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43:弟はこんなにも愚かなのか?〜ハルトリッヒ〜

予告通りハルトリッヒ視点です。

ハルトリッヒがランスベルトに罰を言い渡します。

ランスベルト。私とルークの母親違いの弟。私達の母親を死に追いやった王妃ははっきり言って大嫌いだ。ただ私もルークも“王子”だからその感情を出す事はしていなかった。その代わり“母”と呼びかけた事は一度も無い。何故か王妃は私達を我が子のように扱おうとしていたが。自分が何を仕出かしたのか忘れているのか? と何度尋ねようとしたことか。それでも異母弟のランスベルトを粗略に扱った事は一度も無い。ーー今までは。

自分の母親が何をしたのか知らない末っ子で甘ったれた部分はあるが私とルークを兄と慕って来るのを無碍にする事は出来なかった。だから積極的に関わろうとはしないが慕ってくるなら兄として接するくらいは譲歩した。幼い頃はそれなりに私とルークの言う事を聞いて王子の自覚があったはずなのに。いつからこんなにも愚かに成り下がったのだろう。


ヒュルトがベリエの事を大切にしている事を知っていたはずなのに、愚かにもベリエを傷つけた。ルークの気持ちに気付いていなかったとしてもヒュルトのベリエに対する過保護な愛情を見て来たはずなのに結果がコレだ。その目は何も映して来なかったのか。それとも周りが見えなくなる程その娘に恋しているというのか。

まぁいい。

どのみち私の中でランスベルトの価値は無いものになった。ベリエを傷付けたときから。ヒュルト程大切に思う気持ちはないし、ルークのようにベリエを愛していない。それでもベリエは大切な幼馴染みで友人なのだ。これでも私は友人を傷付ける奴を野放しにしておく程心が広いわけでもないし無能でも無いつもりだ。


「ヒュルト、代われ」


私の冷たく威圧的な声にヒュルトが黙った。私が怒っている事をヒュルトも気付いたのだろう。王族として感情は他の貴族よりもコントロールする事を幼い頃から言い聞かされてきた私が感情を出したのだから。さすがヒュルトだ。やはり私の側近に欲しい。まぁそれは今は置いておこう。


「ハルトリッヒ兄上……」


ランスベルトが助かった、というような表情を浮かべる。王子教育を受けた、と言い切ったくせにこんな分かり易く感情を顕にしているなんてランスベルトの教育係が余程甘やかして手を抜いたのか、それともランスベルト本人の元々の甘え気質が原因なのか。どちらでももう知る意味はない。そして何故私が……俺が、ランスベルトを助けると思っているのか甚だ疑問だ。その頭の中は一体どうなっているのやら。


「ランスベルト。処罰を言い渡す。先ずは私に子が生まれるまでは王子の地位だが、その執務はお前自身で行う事。何故ならベリエがお前との婚約を白紙にしたからだ。婚約者であっても王子の執務を代わりに行う事は有り得ない。お前が仕事をしていないわけだから許されない。その責務を放棄した事により、私に子が産まれたらお前の存在は表向きには病を得て療養。それからお前には公爵の地位も与える気はない。実際はバルドル公爵家の広大な領地の未開拓部分に家を与えるからそこから生涯出る事を禁ずる。そこで仕事だけは与えてやるからベリエを傷付けた事と婚約を白紙にした代償として金を稼いでベリエに支払え。但し私と父上は優しいからな。お前が愛しているというその娘と共に暮らす事を許そう。その娘共々働いてベリエに代償として金を支払えよ。もちろんお前達の持っている物は全て金に換えてベリエに渡す。それでも払いきれなかった残りの金額を稼ぐだけだ。優しいだろう?」


……ヒュルトとベリエが少しだけ驚いた表情になった。まだまだ未熟だぞ。最も驚くのは分かる。皆で話し合った時よりも重い処分になったからな。

ついでに敢えて言わなかったが、王子の地位を剥奪してもその血は紛れもなく王家のもの。だからランスベルトには子を作れない魔法をかける事も決まっている。

その娘に子が出来る未来があったら……その時は真実を教えてやらねばなるまいな。


それにしても、ランスベルトは何を絶望した表情になっているのやら。当然の事をやらかしたって事をまだ理解していないのか?

ハルトリッヒが随分変わった。と思われたらすみません。元々こういう部分はある設定でした。王太子だし。その責務を理解している人なので。

さて、ランスベルトはお花畑から抜け出せますかね?

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