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空が遠い
人を傷つけたいと思うことが減った
人と関わることの拙さで
傷つけたくもない人々を傷つけて
なんだか疲れてしまった
歩くことぐらいしか
まともな気晴らしを知らない
膝の痛みを感じながら
独りで夜歩く
星がきれいに見え
アスファルトに落ち葉がぽつぽつとある
夏の夜が好きだけれど
秋が来つつある
公園に着き
足を止めて空を眺める
星が美しい
自分の心は醜い
生きることは傷つけること
そんな側面があるのは確かだ
ただ歩くだけでも
小さな命を脅かしている
星になったよだかと違い
僕は空を飛べない
地面の上に立って
遠い空を見る




