172、忘れ物
何はともあれ、リーダーの私の元、こうしてパーティーメンバーの心が一つになった。よしよし、これでようやく作戦を行なえる……と思ったが、何だか忘れていることがあったような……。
「しまった、まだ作戦名を決めてないいいいいい!」
「また『しょくしょくしょくしょくしょくしゅっしゅ!』作戦二号とかでいいではありませんか、お嬢様。触手仲間の敵討ちということで」
「それすっげー適当過ぎんだろおい!」
「そんなものはどうでもいいですから、早く具体的にどうすればよいか指示を出してくださいまし、センナさん! 仮にもリーダーなんでしょう?」
俺、じゃなかった私がアロエとじゃれているところにルーランのやつが水を差してくる。まあ、言ってる内容は至極真っ当ではあるが。
「だからさっきも言っただろ! ノーパンオブルージュの伝言とかいうやつだ!」
「だからそれは違いますって! っていうかさっきとちょっと変わってますわよ!」
「おっと間違えた。『とにかく文句はいいから早いとこ壁を木っ端みじんこにしろ!』って言っただろ!」
「だからどうやってですの!? それを具体的に言ってくださいまし!」
「とりあえずのところ、作戦名は『ノーパンしゃぶしゃぶオッパブリュージュ競技の伝言』ということでよろしいでしょうか、皆々様方?」
「ぐがああああああああああああああああああ!」
私とルーランが喧々諤々言い合っているさなかに今度はアロエが超どうでもいいアイデアを出してきたので思わず宙に向かって吠えてしまった。いかん、深呼吸しよう。
「……何か攻撃魔法を使えば良いのでは?」
一人議論を静観していたサラジェンが、ようやく発言してきた。
「とはいっても妾は火炎魔法、あなたは投網魔法、そしてセンナさんは重力魔法ですしね……壁に穴を直接開けるようなものはございませんわよ」
指示待ち人間かと思われたルーランが極めてまともな意見を述べる。確かに敵ならいざ知らず、通路に火をつけてもさっきのように私たちの方が困るだけだ。もっとも打開策を出さないところがこいつの駄目な点だが。




