58:姉ちゃんは反省する
普段より短めです。キリが良かったもので。どうにも恋愛にシフトチェンジ出来ずにすみません。
俺が父上について公爵家のアレコレを勉強するため外出し戻って来たら使用人から姉ちゃんの様子がおかしい、と聞いた。また何かあったのか尋ねれば昼間にトホルスを家に招いていたという。慌てて姉ちゃんの部屋を訪ねた。本当は姉弟でも会えるか確認する必要があるけど俺と姉ちゃんの間でそれは基本的に不要だ。
「姉ちゃん」
「ユウちゃん? お帰りなさい」
ノックして中に入れば姉ちゃんはキョトンとした顔で俺を見て挨拶をしてくる。ただいま、と返しながらホッとした。いつもの姉ちゃんだから。
「なんか姉ちゃんの様子がおかしいって聞いたからさ。驚いて慌てて来たけど平気そうだな」
「ああそういうこと」
俺がソファーに寄り掛かって言えば姉ちゃんが苦笑する。お行儀悪いと姉ちゃんから言われたけど背凭れに頭を置いて姉ちゃんの部屋の天井を見ていれば姉ちゃんが先程から座っている勉強机の椅子ごとこちらを向いた気配がしてチラリと視線を向けた。
「トホルスにね……いえ筒井君にね、酷いことを言ったな。って反省していたのよ」
言った事は後悔していないがそれでも言い過ぎたのではないか、と反省していたそうだ。その話の内容を聞いて俺は首を振った。
「別に何も反省する必要なんてないだろ。アイツが悪いんじゃん」
「そうは言うけど彼にも彼なりに思う所があったわけでしょ? それを一切聞かずに感情的に文句を言うなんて有り得なかったかなって」
確かに子どもではないのだから相手の感情や考えを聞かずに咎めるのは間違いかもしれない。だがそれはあくまでも“今”の俺たちの思考であって前世じゃあ偶にはそうやって感情的に発言する事も必要だった。そういう意味じゃ間違いではないと思うんだけどな。
何というか前世に引きずられるというより記憶は前世なのに思考なんかは現在に偏っているから俺も姉ちゃんもバランスが上手く取れていないように思える。それはきっとトホルスもそうなのではないか、と思って。……近いうちにトホルスと姉ちゃんはもう一度話し合う必要があるのだろうなって感じた。
お読み頂きありがとうございます。
明日はトホルスかな。そろそろルークに動いてもらいたいな……とは思ってますが、なかなかそうはいかない……
恋愛モノなのに恋愛に辿りつかない……
それから
今夜か明日辺りに【愛を貫きたい……そうです。】を更新予定です。




