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ケモミミTS魔法少女は何を見る~俺は天才だ!~  作者: 火蛍
最終章 これまで見てきたもの
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エリアルの名簿

 ループスから連絡を受けたカーラはエリアルに在籍している生徒の名簿を入手した。名簿は現役で在籍中の生徒あるいは教師にしか見ることができないため、ループスには見ることができなかったのである。


 カーラは職員室にて生徒の名簿に目を通していた。全学年の全生徒百数十名分、一つ一つをくまなく見ていくものの、ループスの言っていた『リオ』という男子生徒の名はどこにも見受けられなかった。


 「過去数年分の名簿はないんですか」

 

 リオの名を発見できなかったカーラはさらに過去数年分の名簿を要求した。リオが現役生でないことは確定したため、いつの時期まで在籍していた生徒なのかを確認したかったのである。


 「そんなに名簿を見てどうされたんですか?」

 「生徒の名前を覚えようと思いまして」


 一心不乱に名簿を読み漁るカーラに他の教師が声をかけるとカーラはそう答えた。過去数年分の名簿を読み合わる理由としてはややずれているものの、生徒と向き合おうとするのはよいことだと捉えられたのかそれ以上踏み込まれることはなかった。


 「あった。リオ・クラウン……」


 カーラはついに名簿からリオの名を発見した。その名が記された名簿は今から二年前のものであった。その時の彼はまだ最上級生ではなかったものの、一年前のものにはすでに彼の名はない。つまりリオは二年前を境に何らかの理由があって卒業前に退学していたということになる。

 リオの謎を追うべく、カーラは教師たちから情報を引き出そうと試みた。


 「リオ・クラウンですか。知ってますよ」 

 「本当ですか。どんな生徒でしたか?」

 「平たく言えば『真面目に授業を受けるアルバス・アイム』のような子でした」


 カーラから取材を受けた男性教師はリオについて語った。聞く限りではどうもリオという少年は校内での素行に問題があったわけではないようである。アルバス、もといハルトと比較されている辺り成績も優秀と見て間違いはなさそうであった。

 だがそんな彼がなぜ退学してしまったのか、カーラにはそれが不可解でならなかった。


 「そんな彼がどうして退学なんて?」

 「さあ。彼といいアルバスといい、天才の考えることは我々の理解が及びませんよ」


 リオがなぜこの学院を去ってしまったのかは生徒にも教師にもわからなかった。そんな中、カーラの中に一つの疑問が浮かび上がる。


 「ところで、反エリアル団の存在が発覚する前に生徒が誰かに襲われたっていう報告が入ったことは?」

 「ありましたよ。昔からここの生徒を狙う事件はありましたが、ここ数年は報告が増えたかもしれません」

 「その報告が増えたのって、具体的には何年前からかわかりますか」

 「確か……一年ぐらい前ですよ」


 カーラの中で何かがつながったような気がした。カーラがここからいなくなったのが一年前、そして襲撃事件の報告が増えたのも一年前。反エリアル団とリオが密接に関わっている可能性が浮上したのである。


 「リオの行方は?」 

 「流石にそこまではわかりませんよ。除籍した生徒の行方なんて我々の周知の及ぶところではありませんから」

 

 男性教師はリオのことをあれこれ聞き出そうとするカーラを訝しみつつも答えた。彼にはどうもカーラがどんどん危険なところに踏み込もうとしているような気がしてならなかった。


 「カーラ先生。我々教師の本分はあくまで生徒を教え導くことですから、校外の出来事に首を突っ込みすぎないようにお願いします」

 「ええ、わかっていますよ」


 カーラは男性教師から釘を刺されるように忠告された。万一のことを考えると自分は外に出るようなことは控え、あとは一歩引いた場所からハルトやループスたちに任せておいた方が賢明だと判断できた。


 

 その日の夜、カーラは自分が得た情報をハルトたちの元へと持ち寄ったのであった。

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