128ネキ 環境破壊もいいとこでスナ
前回のあらすじ
フフフ……奴とてあのナナバ隊でひとたまりもなかろうて。
ほ、報告します! こ、コアスコンさん! ぜっ、全滅です! ナナバ隊が!
12房も居るナナバ隊が3分持たないだと!? そんな馬鹿な!?
――――
燃えるジャングル――
蟲特有の香ばしい匂いと燃えすぎた焦げの臭いが同時にダンジョンに漂い――
「……何。 アレ……」
視線の向こう、燃え盛る大地に魔物だった物。陽炎で揺らめく赤い大地に1人、炎よりも紅く輝く瞳。
タマをとその惨状を見てリーフがついぽそりと思ったことを漏らす。
「いやー……話には聞いてたでござるが、が! 実際見ると確かにやべぇどころではござらんな!」
「コレ、全部タマさんが……やったの?」
「そうでござるよリーフ。アルド殿よりもと言うのは嘘でもなんでもないでござる」
「……魔法か何かなの?」
「NO。ナハトやケッタで言うところの種族の特技……リーフで言ったら聴力とかその他エルフのうんぬんかんぬんって感じでござるね」
「こんなすごい種族も居るんだ……」
「特異唯一種族みたいなもんだからやっぱりアルド殿たちと同列に見た方が良いと思うでござるねぇ」
「……やっべぇ……カッケェ」
「すげ~にぁあ……」
「驚くより感激してるアンタたちにタマさんのとは別に驚いたわよ……」
「だってさ、見た? 口からよ? 口から。 古来、熱線は指、口、掌等々放つのが至高とされる中での口よ? 口。いやはやこれは代々伝わる腕に黒炎の龍を纏わせて放つあの奥義に勝るとも劣らぬ……」
「あーハイハイ、アンタんとこ特殊だったわね。早口すぎるわよ……今思うと昨日は良くタマさんを射れた自分にゾッとするわ」
「その点は別に大丈夫なんじゃないでござるかね? 昨日こっそり聞いてみたでござるが “まずは足を殺して穏便に済まそうとするなんていい子じゃねーか” とか言ってたでござるから気にしなくて良いと思うでござる。 タマ殿は殺意が無かったことは感じ取ってるでござるよ」
「いや、まぁ、街中でいくら悪いことしてても殺す必要は無いし……」
「まま、此方が変に拗らせて恐れたりしなければ気さく極まる御仁でござるからそんな気負う必要ないでござる」
「まぁ、アンタが言うなら……」
「っかァーッ! 話にゃ聞いてたけどやっぱりダンジョンは良いなぁ! こんだけやってもお咎めないんだろ?」
「もちろん! 隔離空間と言うか面倒臭いことは省きますがダンジョン内は平たく言うと治外法権! 正に世紀末! 力こそが全てを支配するでござる! どんどんやってくださいまし!」
「おうよー」
「タマさ……師匠は戦闘狂なので?」
「はァ? ししょお?」
「いやはや師匠のアレはまさしく一族に伝わる“解炉火射矛”! 我一族は奥義を使える方を尊敬する習わしがあるのでブツブツもにょもにょ(よく聞き取れない早口)……」
「……ダイチ? 説明してくんね?」
「ナハトの一族は雑に言うと“厨二病” という信仰がありまして。先祖が多分アレだったのでござろうな。末裔のナハトには微塵も悪気は無いので察してくだされ」
「あー……そう。 先祖がアレなら確かになぁ……ま、俺もそういうの嫌いじゃないけどネ!」
「わっかるー! 流石タマ殿」
「あ、でもナハトちゃん、師匠とかはむず痒いのでやめちくり」
「し……わかりました。 タマさん!」
「おけ。んじゃ、次行くべ」
「「いえっさー(にゃ!)」」
綺麗な敬礼を取るナハト。と、ケッタ。
「……ナハトはまぁ、分かるけど。ケッタ、アンタはなんでしれっと敬礼取ってるの?」
「あちしらの里は“力isパワー” って言葉があるにゃん。 つまりタマの姉者はパワーオブパワー。 ナハトとは違うけど当然敬う対象にゃあ」
「あぁそう……。 アンタの所も大概筋肉信仰だったわね。はァ〜……」
「そんなクソデカ溜息つかないでも安心してください! 味方ですよ! だから気に病むことないでござるよー?」
「2人に溜息ついてるだけだから大丈夫よ……確かにとっても心強いことこの上ないわね、あの数のナナバ蟲私たちだけじゃちょっと手間食ったわよ……」
そんなこんなで焼け野原()を進み、ダイチ一行は次の階層へと繋がる扉を開く……も。
なんか扉が開かないのでタマがさっさと扉の蝶番から強引に引っペがして次の階層へとGO!
……え? 何? 扉? 小腹がすいた彼女にあっという間に平らげられましたけど何か? 彼女の糧になりましたよ。
――次の階層ダヨ!――
「うーん……千変万化とは伊達ではないでござるね」
「暑っつ! ジャングルも暑かったけどこっちは違う暑さ!」
「……死んだ」
「びぇゃー」
「スゲーな? ほんとどうなってんだコレ?」
扉を抜けた先は――
高低差の激しい砂丘ばかりで簡単には先の見えない太陽ギラつく砂漠であった。




