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64:ピクニックは楽しいけどね〜ハルトリッヒ〜

おはようございます……。昨日に引き続き書くのをすっかり忘れてました……。すみません。コソコソと今書きました。(小声)

出かけ先はどこなのかルークに具体的に聞いてみれば子どもの頃に行った綿帽子の花が咲き乱れる丘だという。綿帽子の花とは白くてフワフワしていて柔らかそうで綿帽子ね、と笑ったベリエの言葉から付けられた丘の事だが、もしかしたら綿帽子という聞いた事が無かったあの言葉も前世の記憶なのかもしれない。だがあの花の咲く時期はもっと前だったと思うんだが。もう咲いていないのではないか? だがルークはそれで良いのだ、と笑う。良く分からん。もう咲いていない丘で何をすると言うんだ。第一あの場所はあの花以外特にコレといった目を引くものがないから行っても何もないぞ?

ルークは分かっている、とだけ頷く。

まぁ良い。俺はルークの味方になるだけだ。

そんなわけでおよそ10日後。馬車2台で男女に分かれて乗車し護衛も精鋭で周りを固めてあの丘を目指した。馬車から降りて私は唖然とする。時期をとうに過ぎている綿帽子の花が咲いているからだ。どういうことだ、とルークを見れば満足そうにベリエを見ている。そのベリエは驚いた表情を見せた後走ったと思えば幸せそうに笑っている。そこでようやくハッとした。


ルークに特に強く出ている魔法の属性は土。つまり自分の土魔法でこの花をこれだけ咲かせている、という事なのだろう。


しかしルーク。お前……ベリエが喜んでる姿を見るだけでそれ以上何も言わないのはどうかと思うぞ。仕方ない。ここから先はやはり私がベリエを嗾けてやろう。

私はマリーをエスコートしながらヒュルトもニルをエスコートしながらゆっくりベリエの後をついていく。ルークは残念ながら先走ったベリエの後を着いて行くので精一杯だ。……そこはエスコートを忘れるなよ。兄として紳士として情けないぞ。さてマリーに耳打ちをして少し離れる。


「ベリエ」


呼びかければ「何?」と返しながら私の方にやって来たベリエにニヤリと笑いながら耳打ちをしてやった。


「この花、とうに咲く時期は過ぎているのに咲いているな?」


「ええ」


「何故だろうな? 土魔法が使えないと難しい気がしないか?」


ベリエは目を丸くしてルークを見る。ルークが私に嫉妬している目を向けているがベリエがルークを見た途端に目元を和らげて微笑む。さてベリエはどんな表情をしているのかなぁ。

ニヤつきながらベリエの横顔をチラリとみればベリエはツッと涙を流している。ルークがギョッとして慌てて走って来た。私を睨み付けながらベリエを宥めるが私は何もしていないぞ? 心外だ。だがまぁここはルークに任せるか、と思い振り返ればマリーとニルとそして……物凄い笑顔のヒュルトが立っていた。


「ハルト。姉上に何を言ったのかなぁ?」


マリーにはまだ前世の話をしていない事を覚えているだけの冷静さはあるのか“姉上”呼びをしているヒュルトに私は何もしていない! 潔白だ! と必死で言い募った。だがマリーもニルも怒っているのは分かる。2人共ベリエが好きなのだ。私は3vs1の状況に辟易してあからさまに話題を変えることにした。


「そうだ。昼食は何か楽しみだなぁ。城の料理長自らが腕を奮って持たせてくれたんだぞ?」


あからさま過ぎたのかヒュルトもニルもマリーも溜め息をついてこれ以上は迫って来なかった。ピクニックは楽しいはずなんだけどね。こんな風になるつもりはなかったんだよなぁ。とはいえルークがベリエをそっとエスコートして私達から離れて何かを話している姿を見ればこれ以上の口出しはさすがに空気が読めないだろう、と2人から然りげ無く更に距離を取る。そうして私達4人で侍女にお茶の支度をしてもらいながら他愛なくお喋りに興じた。偶にはこういう何もない日もいいものだ。


私も自分が疲れていたのだ、と改めて思い知った。なんだかんだで異母弟の事が堪えていたらしかった。

そんなわけでピクニックに行きました。ベリエが泣いた理由やルークと2人で何を話しているのか等は明日のベリエ視点のお楽しみで。


昨日、ようやく【愛を貫きたい……そうです。】の最終話を書き上げまして更新しました。そっち書いていたら本作の更新を忘れてました……。昨日に引き続きすみません。愛を貫きたい〜をお読み頂いた皆様ありがとうございました。

また新作の前後編もお読み頂いた皆様ありがとうございました。


それでは明日のベリエ視点で。

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