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【完結済】破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします  作者:


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【むぅぅ……途切れても仕方ないくらいなんだぁ……】

「そう言う事。

 でも……そうね。

 次回の瘴気騒動に備えて、調べて記録を残しておく事は必要かもしれないわ。

 ま……間隔が長すぎて、残したところで伝わるかは怪しいけれど」


 と、返事をしたのだが、ロザリーの方はまだ考え込んでいる。


「ロザリー?」

【んん~~……でも、不思議なんだよね。

 なんで瘴気は浄化終わったのに、わたしが消えてないんだろ……】


 意味がよくわからず問い返す。


【エリルシアと繋がったからって言うのが理由だとしても、浄化が終わってわたしが抜け落ちて…で、暫く経ってからだったでしょ?

 これまでだと霧散してると思ったから、不思議だなって】


 ロザリーの言葉にエリルシアは首を捻った。

 目の前に居るのだからと受け入れてはきたけれど、確かにおかしいと言えばおかしい。

 役割を終えれば、魔素として散り戻るのが普通であるなら、瘴気の浄化が終わった時点で消え失せたはずだ。


 考えられる可能性……。

 役目を終えていないから霧散しなかった…と考えるのが一番自然な流れだろうか…。もしかすると一度は霧散したが、再び何処(どこ)かに瘴気を感じて、集まりかけていた所へエリルシアと繋がった…そんな可能性もなくはない。


 後は…途切れた情報を伝える為……なんて考えたが、流石にそれは希望的観測すぎる。

 前述の場合、どうしたってこの付近か、それとも離れた場所かはわからないが、此処(ここ)で起こった水不足のような事態に陥る事を意味している。


 エリルシアは無意識に下唇を噛み締めた。

 どうやら悠長な事を言っている暇はないと考えた方が良いだろう。


 考えて考えて、エリルシアは『蔓の姫と5つの宝玉』の本を持ったまま、家を飛び出した。

 ロザリーも慌てて追いかけて行った。











 某国、とある場所にて…。


「これは誠か?」


 大きな椅子に、横柄に座っているのは大ぶりな剣を佩いた男性。

 武人と言った風貌で身長は2メートル近いのではないかと言う大男だ。

 その彼が自身の前で膝を折る者に問いかける。


「はい。

 丁度国境辺りです」

「そうか……下がれ」


 膝を追っていた者は、(うやうや)しく一礼してから退室していった。

 そこへ横から声が発せられる。

 甲高い、人によっては耳障りに感じそうな声…。


「お父様、それは使えるんですの?」

「何故ここにいる?」


 大男の顔には大きな傷もあるが、横から割り込んできた年若い女性は怯える風でもない。

 見慣れているのか、顔には嫌悪の色はなく、反対に薄く笑みが浮かんでいた。


「ここへは来るなと言ったはずだ……暇なら公務の一つでもしろ」

「え~嫌ですわ!

 だって……絶対に笑われるから嫌!」


 不機嫌を滲ませた、妙にドスの効いた声を向けられたにも拘らず、女性の方は気にするどころか憮然と言い放つ。

 大男の方は蟀谷をピクピクと引き攣らせているが、予想に反して怒声を浴びせたりはせず、がっくりと溜息を落とした。


「それよりも!!

 ねぇ、さっきの報告はロズリンドの事?」

「……違う」

「えぇ!!??

 でも国境付近なんでしょ?

 だったら」

「いい加減にしろ!」


 流石に声を荒げられて、女性は身を縮こませ、ヒィッと声を詰まらせる。


「でも……」


 それでも懲りないのか、女性はおずおずと大男の顔色を窺う。


「何度言えばわかる…。

 お前如きが口を挟むな」

「だって!!」

「これ以上煩く言うなら、娘であっても切り伏せるぞ。

 お前の『でもでもだって』…は、聞き飽きた」






ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。


リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。


もし宜しければ、ブックマークや評価、リアクションに感想等々、とても励みになりますので、何卒宜しくお願い致します。

ブックマークや評価等々くださった皆様には、本当に本当に感謝です。


誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

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