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20:意気地の無い自分との決別〜ベリエット〜

すみません。ちょっと体調不良でして更新はしますが見直しはしていないので誤字が有ったら申し訳ないです。体調が回復次第見直します。

ユウちゃんが思い切り叫ぶのは前世の時以来だったと思う。思えば転生して記憶を取り戻したユウちゃんがあんな風に感情を曝け出した事は無かった。記憶を取り戻してしまって子どもらしさが無かったように思える。それどころか私を常に優先していた。

……もしかしなくても私の所為か。

前世は私があんな状態に追い込まれてそのまま巻き込むようにユウちゃんと死んでしまった。そのまま転生したのだ。過保護というか依存度が高いというか、ああいう風になってもおかしくない……のかもしれない。


それなのに転生してからもこの状況……


それはユウちゃんが心配しまくって過保護が加速してもおかしくない。そしてウジウジウジウジしていた私をなんとか引っ張りあげようと躍起になるのも当たり前。それを拒否して自分の殻に閉じ籠ろうとしていた私は姉失格。

でもそんな私をユウちゃんは感情を曝け出す事で引き上げてくれた。……ここからは私が踏ん張る必要がある。トホルスやハルトにルークにも心配かけた。マリアンヌ様とニルナーレにも。両親や使用人だって。ああ私は本当になぁんにも見ていなかった。


「ねぇトホルス」


「なんだ?」


昔から素っ気ない物言いの彼は、だけど優しい心を持っている事を知っている。


「医者と患者じゃなくて友人としてお願いしたい事があるのよ」


私が言えば、珍しくトホルスが笑った。笑わないわけじゃないけれど滅多に見せないのに。


「言ってみろ」


「私。ランスに仕返ししたいの」


さっきまでランスが好きな気持ちと裏切られて酷いという思いだけでいっぱいだったくせに、ユウちゃんに思い切り叫ばれて周りが見えるようになったらこんな考えになってる私は、多分極端な思考に陥っているのだと思うけれど。

でも。それが私だった。

前世も思い切れば良かったのに。

昔はそうしていたのに、高校生にもなるとそんな極端な思考は良くないなんて自分を狭めてしまって。


挙げ句ユウちゃんを巻き込んで死んだ。


バカみたい。そして私はまた同じバカな事を繰り返そうとしていた。ユウちゃんに叱られるまで同じ事をしていた。今度こそ幸せに生きようって思ったのに全然それが出来ないところだった。だから。前世で出来なかった分も含めて私はやりたいようにやってみるわ。


「仕返しって何をするんだ?」


「あら簡単よ。ランスは側妃を召し上げた。という事は子も出来るでしょう?」


「そうだろうな」


「でもね。妃教育を受けた私は知っているし、本来なら現王妃も王子であるランスベルトも知っているはずなんだけど。()()()()()()()()()()()()()()()()()()の」


「子が出来ない場合は側妃を迎えるだろう?」


「ええ。でも正妃がその子を()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ね」


「つまり、ベリエはきちんと結婚した上で養子にしないと宣言するのか?」


トホルスが私の考えに気付いたようね。


「ええ。だって陛下は私とランスの婚約を解消しないのよ? 陛下が解消しないなら私は結婚するしかないわ」


私が言えばトホルスはグッと黙る。国に居て王の臣下である以上、国王陛下のお言葉は逆らえない事にトホルスも理解している。


「けど、ハルトとルークが婚約解消に動いているらしい」


「2人が? それは有り難いけれど国王陛下は子どもに甘い父親でないわよ? 私とランスの婚約を解消しても利に繋がるならともかく現在は利に繋がる事が無いのに解消なんてしないわよ」


トホルスが教えてくれた事実は嬉しいけれど婚約解消の利に繋がる事など無いのだから無理だろうな、と思う。でももし万が一にも婚約を解消してもらえるなら、私は解消の条件を聞かなくても受け入れると思う。


もう、私はランスに見切りをつけたのだから。

あれだけ泣いた。ユウちゃんに叱られて客観的に状況を見た。そうすればここまでランスベルトに蔑ろにされても好きで居続ける事なんて出来なかった。

その程度の気持ちだったのかもしれないけれど。


婚約者(わたし)という存在が有りながら、浮気してその浮気相手と先に結婚するような男なんて、これが友人だったら男との婚約解消を推奨している。


そう思ったら清々しい気分で、私はランスを捨てる事にした。私に捨てられても別に相手が居るし、そちらは愛しい女性らしいから何とも思わないでしょうね。……いいえ。違うわね。ランスが私を捨てる事は構わないけれど、私がランスを捨てる事をランスは許さないわね。プライドだけはやたらと高いから。王妃殿下が甘やかして育てた結果だけど。


プライドが高かろうと、私がランスを捨ててあげるわ。……あら。こっちの方が側妃の子を養子にしない事よりよっぽども打撃を与えられるかしら?

うふふ。

なんだか楽しくなってきたわ。覚悟してね、ランス。私に捨てられる事をーー

そんなわけで立ち直ったベリエ。立ち直ったら思考の切り替えが早いですね。ベリエは決めるまでは思い悩むくせに、決めたら振り返らないで突き進むタイプです。


次話はヒュルトユウリ視点です。

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