決戦日①
作成中のノベルゲームのシナリオを公開しています。
昨日ネットの海に情報を拡散することだけに心血を注いだせいか、頭がボーっとする。
でも決して嫌な気持ちでなはい。むしろこの無気力感が妙に心地よい。
ツバサちゃんのためにできることは何だってやりたいし、やってきたつもりだ。
僕の広報活動によって今日の放送がひとりでも多くの人の目に届けばそれでいい。
苦手なブラックコーヒーをイッキ飲みし、放送直前まで活動を続ける所存だ。
…
……
………
放送まであと1時間。
広報活動に気をとられていて、ツバサちゃんの生放送という宴の席に外すことのできないブツの用意を忘れていた。
弘人「いけね。あれがないと宴とはいえないよ。」
そうそれは、ポテトスナックとコーラ!
ツバサちゃんの声を聞きながら食べるポテトスナックとコーラはこの世で一番おいしい。
一度経験してしまったら最後。もうやめられない止まらないなのだ。
僕は、身支度を済ませて財布を手に持ちコンビニへ向かうことにした。
…
……
………
ツバサちゃんの声が聞けるという高揚感からか体温が上がっており、夜風が異様に気持ちいい。
自転車をこぐ足取りも軽く、このままどこまでもいける気がする。
自転車に羽が生えているようだ。いやここはツバサといった方がよいのだろうか?
僕は意気揚々と駐輪場へ自転車を納めて、
弘人「アプリ起動。」
無人店舗へ入店した。
さて、ボヤボヤしてはいられない。
スナック売場へ直行し、お目当てのポテトスナックを手にいれなければ。
と、その時
未可「近澤!!」
弘人「どわっ!!なんでお前がここに!!」
未可「べ、べつにいたっていいでしょ……。」
いつぞやの大岡裁き女がそこにいた。
スタベのお米ラテ以来の邂逅。できればお会いしたくなかった。
また何か憎まれ口を叩かれのかと少し沈黙し様子を伺っていたが、今日に限ってはやけに静かだ。
弘人「どうしたの?おうちわからなくなったんでしゅか?」
未可「そんなんじゃない……。」
あれれ?
いつもだったら手刀の1つや2つ飛んできてもおかしくない煽りだが、返すこともできていない。
あきらかに様子がおかしい。
いや、別に殴られたくて煽ったんじゃないんだけどね。
弘人「あれ?どうしたの?体調悪い?」
未可「……。」
俯いてしまって、返答がない。
いつもの傍若無人な彼女からは到底考えられない態度であった。
何かを言おうか迷っているようにも見えるが、今日に限ってはその気持ちの揺らぎの天秤がどちらかに傾くかを待っていられるほどの時間がない。
何せツバサちゃんの生放送があるのだから。




