表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界のキャンセラー~俺が不遇な人生も纏めてキャンセルしてやる!~  作者: 空地 大乃
第二部第三章 西部レフター領編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

309/323

第59話 仲間の死

『ボスに伝えてーな! うちらが進んだ先は罠が溢れとる。そしてや――』


 マイリスが念話を通してカラーナの様子を聞いたようだ。真剣な顔から現場の緊迫感が暗に伝わってくる。


「……先遣隊が冒険者と交戦中。なお罠によって――バードが死亡したと報告を受けました」


 マイリスが淡々と語った。だけど何も思ってないわけじゃないだろう。バードは盗賊の一人だった。だがここまで色々助けになってくれた。


 既に仲間意識だって芽生えていた筈だ。そんな彼の死を当然と思えるほどマイリスは冷たい子ではない。だけど今は彼女が指揮官のようなものだ。だから敢えて感情を押し殺しているんだと俺は思う。


「――そうか。チッ馬鹿野郎が。罠を見つける役目のテメェが先に死んでどうするんだ」

「――私のミスかもしれません。もっと考えて」


 だけどマイリスも責任は感じていたようだ。謝罪の言葉が飛び出る。


「ふざけんな。お前がそんなんでどうする。大体これは戦だ。戦なら必ず人が死ぬ。当然俺たちだってその覚悟はある。だからこそ――この戦いが終わった後の報酬が美味しいんじゃねぇか。なぁそうだろテメェら!」


 ガンダルが呼びかけると仲間達がそうだそうだと囃し立てた。ただ、どこか空元気のようにも感じられた。


「とにかくだ。相手が動いてるならこっちもぼやぼやしちゃいられねぇ。そうだろう?」


 ガンダルが俺に顔を向けて言った。俺は何もしないつもりか? とどこか煽りに近い口ぶりだった。


「当然だ。カラーナが頑張ってるのに俺らが出ないわけ行かないだろう」

「――彼女から向かったルートとそこまでに見つけた罠の情報は聞いてます。敵が出てきている以上ここで留まっていても仕方ない。打って出ます!」

「そうこなくちゃよ。野郎どもいっちょやったろうぜ!」

「よし! 我らノマデスもゆくぞ! 我らの有志を見せつけるときが来たのだ!」


 盗賊たちとノマデスの戦士達が鬨の声を上げた。俺たちも負けてられないな。


 そしてカラーナ――死なないでく、いや……信頼してるぞ!






◇◆◇

side カラーナ


「くっ、うちがもっと早く気づいてればこないなことにならんかったのに」

「そんな! 姐御は悪くないですよ!」


 アイリーンはこう言ってくれとるけど、自分の判断の甘さにヘドが出る思いや。


 すまんなバード――


「キャハハ! とっても無様なの! 無様で哀れな豚どもがわざわざ殺されにきたなの!」


 思わずうちの耳が反応してまう。何やこいつ。顔を向けると見た目幼い女が妙な人形の上に乗っとった。


 人形の手は筒状で煙がもくもくと上がっとるやんか。さてはこいつがバードを――


「ねぇねぇ~そこに転がってる黒焦げの肉片、臭いしキモいし汚いからさっさと片付けて欲しいなの~自分たちで持ち込んだ塵は自分たちで片付ける。それが社会のルールってものじゃないかしら~?」


 ドタマに一気に血がのぼっていくのを感じたで。こいつの見た目は幼女そのもんやけど関係ないで。


「それは悪かったなぁ。だったら今後は逆におまんをバラバラにしてゴミ箱にポイ捨てしておいてやるで。うちらで作る塵やからな」

「姐御そのゴミ掃除あたいも手伝いますよ!」


 アイリーンもやる気満々ってとこやな。


「へぇ~随分と生意気な塵が紛れ込んでいたようなの。だけど――」


 ボンッ! とあのガキの顔が爆発した。べらべら喋ってる間にコインを弾いてぶつけてやったんや。


「コインショットバーストや。ベット分はチップや。とっときーや」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ