表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~(旧題:Iris Revolution Online)  作者: 紀美野ねこ
以芸会友

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

663/683

第591話 迷いの森に潜むもの

 よくよく見ると、ファンタジーにあるトレントとは違って人っぽい。

 樹木に擬態した巨人? 瘴気のせいなのか、そいつの周りの空間が歪んでるし、とにかく変だ。

 これ、ミオンからもらったスカーフがないと、気分悪くなってたかも?


「ルピは見える?」


「ワフ」


 じっと、そいつから目をそらさずにいるルピ。

 ただ、こっちには気づいてないのか、ゆらりゆらりと森の奥へと歩いていく。


『ぁの、何が見えてるんですか?』


「え?」


 配信を通したミオンには見えてない?

 他の人たちはどうなんだろうと振り向くと、キジムナーたちはわかってるのか、石槍を構えてるのに対し、ナットたちは……何があったのかわかってない様子。


「いったん戻ろう」


「ワフ」「ジュ」


 見失っちゃうけど、俺たちだけで追いかけるのもまずいよな。

 キジムナーたちには見えてるっぽいのと、その近くにいれば認識できそうなことをナットに伝える。


「じゃ、キジムナーに一人ずつ付いてもらえりゃいいんじゃね?」


「だよな。一人じゃ不安だろうし、ケット・シーとペアでかな?」


「わかった。うちにもモグがいるし、妖精たちで固まってる方がいいな」


「グー」


 任せろと胸を叩くモグ君。

 ガジュとシャルに説明して、それぞれのパーティにキジムナーとケット・シーが一人ずついるようにしてもらう。


「で、そのヤバいのはトレントか?」


「うーん、違う気がするんだよな。木っていうよりは人っぽかったし……」


 とにかく、もっと近づいてみないとわからないってことで前進再開。ルピとガジュを連れた俺が先頭を進む。

 他のパーティも斥候メインの人がキジムナーとケット・シーを連れて先頭に立ってもらっている。何かあったら声をあげて集まる手はず。

 あと、リゲルにはその目印になってもらい、レダとロイにサポートをお願いした。


「こっちだったよね?」


「ワフン」「ジュジュ」


 さっきの巨人がいたあたりまで来たんだけど……どこいったんだ? 歩くスピードはかなりゆっくりだったのに……

 ナットたちの方も特に異常なしっぽいし。


「ジュジュ!」


「ん? あれ? こっちか」


 さっきのやつのせいで、微妙に進む方向を間違えてたっぽい?

 俺が進む方向を、まわりのプレイヤーさんたちにも確認してもらって、同じ方向へと進んでもらう。

 しばらく進んだところで……


「ジュ!」「いたぞ!」


 右側の端近くにいたプレイヤーさんから声があがり、みんながそっちへと駆け寄る。


「あいつですよね!?」


「ええ、あいつです」


 改めて見ると、やっぱり瘴気の周りが歪んでいて気味が悪い。

 これ、催眠術みたいなものを仕掛けられてたりするのかな?


「ショウ、どうする?」


「近寄ってモンスターかどうか確認だな。ネームプレートが見えるところまでは行きたい」


 ネームプレートが赤ならモンスターだし、倒したほうがいいだろう。いや、というかそもそも、


「ガジュ。あいつって悪いやつだよな?」


「ジュ!」


 うん。ガジュもあいつはダメだって言ってるし、隣のシャルも頷いている。


「一人で行くか?」


「いや、見間違いは避けたいし、みんなで行こう。この人数なら戦闘になってもいける……よな?」


「おう、任せとけ」


 ナットからそれぞれのパーティリーダーに説明してもらってる間、ガジュにはあいつを見張っててもらい、俺とルピ、シャルで作戦会議。

 今回は他のプレイヤーさんたちもいるし、光の精霊での目潰しもダメだし、隠密もちょっと使いづらい。戦闘は任せちゃって、フォローに回ることを優先しよう。

 あ、精霊の加護つけるの忘れてた。翡翠の女神の使徒の加護があるから、つけないともったいないよな。


「こっちは準備オッケーだ。モンスターなのが確認できたら行くぞ?」


「おっけ」


 ナットが右手を上げて前へ。それに従って、全員があいつへと近づいていく。

 こちらに気づいていないのか、無視しているのか、ゆっくりと歩いている奴に徐々に近づいていくと……


「敵だな。行くぞ!」


 ネームプレートは赤。名前はウィザーレーシー。

 鑑定はまだできない距離だけど、ナットを先頭に近接攻撃のファイターたちが突っ込んでいく。

 それぞれに、自分たちのパーティメンバーから神聖魔法の加護をもらってるっぽい。


「グオオォォ……」


 ゆっくりと振り向いたそいつが、木の枝のような腕を振り上げると、イバラの蔓が地面から生えて、ナットたちの足元に絡みつく。


「シャル!」


「ニャ!」「「「ニャニャ!」」」


 シャルたちケット・シーが駆け寄って、声掛けしてから絡んだ蔓を切っていく。


「ワフ?」


「ごめん、もう少し待ってて。これだけ騒いでたら、きっと……」


「ジュジュ!」


 ガジュが声を上げて左前方を指差す。

 その方向から、かなりの数のコボルトたちが現れて、左側にいたプレイヤーたちへと襲い掛かった。


「ガジュ! ルピ! レダとロイもあっちの援護お願い!」


「ジュ!」「ワフ!」「「バウ!」」


 フォローを任せ、俺はやや苦戦してるナットたちの方へ近づく。

 後ろから見ている感じ、いばらの蔓はなんとかなったみたいだけど、やつの腕や足から伸びてきた蔦の攻撃が多彩で苦戦してる様子。


「キツいか!?」


「ああ! ちょっと! 近寄れねえな!」


 両手剣を器用に振り回して、襲い掛かってくる蔦を切り払うナット。

 持久戦に持ち込むとこっちが不利な気がするし……


「リゲル!」


「ブルルン!」


 待ってましたと駆けてきたリゲルに飛び乗り、一気にナットの前へと出た。


「思いっ切りやっていいよ!」


「ヒヒーン!!」


 大きく前足を振り上げ、さらに軽くジャンプして地面に叩きつけると、ウィザーレーシーの足元から大きな氷の塊が生えて、奴を空中へと突き上げた。

 さすがに突き上げられると蔦の制御もできないようで、無軌道に暴れながら墜落する。


「今だ! 行け!」


「「「うおおっ!!」」」


 ナットたちが横を通り過ぎ、ここぞとばかりに突っ込んでいく。

 なんか、斧を持ってる人がクリティカルヒットしてるみたいだし、あとは任せちゃって大丈夫かな?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~ もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ2 ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~ もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ3 ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~ もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ4 ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~ もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ5 ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~ もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ6 ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~

― 新着の感想 ―
斧w 植物属性に対して特効とかありそう
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ