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もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~(旧題:Iris Revolution Online)  作者: 紀美野ねこ
以芸会友

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第587話 迷いの森の攻略法?

 リーパさんや他の人たちからもいろいろと話を聞いたナットたちが、コテージ群の方へと戻ってきた。

 コテージのいくつかは店舗としても使われていて、どこも賑わっている様子。

 アレケス(ココナッツ)ジュースを買って、そのまま北側へと足を向ける。

 しばらく歩いて北端に到達。崖になっている北岸だけど、下に降りると砂浜があるらしい。


『ここっぽいな』


 ちょっと急な感じの坂を下りていく三人。

 ナットがさらっとポリーやモグ君に手を貸してるあたり、もうなんだよお前らって感じなんだけど……


『グ〜!』


 波打ち際で遊び始めるモグ君を眺めつつ、砂浜に腰を下ろす二人。

 狭い砂浜の端の方で何かを探してる人たちがいるけど、ちょっとした穴場スポットって感じなのかな?


「あっちの人たちって何探してるんだ?」


『エビとかカニがいるって聞いたぞ』


「マジか。うちの島で捕れるのとは違うんだろうな」


『南国のやつっぽいぜ』


 砂浜ではあるけど、すぐ先で結構深くなってるそうで、素潜りにチャレンジした人もいるらしい。潜水スキルがあれば、結構長く潜れるもんなあ。


『で、ショウはどう思う? 何か心当たりあるんじゃねーの?』


「あー……、さっきの森に入ると迷うってやつだよな」


 多分だけど、真贋スキルがあれば迷わない気がしてる。で、現状で真贋スキルあるのって俺ぐらいか?

 ベル部長とセスもアズールさんから蒼竜の鱗飾をもらってるけど、前提となる鑑定の上限突破は出来てないはず。


『えー、俺なんか鑑定は5のままだぜ?』


『それが迷わない条件なら、かなり厳しいわね』


 と苦笑いの二人なんだけど、


「ぁの、ガジュ君たちならわかったりしませんか?」


「あー、キジムナーの目ならってことか!」


 コボルトとやり合うなら自分たちもって意気込んでたのはそのせい?

 ガジュたちと一緒じゃないと先に進みづらいっていうのは、ギミックとしてもありそうだし。


「てか、誰かキジムナーと一緒に森に行った人いないの?」


『いや、危なそうだしやんねーだろ。この島に来れるような人らだし』


『私だって反対するわよ』


 うっ、そりゃそうか。

 でも、前にガジュと話した時もやる気まんまんだったんだよな。


「うーん、ガジュたちから誘ったりしてないのかな?」


「それは……、ショウ君の許可がないと誘ったりしないと思いますけど……」


「え?」


 ミオン曰く、ガジュたちキジムナーはうちの島民だから、島主である俺の許可が必要なんじゃないかっていう……


『ありそうだな』『ありそうね』


「マジかー。一度、ガジュに聞きに行って、もしそうならオッケーしておかないとだよな」


『いやいや、ショウが一緒に行けばいいじゃん』


『そうよね。いきなり人任せにするのも良くないわよ?』


 とナット。ポリーが反対するのかなと思ったんだけど、めちゃくちゃ正論を言われて確かにそうだよなと。


『それに離島間で物資のやり取りをするって話をしてたけど、それを実現するためにも一度は顔を見せないとダメじゃないの?』


『俺もそう思うぜ。今後のことを考えたら、ショウはこの島には顔を出すぐらいがちょうどいいんじゃね?』


 そりゃそうだよな。

 そういう意味では、その会合はこの南の島でやるって決めた方がいいのか……


「ミオンはどう思う?」


「いいと思います。でも、私は……」


「あー、うん。配信を見ててくれたほうがいいかな?」


『だな』『そうよね』


 ナットとポリーも納得の様子。

 まあ、ミオンは島から出るつもりはないだろうし、出たら出たで大騒ぎになるだろうからなあ。


『当然、俺も参加するぞ!』


「わかったわかった。じゃ、いつにする? 来週の日曜とか?」


『明日でいいだろ。ちょうど祝日だし、昼にするか夜にするかは任せるぜ』


 と即断即決なナット。でも、待ってて何があるってわけでもないからいいか。

 時間が掛かるかもだし昼からの方がいいかな? このあとガジュのところに行って聞いてみよ。


 ………

 ……

 …


「ジュ〜」


「ワフ〜」「〜〜〜♪」


 二人の配信を見終わってからすぐログイン。スウィーにお願いして、神樹経由で南の島へと来た。

 ミオンは白竜姫様たちとお留守番。裏庭のお手入れをしたり、おやつを作ったりするとのこと。

 まあ、何かあったらギルド通話で連絡すればいいよな。


「これ、お土産」


「ジュジュ?」


 持ってきたのはカニーナ(ローズヒップ)を乾燥させたもの。

 キジムナーたちはアレケス(ココナッツ)ジュースをよく飲んでるけど、スウィー曰く、ローズヒップも全然オッケーって話なので。


「ちょっと酸っぱくて美味しいお茶になるから、淹れ方を教えるよ」


「ジュジュ〜♪」


 神樹を離れて里の奥へと。

 川沿いに並ぶ幸蓉樹の近くにくると、キジムナーたちが嬉しそうに出迎えてくれた。


「「「ジュ〜♪」」」


「うん、うん」


 入れ替わり立ち替わり挨拶にくるキジムナーたちと握手。

 集まった子たちにカニーナティーの淹れ方を教えて一緒に実践。


「熱いから気をつけてね」


 最初はガジュからってことで一口……


「ジュジュ!」


 ちょっと酸っぱいのが初めての味だったみたいだけど、美味しいと言ってくれて良かった。

 せっかくなので、魔法で冷やした冷たいのも飲んでもらおう。多分、そっちの方がガジュたちは好きかもしれない。


「あとこれ、みんなで食べてね」


「ジュジュ〜」


 ミオンとエルさんが作ってるクッキーもお裾分け。で、落ち着いたところで、本題に入らないと。


「ガジュ。コボルトがいる森のことなんだけど……」


「ジュ?」


 途中で迷っちゃうって話をすると、うんうんと頷いてから、身振り手振りで説明してくれた。

 なんか、悪霊みたいなのが住んでいて、そいつのせいで迷うらしい……


「ジュジュ」


「うん、やっぱりそうだよね」


 自分たちがいれば、迷うことはないから任せろと。

 ただまあ、キジムナーたちだけだと、その悪霊とコボルトと両方を相手するのは厳しいとのこと。


「おっけ。じゃ、明日にでも島にいる人たちと行こうと思ってるんだけど、ガジュたち手伝ってくれる?」


「ジュ! ジュジュ?」


「え? こっちにいるケット・シーたちも参加したいって言ってくれてるの?」


 うーん、どうしよう……。戻ってからシャルに相談かな。

 騎士団長だったって話だし、どっちにしても、一度シャルと顔合わせした方がいい気がするもんな。



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