97話「最終地獄に封印されし凶悪な八大悪魔!」
三大精霊王は、最終地獄の坩堝に封印されている悪魔たちの事を語る────。
大勢の下級悪魔を統括する八大悪魔が悪魔城のそれぞれの塔の上で立っていた。
「退屈でたまらねぇな! さっさと地上の下等生物どもを殺戮してぇよ! 早く早く早く早く封印解けねぇかなああああああ!!!」
目がなく、左右に裂けた口だけの長頭で、筋肉隆々の紫肌、両手のような不気味な両翼。
精霊王の説明によると『獄将エリアーン』で特攻隊長とも言われていて、真っ先に先陣を切って出てくるであろう悪魔だ。
大昔、先陣を切って多くの国や人類を大量殺戮したという。
武力一二六万。
「焦るな。何度も張り直しされては困るから、策を講じている」
仙人のように座禅を組んでいる筋肉隆々で、四本の腕、ヤギのような頭で角が禍々しく、翼が両手。
こいつは『悪魔公ヤギダヨーン』で狡猾な策士とも言われている。
侵略する際に綿密な作戦を実行し、大いに人類を苦しめたという。そして極めて残忍で拷問を趣味とする悪魔だ。
武力一〇七万。
「頼りにしてるぜ。地上を地獄絵図にしたくてウズウズしているんだからな」
巨人かと思うほどの巨大な体で、黒い角を二本生やした恐竜のような頭、七本指に太い腕、象のような両足。
こいつは『悪魔武将ギガダイーナ』でパワー一番のアタッカー。
大陸を砕くほどで星杯を崩したらしい破壊神のような悪魔だ。
武力一六五万。
「ははははは! あまりやりすぎるなよ? 虐殺の楽しみが減る」
四枚の巨大な手を翼に浮遊する、額からツノが生えた一つ目のタコ頭だけの悪魔。
こいつは『魔公爵オクトベアド』で様々な特殊能力を駆使する。
何度殺しても蘇ってくるので、どんな猛者も手を焼いたと言われる悪魔だ。
武力一三七万。
「まずは三大精霊王どもに、これまでの恨みをはらさねばな!」
体こそドラゴンの風貌をしているが、頭はこめかみからの左右のツノに人面、翼はやはり手。
こいつは『悪魔竜ウラギカイン』でヒトに化けて人類の組織内部からウィルスなどで内部から地獄を見せるえげつねェ悪魔だ。
武力一四八万。
「とはいえ、鍛錬するのに閉鎖的ではあったからな。もっと広い世界で腕を上げたいものよ」
禍々しい形状の黒い鎧を纏うが実は体の一部、腕と一体化した大きな槍に、下半身が六本脚の馬。
こいつは『悪魔騎士ナイトメア』で音速を百も超えて突撃する悪魔だ。
武力一五六万。
「ムリもなかろう。何千年も退屈なツボの中で我らしか相手がいないのだからな」
「我は自分で二体分でお得。ガハハハ」
二頭を持つキリンのような長い首、足はなく、六本腕のみで立つ奇妙な体。
こいつは『双頭魔将ジサクジエンナ』で音を操る悪魔。離れたところへ発音かつ、声色を使ったりして人類を欺く愉快犯。
人類側で疑心暗鬼に陥って、戦線が鈍ったという。
武力九九万。
「三大精霊王どもはいつものように封印を張り直すつもりでいるだろう。そこが付け入る隙よ……。この瞬間のために、我々は待ち続けてきたのだ……」
悪魔城の頂点で腕を組んで立つ銀髪オールバックのイケメン、こめかみと額で三本のツノ、薄紫の肌、黒い衣服に包まれつつも引き締まった筋肉が窺える。
こいつは『悪魔王ポットデボス』で悪魔を統括するボスだ。
全体的にステータスが高くて知能も高いオールラウンドな悪魔。
武力は二三〇万。
「地上よ、楽しみにしていろ……。十四日から、阿鼻叫喚と惨劇が繰り広げられる歴史的な反逆ストーリーが始まるのだ……!」
地獄の炎をバックに、ポットデボスは悪辣に笑んでいく。
三大精霊王は説明し終えて、緊張に包まれていた。
《……恐らく、ただでは封印の張り直しを許さぬであろう》
《そのためのお前なのだ。妖精王よ》
《他に特攻となる者はいない。一応、他の世界天上十傑に招集を呼びかけたのだがな……》
三体ともアッセーを注視している。
妖精王が来てよかったっていう雰囲気だ。だからかアッセーは「精一杯頑張る」とひきつる。
プレッシャーやばい。
「ってか四首領と同等かそれ以上の悪魔がゴロゴロいるなんてな」
中には二〇〇万オーバーのいるって言うじゃないか。
確かにこれでは、魔人の時のように鈴を鳴らして一網打尽にはできないだろう。
封印の張り直しが失敗すれば、精霊里は壊滅して、地上が地獄絵図に包まれるだろう。
「ってか、なんで封印したの? 武力は確かに高いが、とてもじゃないはず?」
《ところがそうはいかないのだ……》
《奴らは不老不死を獲得しおったのよ》
《いかなる方法においても殺す事が叶わない。肉体の一辺残らず消し飛ばしても復活してくるのだ。そしてそいつらは我らが長き天寿を全うしても、全盛期の肉体で永遠に生き続けるのだ》
「え? なんかタコみたいな悪魔が復活能力を持ってたんじゃ?」
《やつらが不老不死を持つまでは、そいつだけだったんじゃ》
なんかヤベー悪魔じゃないですかい。
「どうやって不老不死になったん?」
《それは世界一ダンジョンを踏破したお主が一番分かっておるじゃろ》
「あー……、魔人か」
そいつで願いを叶えてもらって不老不死か。最悪だ。
普通の貴族さまがなるなら、ともかく四首領クラスのが不老不死だなんて悪夢だ。
「さて、どうしたもんか」
こんな時の為に取って置きが三つほどあるが……。
そんな悩むアッセーを、ローラル、アルロー、ユミ、マトキは蚊帳の外で「むー」と膨れながら眺めていた。
完全に置いてきぼりなので拗ねてるようだ。
何も知らないのかグングは緊張して、なんか張り切ってる感じだ。
「ヤベー悪魔軍団でありますね。ワタシにできる事あるでありますか?」
完結まで残り3話!




