42:行動に伴う結果とは現在ではなく未来を言う。
ヒュルトユウリ視点です。
さて。ランスベルトは理解出来るのでしょうか……。一応モールナとセットで仕返しの予定ですが2人が理解しないと意味が無い。
ランスベルトってバカなんだよなぁ。なんていうか。いや、バカじゃなくて想像力が欠如しているって言うべきか? この行動をしたらこういう状況になる……までは想像出来るくせにその先の結果が分かっていないんだよな。
公爵家の令嬢である姉ちゃんを蔑ろにしてなんで何にも仕返しが無いって思えるのか分からん。バカというのか想像力が貧しいというのか。果たしてどちらなんだろう。
「どういうことだ」
「どういうも何も……公爵家の令嬢である姉ちゃんを、婚約者を差し置いて結婚する事がおかしいだろう。婚約者より先に愛妾を迎えるなんてバカな男が居るなんて思わなかったよ。それも貴族の手本となるべき王族が」
俺の発言にランスベルトが言葉を探しているように視線を彷徨わせるから続けて追い討ちをかけてやる。
「姉ちゃんとの婚約は王家に光の魔法を使う娘を取り込む事。そして俺が闇の魔法が使えるからこそ余計に姉ちゃんとの婚約は大事だったんだよ。それをこんな形で姉ちゃんを侮辱するんだから仕返しされても文句は言えないよな?」
ランスベルトは思い出したように姉ちゃんを見るが姉ちゃんは既にランスベルトの事を視界から外している。
「そんなわけで仕返しの一つとして伯爵位以上の爵位持ちの家に俺の直筆で王家と公爵家に逆らってまで第三王子の愛妾を側妃にしたいなら構わないぞ、と手紙を送っておいた。どこの家からも第三王子の愛妾を養女には迎えない。と返事がもらえている」
ランスベルトは「バカな!」と声を荒げた。
「何が」
「公爵家より俺の方が地位は上だ! その俺の愛する女性を養女に迎えれば、側妃の実家という事で箔が付くだろう!」
「そういう発想は出来るんだな。だが根本的にお前は間違っている」
俺は溜め息をついてランスベルトの発言を否定してやる事にした。
「根本的だと⁉︎」
「確かにお前と公爵家ではお前が第三王子だから、その地位は上だ。けどな。お前はハルトリッヒが結婚して子どもが出来たら臣下に降る。その際は姉ちゃんと結婚していれば公爵の地位を新たに与えられただろうな。そうなればその女はたとえ伯爵位以上の家の養女になっても正妻じゃないから立場は弱い。それが分かっていて養女に迎える家なんて無い。新しい公爵家と代々続くバルドル公爵家なら同じ公爵家でもウチの方が格上。そこに逆らうわけがない。更に再三言ってるけどな。王家から打診された婚約なんだよ。つまりお前と王妃以外の王族から睨まれてまでその女を養女に迎えるメリットなんて無いだろ」
俺の説明は理解出来たかな。物凄く分かりやすく説明しているけど、これで分からないって言うならどう説明すれば良いんだ? って頭を悩ませそうだぞ。
お読み頂きまして、ありがとうございます。
次話はハルトリッヒ視点の予定です。多分。その後モールナ視点でバイスルーク視点を入れてヒュルトユウリ視点になる予定です。トホルスが居る意味ってなんだろう?と思っていらっしゃる方、トホルスが居る事を忘れていらっしゃる方、おそらく居る意味がそのうち多分わかると思います。
活動報告を書いておきますので、今後の本作含めた動向を知りたい方はお目を通して頂けると幸いです。




