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ケモミミTS魔法少女は何を見る~俺は天才だ!~  作者: 火蛍
6章 ケモミミ少女、冒険者になる
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再び一悶着

 「確かに依頼の品をこちらで確認しました。依頼人へのクエスト達成の通達と納品はこちらから手配しておきます」


 薬草の採集を終えたハルトたち三人は冒険者ギルドの窓口にてクエスト達成の報告と薬草の納品を行った。依頼人へはギルドを介して納品されるようである。

 納品と引き換えに報酬を受け取ったハルトとループスは初めてのクエストを無事成功に終わらせることができた。


 「よかった……これで僕も少しは実績ができました」


 ロビンもクエストの成功を喜んでいた。それもそのはず、彼はこれまで単独でできる小規模な採集クエストしか成功させることができなかった。だがハルトたちの協力もあって一回り大きな実績を作ることができた。


 「よかったじゃん。これで少しは他の人を誘いやすくなったんじゃないか?」

 「かもしれませんね」

 

 これで収まりよく解決……というわけにもいかないようであった。ロビーでたむろしている荒くれの冒険者たちがロビンをニヤニヤしながら眺めていた。


 「ようロビン、またクエスト失敗の報告か?」

 「いえ。今日は達成の報告をしたんです」


 荒くれから煽るような言葉を投げかけられたロビンは穏便に返答した。やり取りの内容からするにロビンは過去に何度かクエストに失敗しているようである。荒くれ冒険者たちのロビンを見下す態度がハルトとループスには見え透いていた。


 「お前でも成功できるってことは大したことないんだろうな」

 「アーッハッハッハッハッハ!」


 荒くれ冒険者たちもロビンを笑い飛ばしていたがハルトとループスの存在に気付くと露骨に視線を逸らし始めた。これによって彼らは見下し馬鹿にする相手を選んでいることが明白になった。 

 不快感を募らせたループスは先手を打って剣の柄に手をかけながら荒くれたちの前に出た。 


 「おい。お前たちは見下す冒険者を選んでいるようだな」

 「あ?」

 「答えろ。お前たちは他の冒険者をなぜ見下す」


 ループスは荒くれを睨みつけながら詰め寄った。獣の如き鋭い眼光に気圧され、荒くれは思わず息を飲んで一歩後ずさる。


 「ちょうど俺たちもロビンと同じクエストを受けていたんだが、お前たちは俺を見下すか?」 

  

 ハルトもループスに加勢するように並んで詰め寄った。一方の荒くれはループスの隣で威勢を張るハルトのことが気に食わないようであった。


 「なんだガキィ!?あんまりナメてっと……」


 ハルトに詰め寄ろうとする荒くれの腕をループスがすかさず掴んで押さえつけた。手首に爪を立て、言葉一つ発さずに食い込ませて締め上げる。


 「て、テメェ……」

 「コイツに手を出したら絶対に許さん」


 ループスは手を払って荒くれを突き放すとと端的に警告するように言い放った。彼女にとってハルトは今最も大切な存在である。もし直接手を出そうものなら真っ二つにすることも辞さないつもりであった。

 ハルトは懐から銃を取り出すと弱い弾を詰めて引き金を引き、威嚇射撃を行った。弾丸は細いレーザー状の光となり、荒くれの真横を一瞬で通り抜ける。


 「俺もコイツほどじゃないにしても結構強いぞ?人間程度なら一発でぶち抜ける」


 ハルトは銃口を向けながら啖呵を切った。彼女は純粋な腕力ではループスに劣るものの、銃を使った遠距離攻撃の攻撃力ならループスをも凌駕する力があった。さっき撃ったのも威力を抑えており、さらに上の弾を使えば施設の壁ごと人ひとりを消し飛ばすことも雑作ではない。


 「チッ……」


 荒くれは舌打ちすると諦めて踵を返した。銃の威力を警戒した他の荒くれたちも距離を置くようにハルトたちから離れていく。

 その一部始終をロビンは唖然としながら眺めていたのであった。


 「このあとどこ行く?」

 「風呂を浴びに行きたい。薬草の匂いがこびりついてたまらん」


 白けた空気を強引に切り替えるようにハルトたちは話題を作った。ハルトにはわからなかったがループスの鼻には薬草の匂いがこびりついて離れていない。洗い流してさっぱりとさせたかった。

 


 「じゃあな」

 「またお供する機会があればどこかで」


 ハルトたちはロビンに別れを告げ、二人で風呂のある場所を探すのであった。

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