76:2度目の政略的婚約を締結しました〜ベリエット〜
ベリエ視点でお送りします。
ベリエの幸せはどんな形なのでしょうね。
悩みます。
私とルークの婚約が締結された。
お互い2度目、婚約で元々結ばれるはずだった縁が1度離れて再び結ばれた。その間の私達の環境も感情も情勢も目紛しく変わった。ユウちゃんは気にしていたけれど本当に気にしなくていいのにね。私はルークとの婚約が嫌ではない。ルークが望む恋愛感情としての情は持っていないけれどそれでもルークの事は嫌いじゃないから。これで良かったのだと思う。正直なところルークが別の人と婚約して結婚しても祝福は出来るし私がルーク以外と婚約して結婚しても納得して受け入れる事が出来た。色々と考えればその方がいいのだろうけどルークが壊れる事を望むわけじゃないから。
ルークの私基準の思考や行動は危ない。
それを見捨てて他の人と結婚出来る程、私はルークをどうでもいいとは思っていない。ただの自己満足と言われようとも。周りから結局はルークが好きなのだと思われようとも。ランスベルト元殿下を想っていた時は燃え上がる炎のようなものだった。今の私はルークもトホルスもユウちゃんもハルトもニルもマリーも皆同じ陽だまりの暖かな想い。ルークだけが強いわけでも他の皆が弱いわけでもない。
喩えて言うなら同じコップに同じ分量を測って入れた水のように本当に同じ。それも波紋も何もない穏やかな水面を上から見ているような感覚。それが今の私の気持ち。だから今ルークと婚約を締結した気持ちは穏やか。
「これからよろしくねルーク」
「うん。よろしくベリエ」
婚約式と婚姻式の日程調整を話し合い招待客を大まかに確認する。私もルークも元々違う相手との結婚が殆ど決まっていた状況だったから招待客などはそう変わらない。式の流れもそう変わらない。時間がかかるかと思っていた話し合いは意外と早く終わって私たちは顔を見合わせた。お父様と一緒にきたから一緒に帰る方がいいし。もう帰ろうかしら。
「ねぇベリエ」
「なぁに?」
「送って行くから公爵には先に帰ってもらって少し私と話をしないか?」
「分かったわ」
お父様には先に帰ってもらって私はルークと城の庭園をゆっくりと歩く。少し離れたところから護衛や侍女達が後を着いて歩いているのは分かっているから何を話せばいいのやら。
「ベリエ」
「はい」
花々に囲まれた所で急にルークが跪く。私は驚いて目を丸くしながらルークを見続ける。
「私はベリエを愛している。君の気持ちは私に対して友情なのだと知っている。きっと私の気持ちは知っているだろうけどきちんと伝えたかった。……愛している。私と結婚して下さい」
真っ直ぐな目は逸らす事を許してくれない。知っていた事と改めて告げられる事は違う事を思い知る。率直に言うなら嬉しい。
「お受け致します」
でも。
それでも今の私は……ルークの想いとは違う一歩引いた穏やかな想いだけ。
誰とも変わらない波紋も立たない特別が無い穏やかな想いだけ。ルークはそんな私の心に気づいてる。それでもこうして求婚してくれるルークは誠実なのだと思う。
……いつか私はこのルークの誠実さに応えられるのかしら。
お読み頂きありがとうございました。
明日はヒュルトかルークか……。何も考えてないです。結末が見えて来なくて悩みまくりです。更新が滞ったらすみません……
またも思い付いたので今日か明日か明後日辺りに短編を投稿する予定です。
一応宣伝。




