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44:なんでこんなことになっているの?〜モールナ〜

モールナ視点です。長めです。

……書いてて思います。なんでこの子こんなに人の話を聞いてないのかしら、と。

この子はお花畑から出て来られるのでしょうか……。この子が理解しないと仕返しにならないんだけどなぁ……。

ランスが王子じゃなくなるのは知っているわ。でもね。公爵になるって言っていたの。だから王子じゃなくても今と変わらないからねって言ってたの。学園でもワタシとランスと友達になりたい子達はランスに「公爵になった時には更に仲良くさせて下さい」って言われていたのよ?

それなのにランスは公爵になれないって言うの。ランスのお兄様なのに酷いわよね? 王妃サマはずっと黙ったままなの。ランスが公爵になれないって言われているのに。なんでかしら。しかもベリエさんのお家の近くに住まないといけないみたい。ベリエさんのお家に近いなら仲良く出来るかしら?

だけどランスのお兄様ってば「働くように」言うのよ? ベリエさんにお金を渡すからみたい。ベリエさんは公爵の令嬢なのにお金が欲しいなんて嫌な人よね。あ、だからランスに好きになってもらえないのよ。お金より愛だわ!


「愛妾・モールナ」


愛妾なんかじゃないけど男爵じゃあそう言われても仕方ないんだって。法で決まってるらしいの。法ってあれじゃないの? 人のものをとってはいけません。とったらろうやに入れますってやつ。でも王子の正妃も側妃も法で爵位が無いとなれないって決まってるって。そんなことまで法ってあるのね。


「愛妾・モールナ!」


「は、はい」


ランスのお兄様が怒ってる。とりあえず返事かしら?


「貴様もランスベルトと共に生涯家から出るな。仕事をして金を稼いでベリエに支払え。分かったな?」


ランスと一緒なのは嬉しいけど、しょうがいって何? いつまで家を出ちゃいけないの? そしてどうしてワタシもお金を払わないといけないの? ランスだけじゃないの?


「ランスのお兄様」


「貴様にそのように呼ばれたくない。王太子殿下と呼べ」


えええええ。もうワガママね! ワガママだと女の子に嫌われちゃうよ!


「王太子殿下。あの、なんでワタシもベリエさんにお金を払わないといけないんですか? ベリエさんもベリエさんでおかしいわ! 公爵の家の人ならお金持ちでしょ! それなのにお金が欲しいなんてワガママだわ。だからランスに好きになってもらえないのよ!」


うふふ。ランスがまたワタシを可愛い。愛するモールナって言ってくれるかしら。


「貴様ごときがベリエを侮辱するな。侮辱の意味が分からないならベリエをバカにするな、と言おうか。そもそも身分の差があると最初から言っているはずだ。軽々しくベリエさんなどと呼ぶな」


なのに、ランスが可愛いって言ってくれない上にもう1人のランスのお兄様が怒っているのよ。もう! ランスのお兄様なのに2人共怖いわ!

それにしてもさっきからどうしてランスに愛されているワタシが怒られてランスに愛されていないベリエさんはお兄様達を味方にしているの? なんでこんなことになっているのかしら。あ! もしかしてベリエさんってばお兄様達にランスとワタシが悪い人ですって泣いたのかしら。そうだとしたらお兄様達の目を覚ましてあげなくちゃ!


「お兄様達、モールナが本当の事を教えてあげます! ベリエさんは嘘をついているんです! 本当にランスから愛されてないのにワタシとランスが悪い人間だってお兄様達に言ったんだと思います! 信じないでください!」


これでお兄様達もワタシとランスを信じてくれるわ!

そう思ったのに。


「ふざけんな! 俺の姉上をどこまで侮辱すれば良いんだよ! お前は公爵をバカにしてるのか! 本当ならばお前が謝っても謝っても許されないくらいだって事をいい加減気付け!」


ベリエさんの弟さんに怒鳴られて頬を打たれたの! ひどいでしょう? でもその時にお母様が言ってた事を思い出したの。ベリエさんの弟さんはベリエさんを大事に思っているから怒られるって。お母様の言ってた事は本当だったわ。お母様……会いたいな。

あまりにもお花畑思考でベリエは溜め息をついて無視しているけれど、というか諦めているけれど、ハルト・ルーク・ヒュルトが怒ってます。でもモールナは怒られているなぁ……とは思っても怒られている理由が分かりません。ダメじゃん……


いつ理解するのかな……。次話はルークかヒュルトの予定。そろそろ存在が透明になってるトホルスが何故立ち合っているのか書きたいなぁ……。

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