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龍牙騎士と太陽の巫女  作者: エール


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10/16

聖堂

 翌日の昼前。


 アクトは中級冒険者のアンディとして、ミリアは初級冒険者のアリスとして、それぞれ顔見知りの潜伏騎士より偽造のハンター証を手渡された。


 その後、ギルドオフィス近くの商店で特殊メイクにより変装を行った二人。

 アンディは垂れ目で人の良さそうな顔立ち。アリスは愛嬌のある丸顔で、やや小太り。

 元の二人をよく知っている者が見ても、まず見抜くことは出来ない。


 また、彼、彼女にとって声色を使い分ける事など基本技術だ。

 結婚の約束を交わした二人だが、この街に来るまでにかなり資金を使ってしまい、装備と僅かな金銭、それに少量の魔石を持っているだけという設定だ。


 それでも、アリスが熱心な女神『エヴリーヌ』の信者だと話すと、婚約しているという話もあって、僅かな魔石で体験入信という形ですぐに聖堂まで通してくれることになった。


 アンディ (正体はアクト)がまだ若いのに中級冒険者のライセンス (ただし精巧な偽造品)を持っていること、アリス (正体はミリア)が『エヴリーヌ』に関する質問に全て答えられたことが司祭に気に入られたのだ。


 ちなみに二人の装備は、アンディがチェインメイルに所々金属板で補強したものとショートソード。

 アリス は魔術用のロングスタッフにローブという、オーソドックスなもだ。

 だが、実はその下に遥かに強力な魔導インナースーツを纏っている。

 

 一時間ほど待たされたものの、二人は教団の案内役の神官に連れられて敷地内に入った。

 外壁の高さは約6メートルで、門番が槍を持って立ち重そうな金属の扉が開かれる。


 中に入ると、数匹の大型犬のうなり声が聞こえた。

 アリスが大げさに怖がってみせると、若い神官は少し笑いながら、


「大丈夫ですよ、昼間は檻に閉じ込められています。夜だけ番犬として庭に放されるのです」


 と、割と重要なことをさらっと話してくれた。

 もちろん、それを聞き逃す二人では無い。


 さらに奥に進むと、聖堂に通ずる鉄製の重そうな扉が待ち構えていた。

 そこにもやはり槍を持った騎士が二人も立っていた。

 アリスがさらに怯えた仕草を見せ、


「こんなに警備が厳重なのですか?」


 と不審そうに尋ねた。

 若い神官は、


「まあ、この中は神聖な場所ですからね。それなりの資格を持つ者か、彼らが認めた人だけが入ることを許されています」

 と真顔で答えた。


 少なくとも、この神官は信心深い本物だ、とアクトは察した。

 そして彼が門番に声をかけると、その門番は大事そうに、首からワイヤーで吊り下げられた、鎧の下に収まっていた鍵を取り出した。

 サイズが大きい、と目をつけるアクト。


 その鍵で、鉄製の重そうな扉に掛けられた錠を外す。

 微妙に溢れる魔力に、アクトとミリアの二人は、あれは単なる錠では無く魔術による封印が施されているものだと察知した。


 やがて扉が開き、二人は聖堂内に通される。

 そこには、高さ4メートルを超える、純白で緻密な細工が施された、女神『エヴリーヌ』の荘厳な像が建てられていた。

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