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もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~(旧題:Iris Revolution Online)  作者: 紀美野ねこ
虚実交錯

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第486話 ティル・ナ・ノーグ本稼働?

木曜日

「って感じでした」


『……』


 木曜の昼下がり。

 ミオンと一緒に屋敷裏で庭の手入れをしている。


「部長?」


「フリーズしちゃったかな……」


 大型魔導船に関しては、竜族が大事に保管するということで落ち着いた。

 もし、今後、人の手に(プレイヤーの手に)渡ることになった場合でも、うちの島へは近寄らないようにしようということも。


 それで思い出したんだけど、


「うちの島の東側にある灯台って、やっぱり大型魔導船と関係するんですかね?」


「だと思う〜。僕の見立てでは、あの灯台は空間系の魔法を使って、安全な航路に導く役割とかも持ってそうなんだよね〜」


「大型魔導船ですが、運航は少人数でも可能だったという記録があります。おそらく、アズールのいうような安全な航路を自動で航行する機能があったのではと」


 とアズールさん、アージェンタさん。

 そりゃそうだよな。ゲーム的に考えても、運航するのに二桁人員は必須とかだと大変だろうし。


 まあ、そんな話もあったわけで、


『……もっと先のアップデート、おそらくは普通に外洋航海ができるような船をプレイヤーが運用し始めた後のものかしらね』


 あ、ベル部長、復活したっぽい。


「だと思います。白竜姫様の『俺に渡すな』も、ある意味、運営からのメッセージなのかなと」


「なるほどです」


『ショウ君がいろんなところを逆走してるからかしらね。そういえば、魔導機密箱にあった書類は読んでみたの?』


「あ、読んでないっす。まあ、だいたいわかったからいいかなって」


 なので、屋敷の蔵に放り込んだ。

 箱自体の価値は高いっぽいけど、そもそも南の島全体が機密みたいなもんだし。


『了解よ。私はこの話は伏せたままにしておくのがいいと思うのだけれど、セスちゃんには相談したのかしら?』


「話しましたけど、ベル部長と同意見でした」


 なんか、ほどほどにせんと運営が病むぞとか言われて、それって俺のせいなのか? ってなったけど。


『そうよね。で、もう一つの件はどうするのかしら?』


「オッケーしましたよ。ただ、すぐに専用の屋敷を建てるのは無理なんで、今の屋敷の食堂だったところを使ってもらおうかと」


 ここ最近、南の島がメインになっちゃってて、島の北側を探索できてないし……

 そもそも、白竜姫様がこっちに滞在したいって聞いた時は「いいのか、それ?」って感じだったんだけど、


「お姫様(ひいさま)が快方に向かわれている理由に、ここでいただく食事があります。特に……」


「スウィーたちがくれる妖精の花蜜が特に効果があるみたいなの」


「〜〜〜♪」


 その言葉にえっへんとふんぞりかえるスウィー。

 そういえば、今日のマンゴープリンも妖精の花蜜を使ったっけ。


『食堂を部屋に改装するのね』


「そのつもりですけど、内装をどうするかとかは相談しないとなんですよね」


 アージェンタさんは、質素でいいって言ってくれたけど、だからといってベッドだけあるってのもまずいだろう。


「エルさんも来られますし、ちゃんとしてないとですよね」


「だよね」


 白竜姫様の覚醒は今は30分ぐらいが限界らしい。

 当然、俺たちが不在な時もあるので、エルさんがついていてくれることになった。

 あとはまあ、アージェンタさんたちが来ることもあるし、


「他の使ってない部屋も綺麗にしないとかな」


 食堂、配膳室、使用人室は掃除はしてるけど空っぽのまま。

 食堂を白竜姫様の部屋にして、配膳室だったところをエルさんに。使用人室はアージェンタさん、アズールさん、バーミリオンさんが泊まれる客室にすれば十分だろう。


「いいと思います」


 白竜姫様が懐いちゃってるからか、ミオンはすごい乗り気。

 エルさんともずいぶん仲良くなってたのがちょっと意外だったけど、椿さんに似てるそうで……なるほどと。


『白竜姫様がこっちに来てる間はアージェンタさんが竜族を取りまとめるのかしら?』


「基本そうですね。今までもそうだったみたいですけど、白竜姫様の指示が必要な時は、ギルドカードで連絡することになりました」


 アージェンタさんとバーミリオンさんもギルドメンバーになった。


「そういえば、ギルドって何人まで登録できるんです?」


『ああ、その話を忘れていたわね。ギルドの所属人数は【ギルド運営】スキルを取ることで、そのスキルレベルごとに増えていくわ』


「え?」


 ギルド運営スキルを取ってない場合は10人まで。取ることによって、1レベルで20人までに2レベルで30人と続き、レベルMAXで110人なんじゃないかと言われている。

 言われているというのは、実際にMAXになった人がまだいないかららしく、ベル部長の知り合いでレベル7の人が80人らしい。


「それ以上は無理なんですかね?」


『ギルマスの【ギルド運営】のレベルが上がると、サブマスターを追加できる人数も増えるのよ。そのサブマスターも【ギルド運営】を取れば加算されるそうよ』


「へー……」


 なしでもサブマスターは1人。レベルと同じだけ追加可能なんだとか。

 なので、スキルレベルMAXになれば、ギルマス1人にサブマス11人。サブマスもMAXまで上げれば……1320人でいいのか?


「まあ、うちはそんな規模にはならないだろうけど」


 今のところは、俺がギルマスでミオンがサブマス。アズールさん、エルさん、アージェンタさん、バーミリオンさんで6人か。


『本来はNPCをギルドメンバーに入れると、給与を出したりしないといけないのだけど、ショウ君のところは特殊よね……』


「ははは……」


 そういう意味では、死霊都市のギルド出張所で手伝いをしてくれてる人たちも、本当ならギルドメンバーにするべきなんだろうなあ。

 なんというか、アズールさん、いや、ゲイラさんに任せきりになっちゃってるし、ゲイラさんもどこかのタイミングでギルドメンバーに追加した方がいいのかもな。


「白銀の館はどんな感じなんです?」


『うちはセスちゃんがギルドを設立して、その時の褒賞SPでギルド運営を取ってもらってるわ。そのあと、ユキさんがサブマスとして関連スキルを取ってくれてるの』


 実質的に『白銀の館』を回してるのはユキさんで、ギルド運営、会計、筆記といったスキルを取ってるとのこと。


「すごいです」


「会計はお金の計算が早くなるとか?」


『ええ、そうね。筆記は字を書いたりするのが早くなるし、元素魔法と基礎魔法学が5になれば、複写のアーツを覚えたりするの』


 へー、すげえ便利そう。

 でも、俺たちが使う場面があんまりなさそう?


「ショウ君。私、その3つのスキル取ろうと思います」


「え? いいけど、使う場面ありそう?」


『いいんじゃないかしら。ショウ君のギルドもいつまでも物々交換というわけにもいかないでしょう?』


 確かにそうかも。というか、うちで作ったものを出すと、無駄に争奪戦が始まるし、お金を報酬にした方が無難なんだよな……


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