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龍牙騎士と太陽の巫女  作者: エール


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純白の聖光

 聖堂内には、既に三十人ほどの信者らしき人々が集まっていた。

 ハンターらしき者は五人ほどで、残りは商人や、一般の市民、といったところだが、礼拝目的ということもあるのか、それぞれに落ち着きと気品を兼ね備えた衣装と佇まいだった。


 若く、将来を誓い合った二人の冒険者という話は既に皆に伝わっているようで、老若男女、それぞれ満面の笑みで頷き、迎え入れてくれる。

 それだけで、二人とも、とくにミリア (今の名前はアリス)が頬を赤らめていた。

 ちなみに、星一つのハンターといえどもプロの試験に合格している訳で、ギルド登録者の中でも十人に一人程度の「才能がある」者と認められていることになる。


 星二つは「中級冒険者」と言う扱いだが、それは「プロの中では」の話であり、装備だけでも数百万ウェン程度の資金を費やしているのが普通で、稼ぎも比例して多くなる。


 将来有望な若手のハンターカップルを、聖堂奥に控えていた司祭長が称えた。

 歳は六十歳すぎぐらいだろうか。

 黄金色と純白を織り交ぜた荘厳な衣装で身を纏い、よく通る声で、アクト (今の名前はアンディ) とミリアの二人を目の前に呼び寄せた。

 そして


「神の前で、互いに心から愛し合っていることを認めますか?」


 と尋ねられ、意外にもアクトが先に


「はい、認めます」


 と真顔で答えたものだから、ミリアは真っ赤になって、少し目を潤ませながら


「認めます」


 と小さく、恥ずかしそうに答えた。

 その様子を見た司祭長も、そして信者達も二人が婚約者同士だと信じ切ったことだろう。

 自然と拍手が沸き起こる。


 そして二人は、最も「祝福の光」が浴びせられるという位置に案内させられた。

 目の前に、高さ4メートルを超える女神『エヴリーヌ』の像がそびえる。

 純白で精緻な紋様が施され、穏やかな笑みを浮かべた神秘的なそれに、ミリアはうっとりと見入っている。

 アクトも、相当腕の良い彫刻家が作成したと思われるその彫像に目を見張った。


 やがて全員が祈りを捧げる。

 基本的に『エヴリーヌ』を称える詠唱は各宗派共通であり、ミリアはもちろん、アクトも知っている。

 そしてそれが終わり、全員で祈りを捧げる。

 すると『エヴリーヌ』が持つ杖の先端、黄金色に輝く宝玉から、真っ白な光が放たれた。


(純白の聖光……まさかっ!)


 アクトが驚愕する。

 ミリアも驚いて、彼の顔を見つめる。


 そして一瞬間を置いて、二人共に溢れるような多幸感が訪れた。

 その心地よさにミリアはうっとりとして、アクトの左腕に抱きつく。


 アクトも、その多幸感は受け入れつつも、何か腑に落ちない、違和感のようなものを抱いた。

 そしてこの後、夜中に聖堂へ潜入し、彫像を調査すると即座に決断した。

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