購読拾日目第弐巻/共鳴
◇◆◇
……わたしと同じくスマホを持っている彼女と、目が合った。
「「……え?」」
今しがたわたしの携帯に届いたのは、会員限定、男子禁制の掲示板「モモアワセ」の更新通知。
わたしの携帯と、目の前の彼女のスマホが、全く同じタイミングで鳴った。
この状況が、意味する事実は……。
「……好きな人と」
「え?」
先に沈黙を打ち破ったのは、彼女の方だった。
「……好きな人と」
「……」
ポカンと、口を開けてしまうわたし。
「……好きな人と」
「……っ!」
……今、勇気を、勇気を出さないでどうする。
さっきは、緊張してしまって最近読んだ本の話をしてしまった。
ここ最近しつこく声をかけてきた相手が、まさにわたしの心を支配している当人だということに気がついたのは、昨日のことだった。
わたしは驚いた。偶然後ろを振り返ったら、去っていく彼女の後ろ姿が見えたのだから。
まさか、同じ学校に通っていたなんて。
リボンの色で、後輩だということもわかった。
……でも、どうして話しかけようとしてきているか、わからなくて。
単に、「前に会いましたね」と言おうとしていたのかもしれない。
……だとしたら、この関係は、「客」と「店員」という形に固まってしまいそうで。
そうなる前に、なにか話さなくちゃって、思って。
その瞬間、今まで蓄えてきた知識はなんにも役に立たなくて。
「……好きな人と」
一か八か、千載一遇のこのチャンスを、逃したくない!
「……好きな人と!」
「……一緒に!」
「「不幸になれますかっ!」」




