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67:俺の想像と彼女の話は食い違う〜トホルス〜

おはようございます。執筆時間が取れたので更新。

トホルス視点の話。

ベリエから会いたいので都合の良い日を教えて欲しいという手紙をもらい、俺は到頭この日が来たかと溜め息をついた。きっとバイスルークと婚約したという報告だろう。ルークならばベリエを大切にするだろうし手放すわけがないと分かっている。事実上の結婚報告だ。だが会わないわけにはいかない。ベリエは俺の気持ちを知っているからきちんと伝えたいと思ってくれているのだろう。5日後ならばと返信すればベリエが俺の屋敷を訪うという。

この国に留学に来た頃は学園の寮に入室していた。卒業後に買い取ったこの国の元男爵家の屋敷にずっと暮らしているのでベリエは此処を知っている。ヒュルトやハルトとルークももちろん知っている。だがこのタイミングで俺の屋敷に来るなど誤解を招くことになるだろうにベリエの言動に些か首を傾げてしまう。とにかく必要最低限の使用人達にベリエの来訪を伝えて準備をするよう命じた。


「こんにちはトホルス」


「ようこそベリエ」


5日後の約束の日。普段のベリエならば着ないような身体のラインが判るドレスにドキリとしたのはまぁ仕方ないだろう。普段のベリエが着るドレスは前世ではテレビで良く観たレースがたっぷり使われて体型が分からないウェディングドレスみたいな形だ。こんな身体のラインが判る物など見た事が無い。おまけにベリエが好むパステルカラーではなくビビットカラーだ。一体どういう心境の変化なのか。

そう思った俺はベリエの固い表情を見て奥歯を噛み締めた。何かを決意している。そんな表情。


「ドレス。普段とは違って印象が変わるな。良く似合う」


俺はベリエの表情に気づかぬフリをして褒める。ベリエは虚を突かれたように目を丸くさせて固い表情が消えた。


「ありがとう」


俺の言葉を咀嚼したかのような間を置いてベリエがホッと肩の力を抜いて礼を言う。応接室にベリエを案内してお茶の準備を使用人に頼めば直ぐにベリエが好きなクッキーと共に紅茶の香りが応接室に広がる。……ベリエが来ると言っておいたから高級な茶葉を購入したのだろう。ベリエが香りを楽しむ表情を窺いながら俺も一口啜る。


「トホルス」


タイミングを測っていたのだろう。俺がカップを皿に置いたところでベリエが呼びかけてきた。視線を向ければまた固い表情で俺を見る。そんなにさっさと俺にトドメを刺したいのかと思うがまぁ仕方ない。話を聞くよ、という雰囲気を出せばベリエが深呼吸をした。


「あのね」


「ああ」


「ルークの事、なの」


そんな事は分かっている、とは言わずに黙って続きを促す。


「ルークは良くも悪くも真っ直ぐなのよ。裏表が無いの」


切り出したベリエが何を言いたいのか分からずにただ黙っていれば。


「ねぇトホルス。ルークの幸せと私の幸せって一緒だと思う?」


……本当にベリエが何を言いたいのか俺は全く分からなかった。

長くなったので切りました。明日もトホルス視点です。ルークと婚約しました報告じゃないよ、トホルス。

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