購読捌日目/読書は頭を使うスポーツなんです
「はちにちめ」です。
◆◇◆
「一体なんなの、このメール……?」
アタシはベッドで横になりながら、スマホの画面に釘付けになっていた。
この間の騒動から、二日が経った。あのあと、ショッピングモールに警察が来たらしいけど、その前にアタシは帰った。面倒くさそうだったし。
アタシは……あのときにやってきたメールに、ずっと悩まされていた。
メールには、こんなことが書かれていた。
『好きな人と一緒に不幸になれますか?
ノーなら、このメールを直ちに完全削除してください。
イエスなら、下記のURLをクリックしてください。
https://www.○○○○○○○○○○○.jp
なお、このメールは受信して約一週間後に自動的に削除されます。』
……という感じ。
はじめはスパムとか、チェーンとかの迷惑メールだと思っていた。
けれど、最初の一文以外、なにかの宣伝を感じさせるような要素がひとつも見当たらない。文面もどこかそっけなくて、人を招こうという風でもない。
だからといって、このURLの先になにがあるかもわからない。ワンクリックとか、架空請求も否定できない。
……気になる。
「……ちょっと、だけ……」
アタシは、その門を叩いた。
それが、男子禁制掲示板「モモアワセ」との出会いだった。
◆◇◆
『ピロリロリーローリー♪』
「あ、メール来た」
昨日、モモアワセに依頼したことへの返答だ。アタシは教室を飛び出し、放課後の女子トイレに駆け込んだ。メールをゆっくりと読み込むために。
「えーと、『先日ご依頼された件に関して、調査結果を報告いたします。』……」
そう、あのお客について。アタシは、彼女の調査を頼んでいたのだ。どこの誰なのか、を。
「え、先輩!? しかも同じ星花の生徒!? 放課後は、よく図書館にいるって……」
◆◇◆
「えーと……」
入り口から入って……四列目の本棚の……。
「確か、この辺に……」
そこから曲がって、窓から三つ目のテーブルに……。
「……本当にいた」
あのときのお客、改め、赤石燐先輩。モモアワセの情報通りだった。
「……よし」
話しかける……!
「……すみません。高等部の赤石燐先輩ですか」
「……」
あれ、もしかしてアタシ声小さかった?
「……すみません。高等部の赤石燐先輩ですか」
「……」
……イヤホンしてる訳でも…ない。
「……すみません。高等部の赤石燐先輩ですか」
「……」
もしかして、無視されてる?
「……すみません。高等部の赤石燐先輩ですかっ」
「うるさい。邪魔」
「え……」
な、なによ、もう……。




