side先生 ゆうきくんの相談
前回のあらすじ
どうやらゆうきくんの価値観は、他の男性とは全く違うようです
さっきは危なかった。本当に彼のことを襲いそうになったけど、彼の怖がる顔を見たときにやめなきゃって咄嗟に思って冷静になれてよかったわ。彼のことを傷つけなくてすんで本当に良かった。危うく本能的に彼の唇を奪ってしまうところだった。
私は彼の隣にくっついている。ほんとは正面から抱き着いていたいけど、我慢する。ゆうきくんは私が関わってきた男性と全然違うことが話していて分かった。くっついても嫌な顔はするけど、すごく嫌って感じはしてないし、少し顔も赤いような気がする。もしかしてゆうきくんはむっつりスケベさんなのかな。たまに私の太ももを見ているし、ゆうきくんが良かったら思う存分触ってもいいのに。
元はといえば、ゆうきくんから助けを求められていたんだった。彼の事情を聞くと、赤葉高校の入学式に向かっていたけど、公園で須藤姉妹に出会ってここまで連れてこられたらしい。後で彼女らにはくぎを刺しておくか。ここに連れてきてくれたのは彼女らのおかげで感謝はするけど、もう接触してほしくないわ。
「それで須藤さんたちに連れてこられて、青葉高校に来たって感じです。携帯も途中で壊してしまって誰とも連絡できないんですよね」
「それは大変でしたね。私の携帯を使ってご両親に連絡しますか?」
「いえ、その僕の両親は僕が小学生ぐらいのときに交通事故で亡くしてしまったので、実際は連絡する人もいないんですけど…」
私はいけないことを聞いたと思ってすぐに謝る。
「ごめんなさい、私としたことがゆうきくんを悲しませることを言ってしまいました」
「いえ、大丈夫です。気にしてないので落ち込まないください」
ゆうきくんは本当にやさしい。
「ゆうきくんは、今まで一人暮らしだったんですか?」
「両親が亡くなってからは親戚に面倒を見てもらって、中学生からは一人暮らしです」
ゆうきくん、一人暮らしだったんだ。私も今は一人暮らしの独身だし、私の家を売ってしまって、ゆうきくんの家に一緒に住みたい。ゆうきくんのお世話をしたいわ。今まで寂しい思いをしていたんだもの、ゆうきくんのお母さんの代わりになれるかは分からないけど、そうなりたいわ。
―――
「ところで、ゆうきくんはこの後どうしたいんですか?」
「赤葉高校がどうやらないみたいですし、仕方ないので新しく入学できる高校を探さないとですよね」
このあたりで共学と言えば、青葉高校しかない。こんな美少年をわが校に解き放ってしまったら彼が今後何人の彼女を作ってしまうことになるのか。クラスメイト全員がメロメロになってしまうわ。私がゆうきくんのことを独り占めしたいのに。それはなんだか嫌だわ。
「高校に行かなくてもいいんじゃないと思う。高校生になると、男子生徒はほとんど学校に来てないし、もしかしたらお友達とか作りにくいかも…」
こういうことを教師がいうのもどうかと思う。私が今すぐ養ってあげるのに
「将来しっかり働きたいので、高校には行きたいです」
彼はしっかりと明言する。
そう言われてしまったらもう否定なんてできない。
「さっきからずっと疑問に思ってたんですけど、なんで男子生徒は高校生から通わなくなるんですか?僕はほとんど全員通うと思ってました。」
「なんでって男性の割合が大幅に減少していて、女性のことを怖がったりしてこないからなんだけど…」
ゆうきくんは驚いて私のほうを見る。
「え?!男子ってどれくらいいるんですか?」
「日本だと男性一人に対してだいたい8人くらい、女性がいるよ。ゆうきくんと同年代だともっと少なくてだいたい1対15くらいになるけど」
ゆうきくんはまるで初めて聞いたかのように口があんぐりとあいていた。常識だと思っていたんだけど、ゆうきくんは知らなかったのかな?もしかしたら、田舎から来たのかもしれないわね。
「そうなんですね…わかりました…」
「やっぱり、ゆうきくん高校に通いたいんですか?」
「はい、通いたいです」
仕方ないか、彼の意見を尊重しよう。
「それだったらこのあたりの共学は青葉高校しかないです。それ以外は女子高です。ゆうきくんがよかったら青葉高校に通いますか?」
「通いたいです…。入学試験もしっかり受けます。ダメだったらしっかり落としてください」
「きっと校長先生に相談したら、たぶん二つ返事で何も受けなくても入学できますけど」
「そうなんですか。でも一応受けておきたいです。入ってから勉強についていけなかったら嫌なので」
ゆうきくんはとても真面目なんだ。そういう一面もあるのね。
「わかりました、一度校長に相談しておきます。携帯がないみたいですし、明日また学校に電話で連絡をお願いします。
ところでゆうきくん、一人暮らしなんだったら今夜私の家に泊まりに来ない?」
「絶対に嫌です!!」
彼の怒っている姿のもかわいい。
だいたい2時間くらい彼とお話しました。2時間とは思えないほど一瞬でしたね。
「そろそろ帰ります」
「わかりました、では校門まで送っていきます」
本当は引き留めたかったけど、入学式がもうすぐ終わる時間だ。彼のことを見つけた女子生徒は何をするかわからない。早く避難させないと…。
彼と生徒指導室を出て、彼を校門まで送っていく。
「ありがとうございました。また明日電話します。」
そういってゆうきくんは青葉高校から去っていこうとする。
「ゆうきくん少し待ってもらってもいいかな」
彼が去っていこうとするのをとめる。
私はある公共機関に電話する。ゆうきくんを放っておいてはならない。男性が歩いているだけでナンパもされてしまう。電話するのは男性保護機関である。
「すみません、青葉高校の職員ですが、大至急男性の保護及び護衛をお願いしたいです」
またよかったら読んでください
明日はお休みします。一回誤字修正を行います。
次話の投稿は水曜日になるかと思います。




