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燐火の響き  作者: 壊れ始めたラジオ
えー、「愛」という字は、心がいろいろな感情に押し潰されそうになる気持ちのことを言います。
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購読最終日/タイトル回収

 ◇◆◇


「よーし。じゃあ、今日やった実験のレポートを各自書いて次の時間に提出してもらうぞ。しっかり書けよ! あと、実験に使った黄リンは沸点が低くて、空気中に置いておくと発火する恐れがあるから、ちゃんと水入り瓶に戻しておくように。以上!」


 ややテンションの高い化学教師の一声で、わたし達生徒は一斉に授業の後片付けを開始した。


 これが終われば、帰りのホームルームだ。


 ◇◆◇


 今日の全ての授業課程を終えて校庭を歩く。その足取りは、雲のように軽い。


「先輩!」


 前方の校門で、こちらに手を振ってくる、彼女。今度はsheじゃなくて、girlfriendの方。


「おまたせ、(ひびき)さん」


 すると、彼女は少しむすっとした顔で言ってきた。


「ひ・び・き・さ・ん?」

「あっ……!」

「もう、付き合っているんだからさん付けはやめてって、前に言ったばかりでしょ!」

「いや、でも(ひびき)さ……(ひびき)だって、今『先輩』って……」

「あ…………よ、呼んでないし! ちゃんと『(りん)』って呼んだし!」

「そうだった……?」

「そ……そんなことよりっ! 明日からのゴールデンウィーク、二人でどこかに行こうって言ってたじゃない? おじいちゃんの友達が空の宮のはずれで旅館を経営しているらしいし、そこに行かない?」

「旅館? まあ、いいけど……」

「なに? 不満でもあるの?」

「ありません痛っ!」

「敬語!」

「ごめんなさ……ごめん」

「ふふ、楽しくなってきちゃったじゃない!!」

「……そうだね」


 あの日から、彼女は明るく、活発に話すようになった。たぶん、ありのままの「素」の部分で、接してくれているんだと思う。元気でスピード感のある勢いに、わたしは若干押されがちになる日々。


「また本出して……歩き読み禁止!」

「はい……」


 でも、静寂の中で生きてきたわたしには、すごく新鮮で。

 眩しすぎるくらいが、ちょうどいいのだと、わたしは思う。


 ただそばにいるだけで、空気に触れているだけで、胸が熱くなる。その情熱の揺らめきこそが「燐火の響き」。

燐が響の尻に敷かれてる感がすごい。

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