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ケモミミTS魔法少女は何を見る~俺は天才だ!~  作者: 火蛍
14章 魔法使いの始祖
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強烈な詰問

 ループスの大立ち回りによって襲撃を仕掛けてきた男たちはその尽くが返り討ちとなった。そして今、ループスが無作為に選んだ数名が取り残されて残りは追い返すように解放されていた。


 「お前たち、どこの回し者だ」

 

 ループスは残した男の一人の胸ぐらをつかみ、修羅のごとき表情で睨みつけると脅迫じみた物言いで情報を引き出そうとした。自分たちにいきなり襲撃をかけてくるような存在がいるとしたらまずアウトローであり、彼らは基本的に表の人間には誰かからの依頼という形でしか手を出してこない。つまり彼らに襲撃を依頼した黒幕がいるはずなのである。


 「い、言うもんか……」


 アウトローの男は口を割らないつもりでいた。アウトローの中でも依頼主への忠義が高い方のようである。ループスは彼に自分と同じ何かを感じつつも詰問を続ける。


 「ほう。見上げた忠誠心だ」


 ループスは掴んでいる部位を胸ぐらから首に変えると親指の爪を突き立てながらその首を締めあげた。人外じみた握力に締め上げられ、ループスの爪が首の皮膚を抉らんばかりに食い込んだことで男は悲鳴にもならない呻き声をあげる。両手でループスの腕を掴んで引きはがそうとするがその抵抗は彼女には届かない。


 「お前が口を割るか、それともお前の命が尽きるか、どっちが先か見物だな」


 ループスは不敵な笑みを浮かべると見せしめと言わんばかりに言い放った。その姿はさながら獲物を甚振る肉食動物のそれであり、居合わせたものすべての目に強烈に焼き付けられる。


 「ループス、それぐらいにしておけ。それ以上やったらマジで死ぬぞ」


 いくらかループスを好きにさせたところでハルトが制止に入った。今のループスはハルトに危害を加えようとした相手に対する過剰な報復に走っている。それを止められるのはハルトだけであった。

 ハルトからの制止を受けたループスは腕の力を緩めてその場に落とすように男を解放した。開城された男は首を抑えて咽返り、その首にはループスの爪痕がくっきりと残されていた。


 「うちのループスがついやりすぎて悪いな。コイツ俺のこととなるとアツくなりすぎちゃうからさ」


 ハルトは軽口を叩きながらループスの非礼を彼女の代わりに詫びた。だがそれはそれとして自分たちをアウトローに襲わせたのが誰なのかはハルトも知りたいところであった。


 「で、誰がお前たちをここに向かわせたんだ?」


 ハルトは懐から銃を抜くと窓を開けてその向こうへと一発威嚇射撃を行うと、立て続けに男たちへと銃口を向けた。もちろん残りの弾はすべて空砲となっているため、引き金を引いてもダメージはない。


 「あんまり焦らさない方がいいぞ。ここにいる全員、お前たちより強いからな」


 呆然とする男たちにハルトは現実を突きつけた。ハルトには銃と魔弾を用いた人間には対応不能な瞬間火力が、ループスには剣術と強靭な身体能力が、アリアには人知を超えた力を持った精霊が、カーラには人を魔法石に変えられるほどの魔力がそれぞれ備わっている。要するに普通の人間ではどうあがいても彼女たちに太刀打ちできないのである。

 その一言は男たちの心を折るには十分な材料であった。


 「アイツだ……今朝お前たちが殺した獣の飼い主の男だ……」


 ハルトの言葉に心を折られた男が自分たちに襲撃を依頼した人物の正体を白状した。それは今朝の一件を引き起こした張本人でもあるあの男であった。

 首謀者を聞き出すことに成功したハルトは銃口を下げ、銃を手元でクルクルと回転させるとそれを再び懐へと納めた。


 「もうお前たちに用はないから帰っていいぞ。気が変わらないうちに失せろ」


 ハルトはわざと耳を伏せ、警戒心を示す仕草を見せると男たちに退散を促した。もはや報復の意欲すらも消え失せた男たちは促されるがままにその場から立ち去っていくのであった。


 「ちょっと予定を変える。ここを出るのはもう少し後だ」


 ハルトは今後の予定を変更し、旅に出るのを遅らせることを決定した。というのも自分たちへの逆恨みからケンカを吹っ掛けてきた今朝の老爺をわからせるためであった。

 ループス、アリア、そしてカーラもハルトの意図を読み取りそれに同意する。



 こうして四人の魔法使いによる徹底的な報復劇が幕を開けたのであった。

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