、ラケ、アトたちはどうかな?」


「〜〜〜♪」


 めちゃくちゃ欲しいわけじゃないけど、あったら嬉しいって感じかな。

 まあ、そういうことなら、小さいのを適当に見繕ってもらうのもありか。


「アクセサリー用の貴金属や宝石をお任せでって頼んじゃっていいものかな?」


「いいんじゃないでしょうか。お料理以外のことでも、マスターシェフさんに伝手があると書いてらっしゃいましたし」


 そう言えば確かに書いてあったっけ。

 それなら、ある程度の予算額がいくらかを伝えて、その範囲内で買ってもらうとかの方がやりやすいかな?


「いくらぐらいにしよう? 今ってお金どれくらいあるんだっけ?」


「3000万アイリスと少しです」


「じゃ、1000万ぐらい使っちゃおうか。緑金のインゴットが1本500万とかだったし」


「いいと思います」


 調味料や調理器具も込みで、1000万に収まるようにかな。

 すごい量になりそうな気がしなくもないけど、大型転送室はまだまだスペースがあるし、調味料とかはトゥルーやクロたちに配っちゃえばすぐだよな。


「〜〜〜?」


「おけおけ。返事は夜にするから、そろそろ行こうか」


 アームラ(マンゴー)の実をもらいに行って、ついでに、ガジュに問題が起きてないか聞いてこよう。


 ………

 ……

 …


「ガジュ」


「ジュ〜♪」


 時間も少ないので南の島へ来たのは、俺、ミオン、ルピ、スウィーの4人。


「その後どんな感じ?」


「ジュジュ!」


 昨日、一緒にいったプレイヤーさんとキジムナーたちがペアで森の散策に出てるらしい。

 今のところは人数も少ないので、森の中ほどまでを探索してるけど、レーシーには出会ってないとのこと。

 ただ、ベル部長やセスの話だと、開放したエリアでも劣化版ボスみたいなのが定期的にわくらしいし。


「改めてだけど、気をつけるように言っておいてね」


「ジュ!」


 キジムナーたちをちゃんとパーティに加えるよう、ナットたちにもお願いしてあるから大丈夫だろうけど。


「じゃ、ミオン、お願い」


「はぃ」


 ガジュの分だけだったスカーフをみんなに配ってもらう。

 スカーフを手渡すときに、ミオンが気をつけるように言ってくれてるし、無茶なことはしないだろう。

 それにしても、スカーフを受け取るたびにアームラやアレケスの実を渡してくれるキジムナーたち。

 ちょうど欲しかったからいいんだけど、スウィーの顔がどんどんだらしなくなっていって……



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― 新着の感想 ―
1000万円相当の福袋公開配信とか面白そう。 詰めたマスターシェフさんの胃が大変なことになるけど・・・
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