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35:過去のオヤ・現在の両親

ヒュルトユウリ視点です。

いよいよ仕返しするにあたり……というお話。

あの夢を見てから数日。いよいよアイツらに仕返しをする日が近づいてきた。3人まとめて仕返しをしてやらねば気が済まないからな。ちなみにあのババァは俺と姉ちゃんに毎日接触してこようとしたので無視していた。今の両親は「王妃殿下からのお呼び出しを無視するなんて……」と顔を真っ青にしていたので、姉ちゃんと相談してあのババァについてだけ話す事にした。当然俺たちが前世持ちだって事についても。この時本当にこの2人が両親で良かった……と心から思えた。


「前世」


と父親が呆然とした表情で呟くが母親の方が早くに立ち直った。


「私達の可愛いベリエットとヒュルトユウリが生まれる前は恐れ多くも王妃殿下のお子様方であっても、でも同じ親として子を怯えさせ泣かせるばかりの育て方は間違っていると思いますわ! 2人共、よく頑張ってきましたね。それと私達の子に生まれてくれてありがとう」


母親の……母上のこの言葉に俺たちは涙を流した。それを見た父上も一緒に泣いてくれた。それと同時に少しだけ思い出す。前世の母オヤも決して悪いだけじゃなくて、こうして抱きしめてくれたり笑ってくれたりしていた事を。

それでもやっぱり俺たちは仕返しを選ぶ。確かに良い思い出もあるがそれでも俺は姉ちゃんと一緒に死んでしまったあの日を忘れる事は出来ない。そして生まれ変わってもやっぱり姉ちゃんを傷つけたあのババァを許す事は出来ない。謝ったから許される、と思われるのは心外だから。


あのババァにはちゃんと痛い目を見て何でこうなったのか。

それを考えて欲しいと思う。


「姉ちゃん」


「ん?」


「本当にいいんだな?」


仕返しは陛下が見て見ぬフリをしてくれるとはいえ、姉ちゃんにしてみればやっぱりツライんじゃないかな……と思う。一度は好きになった男なんだし傷付けたくないんじゃないかな。


「ええ、もちろん。ねぇユウちゃん。いくら好きな相手でもね。いいえ好きな相手だからこそ、許せる事と許せない事があると思う。今回の件は貴族令嬢としても許せないし、1人の女としても許せないのよ」


公爵家の令嬢としての姉ちゃんの立場を蔑ろにしたランスベルト。

1人の女として好きだって事を知っている気持ちを踏み躙ったランスベルト。

正妃を迎えてから事情により迎えられる側妃を正妃より先に迎えたランスベルト。そしてそれを後押しした王妃。


その全てを姉ちゃんは許せない事だ、と言い切った。


その姉ちゃんの覚悟を聞いて俺はもう尋ねない事にした。……もしかしたら俺の方が覚悟を持っていなかったのかもしれない。

けど。姉ちゃんが迷わないなら俺も迷わない。さぁ時間だ。仕返しを始めようか。

お読み頂きありがとうございます。

ようやく仕返しが始まります。……ここまで長かった。何故だ。

明日の視点はまだ考えていませんが、仕返しは開始します。視点が誰かはともかく。3人まとめて仕返しですが、先ずは王妃になるかな、多分。

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