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75:幸せの基準とはなんだろうか

すみません。昨夜色々考えていて執筆まで辿り着けず……。ベリエットの幸せとはなんだろう?とヒュルトユウリと同じ悩みを抱えてました。とりあえずその答えは見えないままですが本日の更新、ヒュルト視点です。なんとか今日の分くらいは書けそうです。

姉ちゃんとルークの婚約が正式に決まった。今世の父上と姉ちゃんで誓約書にサインしたり婚約式の話をしたり婚姻式の時期を決めたり……今日は忙しいらしい。姉ちゃんからルークとの婚約が王命で決まった、と話を聞いてから僅か5日後のことだった。国内の(主にルークに娘を嫁がせたい)貴族連中や国外の王室(こちらは王女を嫁がせるかルークを婿に欲するか)を黙らせる為には早ければ早い方がいい。それは頭では理解している。けれど姉ちゃんの話を聞いて以降俺はこんなに早くしなくてもいいのに、と悩んでいた。ニーナが俺に会いに来て「やっとルークの初恋が叶うのね!」と嬉しそうに笑った。そのニーナの笑顔は俺も心が温まるがそれでも心から嬉しいか? と聞かれたら疑問に思うだろう。


「ヒュルト。嬉しくないの? あ、ベリエが取られると思って悔しい? でもベリエだってルークを好きなんだから「違う」……えっ?」


ニーナがウキウキしながら話す声は俺も嬉しいけれど姉ちゃんの気持ちを勝手に決めて欲しくなくて強い口調でニーナの言葉を止めた。


「悪い。キツイ言い方になった」


深呼吸をしてニーナに謝り俺は姉ちゃんのことを話す。姉ちゃんの推測も含めて。ニーナはみるみるうちに顔色を変えて「確かに」と呟いた。


「……そうね。ベリエの推測通りかもしれない。私はルークと婚約していた。その期間が長かったからベリエ以上にルークを知っていると思うけれど。ルークは私を大切にしてくれたし婚約者として尊重してくれた。義務じゃなくて誠実に向き合ってくれていたわ。それでも。それでもルークの目はベリエを捉えた途端に私は視界から消えたようにベリエだけを見ていた。私はヒュルトが好きだったから別に気にしなかったけれど、これがルークを好きな令嬢だったら相当耐えられないだろうって私も思っていたもの」


「……そう、なのか?」


「私だから気にならなかったのよ。解る? こうしてヒュルトと喋っているわよね? ヒュルトは私を見て話している。それなのに次の瞬間にヒュルトが好きな女性を視界に入れた途端私から視線だけじゃなく顔も身体もその女性に向いたら……ヤダ。そんな想像したくない」


ニーナが目を潤ませるのでドキリとしながら慌てて抱き寄せる。ニーナ以外の子を見る事はない、と宥めたが……ニーナの具体的な例で分かった。確かに視線どころか全てが自分以外の相手に全神経を傾けているのはルークを好きな令嬢だったら耐えられないだろう。つまり姉ちゃんの懼れは懼れではないのだろう。落ち着いたニーナが「そっか」と呟いた。


「ニーナ?」


「ベリエはそこに気付いていたからルークの言動に注意していたのね、と思って。それを私もハルトもマリーもそして多分ルーク自身もベリエがルークを好きなのねって思ったのよ。呑気にも」


「いや呑気ではないけど」


ニーナの口惜しそうな顔にツッコミながらも姉ちゃんはどう思ったのだろう、とやっぱり考えてしまう。弟に嗾けられ友人達から自分の気持ちを誤解されて。多分姉ちゃんはその事に気付いていた。気付きながら肯定も否定もしなかった。

姉ちゃんの気持ちに誰も気付かなくてそれでも姉ちゃんはルークのために「弟から兄に乗り換えた女」とか「ニルナーレ様から婚約者を奪った悪女」とか今だって言われたい放題・足を引っ張りあいの社交界に第二王子妃として出て行く事を決めたのだろう。バイスルークという個人を守るために。それは姉ちゃんらしいけど。


じゃあ姉ちゃんの思う『幸せ』はなんなのだろう。姉ちゃんの幸せはどこにあるんだろう?


ーーいや抑幸せの基準とはなんだろう?

そんなわけで悩みまくるヒュルトです。夏月も悩みまくってます。幸せってなんだろうな、と。

お読みいただきありがとうございました。明日はまだ何も考えていません。

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