みみず

　歩くことが好きだけれど

　しばらく体がつらくて

　仕事の帰りに自転車を押す

　そんな時ぐらいしか

　まともに歩くことがなくなっていた

　膝が痛み、頭も痛む中

　久しぶりにふらふらと歩いた

　空には暗い雲

　夏の暑さに吹く風は

　生暖かいながらも

　少し涼しい

　相変わらず人は怖くて

　けれど寂しくもあり

　恐怖に縮こまりながら

　休んでいれば良いのに

　部屋を出たのだった

　ゆっくりと歩くアスファルトの道

　所々に落ち葉があり

　ひび割れがある

　そして干からびて死んでいる

　みみずたち

　雨上がり、あるいは涼しい朝に

　地面から這い出るみみず

　うろうろと這い出て

　やがて出た太陽が照りつける中で干からびて死ぬ

　そんな姿にどこか近しさをおぼえた