表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~(旧題:Iris Revolution Online)  作者: 紀美野ねこ
虚実交錯

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

552/683

第492話 滞在準備は念入りに

「どう? 苦しいとか気持ち悪いとかない?」


「ブルルン♪」


 リゲルに馬具を一通り装着してもらって、違和感がないかを確認中。

 轡って金属を噛ませることになるので心配だったけど、どうやら大丈夫っぽい。

 昼のうちに作った轡と鐙には奮発して魔銀(ミスリル)を使ったので、それぞれに乗馬スキル+1がついた。

 鞍はアーマーベアの革で作ったんだけど、こっちは高品質ってだけで補正はなし。やっぱりレッドアーマーベアになってないとなのかな。

 凝りすぎてそっちに時間全部使っちゃったのは、ちょっと失敗……


「じゃ、乗ってみるよ」


「はぃ」


 鐙に足をかけて、ぐっと体を引き上げる。

 またがった先にある、反対側の鐙につま先を乗せて、


「うん、良さそう」


「ワフン」


「ニャ」


 ルピが合図し、シャルが周りにいたケット・シーたちに距離を取るように促す。

 最初はちょっと手加減して欲しいところなんだけど。


「軽く走ってくるよ」


「は、はぃ」


 教会の前を出て、下り坂を軽やかに並足で、ルピが楽しそうに並走中。

 坂を下り切ったところから、次第に速度を上げていくんだけど……かなり怖い。


「リゲル、それぐらいにして」


 手綱はあんまり強く扱いたくはないので軽く。それでも自転車以上のスピードで走ってる感じだよな。

 屋敷の前を通り過ぎたところで減速。Uターンし教会へと戻る。今度はゆっくりとでお願いした。


【乗馬スキルのレベルが上がりました!】


 乗馬スキルが3に。補正を入れたら5か。

 ルピたちの散歩の時にでも乗って、まずは5まで上げたいところ。


「ただいま」


「ショウ君。かっこいいです!」


「そ、そう? ちょっとは様になってきたのかな? リゲルのおかげもあるけど」


 少し色の濃いたてがみを撫でてから降りると、シャルたちが馬具を取り外してくれた。


「ありがとう。助かるよ」


「ニャ」


 なんか、シャルたちケット・シーとは相性がいいっぽい。

 普段はおとなしいって話だし、畑の野菜に手を出したりもしないので、繋がずに自由にさせている。

 パーンたちが野菜をあげたり、たまにグレイプルをつまみ食いしてるっぽいけど、それぐらいなら全然。


『ショウ君、今、大丈夫? そろそろそっちに着きそうなんだけど』


「はい。大丈夫です。今から迎えに行きます」


『あ、今日は地下の方じゃなくて、飛んで向かってるから』


 大型転送室を使って運んでくるのかなと思ってたけど、どうやらアズールさん自身で空輸中らしい。

 直接、屋敷の前に降りるって話なので、


「シャル、ごめん。あとよろしく」


「ニャ」


 リゲルのことはシャルたちに任せて屋敷へと。

 飛んでくる方向としては北東? 東北東? 確かそれぐらいだったと思うので……


「ぁ」


「お、あれかー……ってアージェンタさんもいるし」


 しかも、竜籠抱えてるっぽい。シャルたちを運んで来たやつだよな。乗ってるのは白竜姫様とエルさんかな?

 まずはアズールさんがすーっと降りてきて、最後はゆっくり慎重に着地し、ピアノが入ってるだろう大きな木箱をそっと置く。

 次にアージェンタさんが同じように降りて竜籠をそっと置くと、すぐに扉が開いてエルさんが降りてきた。ということは、


「おやつー!」


 白竜姫様が降りてきて、ミオンへと抱きつく。

 それを見てる間に、アージェンタさんもアズールさんも人の姿になっていた。


「姫様」


「あ、こんにちは!」


「はぃ、こんにちは」


 白竜姫様とエルさんはミオンに任せておけばいいかな。

 俺はその間に、


「すいません。大きなもの運んでもらって」


「いえいえ。今日はまた、お姫様(ひいさま)がどうしても行きたいと言いまして……」


「ま、ここに来れば美味しいもの食べられるもんねー」


 アズールさんらしい気安い言葉に苦笑いするしかないアージェンタさん。

 料理やおやつはいくらでも用意できるし、むしろ、その程度でいろいろとフォローしてもらってる方が申し訳ないというか……


「まずはピアノを運びましょう」


「あ、はい。えっと、箱を開けないと無理かな?」


「うん。ちょっと待ってねー」


 この大きな木箱、ピアノの修理をしてくれた人から、輸送中に傷つかないようにって話で作られたものらしい。

 アズールさんがその箱の側面を開けると、中にはしっかりとした枠があり、その中に綺麗な布に包まれたピアノが見えた。


「どう運ぶかは聞いてきたから、ショウ君は扉をお願い」


「はい」


 輸送の方法まで教わったらしく、アズールさんとアージェンタさんで運んでくれるというので……俺ができるのは扉を開けておくことぐらいだよな。


 ………

 ……

 …


 無事、リビングにピアノが戻ってきた。

 で、当然というか、ミオンに確認してもらう。


「どう? 問題なさそう?」


「はぃ。完璧だと思います」


 あれこれと音を鳴らし、どうやら大丈夫らしい。

 さっそくとミオンが簡単な曲を弾いてくれるんだけど……、どこかで聞いたことありそうだけど、曲名はさっぱり。


「すごいすごい〜!」「〜〜〜♪」


 白竜姫様とスウィーがすっごく喜んでるし、また後で聞かせてもらおう。

 それはいいとして、


「えっと、白竜姫様の滞在なんですが、当面はこの屋敷の食堂を綺麗に整える感じでいいですか?」


「はい、ありがとうございます」


 来週中には準備できそうなことを伝え、


「さすがに一部屋ってわけにもいかないでしょうし、お二人が来ても大丈夫なように他の部屋も整えておきます」


「え? いいの?」


「せっかくですし」


 豪華な調度品を用意はできないので、そこはシンプルな物になることを伝えておく。


「必要な家具の要望があれば、早めに言っておいてもらえると。できるできないの話もあると思うんで」


「そのあたりは私が」


 とエルさん。

 実際、俺らが不在時のあれやこれやをやるのはエルさんだもんな。

 何が必要かはミオンと相談してもらうことにしよう。


「そういえば、エルさんは料理とかできますよね?」


「いや、正直、あまり得意ではない……」


 ああ、確かに椿さんと同じタイプっぽい。

 そういうことなら、ミオンと一緒に頑張ってもらう感じかな。

 あとは魔導保存箱、大きめのを用意してもらった方がいいよな。白竜姫様、たくさん食べるだろうし……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~ もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ2 ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~ もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ3 ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~ もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ4 ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~ もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ5 ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~ もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ6 ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~

― 新着の感想 ―
[一言] >昼のうちに作った轡と鐙には奮発して魔銀を使ったので、それぞれに乗馬スキル+1がついた。 轡や鐙を装備しているのはリゲルなので、乗馬スキルがプラスされるのって乗っているショウ君ではなくリゲル…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ