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21:あ……姉ちゃんが怒った。

ちょっと長めのヒュルトユウリ視点です。前世の話が入ります。

ベリエットの印象が変わる……かもしれない話です。

やっと姉ちゃんが生きる気になってくれて安堵したのでトホルスに任せて両親と使用人達に姉ちゃんは大丈夫だと安心させる。皆が喜ぶのを見て両親は直ぐに姉ちゃんのところに行こうとしたから今はトホルスに診察してもらっている事を話して俺が様子を見ると伝えた。そんなわけで再び姉ちゃんのところに戻って来たのだが。


「ユウちゃん」


ーー目が輝くどころか、うふふ。と笑っている姉ちゃんが其処に居た。……あ、コレヤバくね?

俺はこういう状態の姉ちゃんを前世で見た事が有った。姉ちゃんは基本的に気弱で泣き虫で人の意見に流され易い大人しいというか自己主張が出来ない人なのだが。一旦怒りに火が付くとめっちゃ怖い。

あの状態の姉ちゃんは相手が口先だけで謝まる程度じゃ許さない。心からの謝罪を要求するか相手を泣かせるまで怒りが解けない。滅多に姉ちゃんがここまで怒る事が無いから高校のヤツらは姉ちゃんを苛められたのだが。普段の姉ちゃんなら自分が悪いから……って諦めちゃうし。でも中学時代姉ちゃんが一度この状態になった時の事を思い出せる。


あの時は……確か気弱な姉ちゃんに言うことを聞かせようとして、有りもしないリップドロボーとかって罪を着せようとした件で怒ったな……。確かリーダー格の女が姉ちゃんをゲボクにしようと自分のお気に入りのリップを盗まれたと騒ぎ立ててクラスを巻き込んで姉ちゃんを犯人に仕立て上げようとして。そして返り討ちに遭ったんだっけ……。あんときの姉ちゃんは皆の前でドロボー扱いされたことに腹を立ててたなぁ……。


姉ちゃんの机からリップが出て来た事が証拠とか言われて責められたけど、その日の朝まで有ったリップがお昼休みに姉ちゃんの机から出て来たっていうのが証拠とかだったっけ。だけど1時間目が終了するまで姉ちゃんは席を立ってないし、1時間目の休み時間は移動教室で友達3人と一緒だったし。2時間目の休み時間も友達と教室に戻って来てずっとその友達と一緒に過ごしていて。3時間目の途中から体調を崩して3時間目の休み時間に保健委員にお願いして保健室に行ってそのまま4時間目は保健室に居て、昼休みにようやく教室に戻って来たところで机からリップが出てきたって言われたんだもんなぁ……。


どこに姉ちゃんがリップを盗む隙が有ったんだろうか。所詮は中学生の浅知恵……


姉ちゃんからそんな反論をされると思っていなかっただろうリーダー格の女は、姉ちゃんに理路整然と説明されて問われて逆に恥をかいてたもんなぁ。それなのに謝らなかったもんだからクラスの皆が証人だって言って担任に訴えてた……。担任が事なかれ主義に徹しようとしたら学年主任に訴えた上にリーダー格の女の家に電話かけて全てを暴露してたなぁ……。結局あの女は皆の前で姉ちゃんに謝罪をして中学卒業と同時に遠くに引っ越してた。

……姉ちゃん、高校でもこういう風に怒っていれば苛められなかっただろうに。怒るスイッチが入らなかったのかなぁ。ってウッカリ前世を思い出してたけど。


……そうだよ。姉ちゃんはそういう人だった。普段の気弱で大人しくて泣き虫で流されやすい性格だけを見ていると忘れがちだけど、怒ると怖いんだよ、この人。


「ね、姉ちゃん?」


「ユウちゃん。今までごめんね。心配かけて。お姉ちゃんが悪かったわ」


「い、いや。とりあえず姉ちゃんが復活して良かったよ。でももう少し休んで。急には動けないんだから」


「そうね。そうさせてもらうわ」


「トホルス。診察終わったんだろ?」


姉ちゃんがお休みとベッドに横たわったので、トホルスを連れ出して俺は速攻で俺の部屋にトホルスを引っ張りこむ。


「トホルス。姉ちゃんに何があった?」


「な、何って」


「なんか言ってただろ?」


「あー、仕返しをするとか、なんとか。結婚しても子は産まない。だからといって側妃の子を養子に迎えないとかなんとか。そうすることで正妃に認められない子は跡取りになれないって話をしてたなぁ。俺はハルトとルークが婚約解消の為に動いているって伝えたけどな」


「うわぁ。姉ちゃんかなりキテルな……」


トホルスの話に俺は頭を掻き毟った。完璧怒ってる。いや、ランスベルトが全面的に悪いから良いんだけど。でも怒ってる。ランスベルト、アイツもう終わったな……。


「何が。キテルって」


「姉ちゃんだよ。アレ、怒ってる」


「怒ってるのか?」


「トホルスは知らないからな。俺もあんな姉ちゃん見たの前世以来。ランスベルトはもう終わった。アイツ姉ちゃんを怒らせたんだ。謝っても許されないだろうな」


トホルスは訝しむように首を捻っている。普段の姉ちゃんしか知らないから、ランスベルトが終わったという意味も不明だろうし、そもそもランスベルトが謝れば姉ちゃんなら許すだろう、と思っている事が表情で分かる。だが俺には解る。姉ちゃんはランスベルトが謝ろうが泣こうが絶対に許さない、と決めた。そんな表情だった。

おそらく側妃になった男爵令嬢と王妃も対象だな、アレ。


ーーまぁ姉ちゃんを泣かせたんだ。全員まとめて痛い目を見るといいよ。


ほんと姉ちゃんを怒らせるなんてバカな事をやらかしたよなぁ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って思ってたんだ。認識を改めるといいよ。


……俺は全面的に姉ちゃんの味方だから、姉ちゃんが望むなら当然協力は惜しまない。

普段大人しい人が怒るのって怖いよね。

そんなわけで、次話はハルトとルークのどちらかか両方が混ざった視点になる予定です。

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